1941年の「大西洋憲章」と1943年の「カイロ宣言」では、連合国側が領土不拡大の
原則を確認していますが、それは大日本帝国が東アジア中で侵略を進めていたことへ
の対抗措置です。そこでいきなり「北方四島が日本国が略取したものではないことは
歴史的経緯に鑑みても明白です」といきなりこっち側の結論がくるのか?!
そりゃあ突然の飛躍ではないかねw その根拠を書かないと。。。
1945年、英米とソ連が「ヤルタ協定」に署名。日本をやっつけたあとの国境策定です。
日本はその協定に参加しておらず(そりゃ当たり前だよ)、「いかなる意味においても
これに拘束されることはありません」ときたもんだ。
こういう国家間の協定には、すべての国が参加するわけではない。強国が勝手にやるん
です。これを忘れないでおこう。次の部屋の韓国や中国とのやりとりで、あちらが
参加してない協定を日本は主張していますので。それに加えて、こういった強国間の
やりとりに、ずっと住んでいた原住民は参加してないでしょう。北海道に住んでいる
アイヌ民族が「いかなる意味においてもこれに拘束されることはありません」と
日本政府に「出て行って」「土地を返して」と言ったらどう答えるのでしょうか。
さてついに戦後の処理です。日本が降伏したところでソ連が北方領土を含めたところ
まで占領して今に至るわけです。「サンフランシスコ平和条約」では、米国は北方領土は
日本のものだと言っていますが、ソ連はその条約の当事国ではないので、「いかなる
意味においてもこれに拘束されることはありません」と言うだろうねえ。そしてその
文面では、翻訳や解釈の違いが出てきてしまい、お互い自分の都合のよいように主張
しているのです。こりゃあきれいに決着つきませんぞw
歴代首相が領土問題でロシアの大統領と交渉している歴史が並んでいます。そりゃあ
「返せ」と言って「はい、わかりました」と言うわけありませんよねえ。
このところはプーチンと交渉しているわけですが、今は敵国のようになってしまった
ので、そりゃ全然無理でしょう。
「北方領土は、日本国民が父祖伝来の地として受け継いできたもので、いまだかつて
一度も外国の領土となったことがない日本固有の領土です」。これが我が国の基本
方針。
「父祖伝来の地」としてそこに長らく暮らしてきた少数民族のいた土地に、ロシアや
日本が19世紀後半にやってきて分捕り合戦&入植をし、この100年あまりお互いに
「こっちのもんだ」とやっているわけですが、決着は難しそう。
領土問題は、悲しいことに「実効支配=力による縄張り争い」で事が決まります。
話し合いで決めようとするなら、相当譲り合わないといけません。夫婦間の家事分担と
同じで、自分のほうが「7割負担している」と、お互いが思ったくらいでようやく
半々です。そりゃ厳しいぜ。
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