弥陀ヶ原の朝を迎えました。山を下るバスは9時なので、朝食後に湿原を散歩する
ことにしました。
ホテルのすぐ前から散策路が始まっています。朝の7時台だけに、誰もいません。
静かで広々としており、空気はひんやりとしているが寒くはない。実に気持ちが良い。
ぐるりと巡るコースは、小さく回る1時間コースと大きく回る2時間コースのルートが
あります。まあ1時間ほどで帰ろうかと歩いて行きました。
まもなく水たまりが見えてきました。これが「ガキの田」と呼ばれています。
地獄に落ちた餓鬼が飢えをしのぐため田植えをしたという伝説があるそうです。
冷たそう。このエリアは立山の噴火の際に起こった火砕流のあとなのだそうです。
「ガキの田広場」に出ました。ベンチがあるので少し座る。この広々とした場所で、
鳥の鳴き声がまわりから聞こえてきます。「ワッホゥ!ワッホゥ!」これはカッコウ
でしょう。「ウォー、ウォフェホウ!」これはホーホケキョのウグイスですね。
これが360度から、まるで自分のまわりにあちこち配置されて、みんなで順番に
とぎれなく鳴いています。遠くの山から、驚くほど近くから、俺ひとりのために
一斉に合唱してくれているよう。なんとまあ素晴らしい音楽会でしょうか。
小回り1時間コースの半分までやってきました。でもまだ20分経っていません。
それなら大回りでもいいか?
せっかく大自然の中、誰もいないところをひとりで歩いているので、とりあえず
もう少し先まで足を延ばしてみよう。あまり遠ければ途中で引き返せばいいじゃないか。
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