さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

市立函館博物館 18

2016年05月06日 | 北海道シリーズ



立待岬を歩いた後は、市立函館博物館です。ここも私の好きなところです。入場料が
100円で、いつも空いているし(^益^)b



床がピカピカ。展示品もいいけれど、このハコ、建物自体が古くていい感じなのです。

こういうのを見ると、むかしの学校を思い出すなあ。私は学校が大嫌いで、行か
なかったら先生が自宅まで迎えに来たこともありました。建物の雰囲気すべてが
嫌でした。でもすっかり大人になったら、こういう雰囲気が懐かしくなって(?)、
「いいねえ」と感じるようになったのです。どうしてなんだろう。



座っているのがアイヌ。1886年(明治19年)の写真です。英国の旅行家、イザベラ・
バードが1878年に函館にやってきて、「日本奥地紀行」という本を書いています。

日本人の書いた歴史はどうしても当事者、征服者、侵略者という目線を避けて通れ
ませんが、他所から来た「ただのおばさん」目線は、比較的客観的な描写を可能に
しています。

それを読むと、同行した日本人通訳の「アイヌは犬だ」という偏見の言葉にバードは
気分を悪くしています。しかし西洋人がアフリカ、オーストラリア、アメリカ大陸と
いった植民地で原住民に残虐な行為をしているのに対して、日本人はアイヌ民族に
それほど残酷ではなく、共に暮らしている面もある、と見ていることに、私は少し
ほっとしたのでした。まあその時代に乗り込んでいって土地を収奪したことに変わりは
ないのですが。



「西洋人=文化人=キリスト教信者」という自負心のあるバードから見て、アイヌ民族は
結局は「未開人」と映ります。しかし彼らは「穏やかで親切で正直」であり、さらに
その素朴な自然崇拝の信仰は、決して野蛮なものだとは見ておらず、この時代に
してはかなり開かれた偏見のない視野を持っています。

バードは横浜から北上して日光、新潟、秋田、北海道を旅し、さらには西の伊勢まで
行きました。明治時代の日本の様子がわかってなかなか面白いですよ。いずれ
どこかで紹介することもありましょう~。



こういう展示物があると、ついしみじみ見てしまいます。

  

こういう写真もそう。トウモロコシを食べている少年たちの嬉しそうなこと!



函館は、たびたび大火災に遭いました。
いくつかの土蔵を除いて全部焼けた様子です。



「パノラマで見る明治と今の函館」という展示がありました。

どうです、上の明治時代の様子。いまは繁華街となっている五稜郭のあたり、そして
湯の川温泉のあたりはな~んにもない。考えてみれば港から発展していったのです
から、当然なのでしょうけれど。



さらにこれは江戸時代でしょう。ほんとに建物は港のエリアだけ。外洋に面したほうの
海岸には砂浜だけかー。



最後にトイレに入ったら、おお古い!と思ったので撮影(^益^;