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昨日も触れましたが、今、第三のブームが来ている地元神楽坂。
ただ、特に路地などを歩いていると、以前の料亭の建物が中身はチェーン系のお店になっていたり、(全然違うパターンですが)建物自体は昔と同じ「古い民家」でも、「古民家風」の居酒屋になっていたりと、佇まいは以前と同じでも中身が違う、というものが増えてきました。
やはりブームになるとなぁ、と思っていたのですが、同じような体験を先日、神保町でしました。
神保町の交差点と駿河台下交差点の間の靖国通り。
通りの南側は駿河台下の三省堂にはじまり、慶文堂や小宮山書店、一誠堂などと、古書店街を代表するようなお店が並んでいます(古本屋さんというより、古書店、ですね)。
もう30年以上通っていると言っても過言ではないので、それぞれのお店の雰囲気も感覚で覚えているのですが、その中の1軒の老舗の古本屋さんの前を通った際、建物は一緒なのに、中の様子が変わっているのに気付きました。
思わず中に入って、棚を見ると、ジャンルも趣味も全然違う。
あれれ、と思ってお店に出て、看板を見ると、違う名前になっています。
ビルの名前には以前の古本屋さんが残っているので、古本屋さんだけ閉めて、別の古本屋さんに貸してしまったのでしょうか。
あんなに立派な古書店がやっていけない時代なのかなぁ、と感傷に浸りつつ、再度店内に戻ったのは、棚で見かけたこの本が気になったから。
「日本酒博物誌」という本です。
作者は岡田聡という人で、東京書房から1972(昭和47)年に出版された本です。
手に取ってパラパラっとめくってみたのですが、「酒豪伝説」とか「酒の種類」とか、いわゆるエッセイ集。
「よくある本だよな」と棚に戻そうとしたら、-景気いい”新川締め”という小見出しが目に飛び込んできました。
即買いです(もちろん、値札はその前に見ていました)。
この本、当時日本経済新聞に掲載された連載記事をまとめた本のようなのですが、その中の酒問屋の今昔」というところで新川の酒問屋や新川大神宮、そして新川締めも記されていました。
例えば、
-”初売り式”でPR
という小見出しのところでは、新年の初売りの様子をこう記しています。
売り場の正面に金屏風(びょうぶ)を立て正月のおかざりをして、その前に大ざらに山海の珍味を山と盛ろ、回りには自慢の酒だるを積み上げて客を待つ。
やがてなじみの客が訪れ、品定めののち、商談が成立すると客を別席に招き、三つ組の杯にヒヤ酒をつぎ、店主や番頭といっしょに威勢よく ”新川締め” の拍手をする。
”新川締め” が出ていますよ!
そして、この本を買うきっかけになった
-景気いい ”新川締め”
という小見出しでは、説明が。
全文を引用しましょう。
普通、劇場で俳優の襲名披露をはじめ、一般に行なわれる手締めは、
「お手を拝借、イョー、シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、・・・・・・・・」
という〃三三の締め″でこれは魚河岸から来たものらしい。新川締めは〃七五三の締め″といって、
「ヨーイ、ヨイヨイヨイ」
のかけ声で、三三一(七) 二三(五) 三の手拍子で締め、
「ごはんじよう」
というあいさつをして乾杯。ごちそうを小ざらに分けて杯の献酬がはじまる。
だから繁盛する店は一日に何十人もお客が来ると、店主や番頭は、店じまい時分になるとべろべろに酔ってしまうから、この日は特に酒の強い番頭が選ばれる。
お見事!
書物でこんなに的確に書かれているものは初めて見ました。
こんな出会いがあるから、古本屋さん巡りはやめられませんね。
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