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今朝の業界情報紙に、「洋酒樽で熟成したお酒がじわり増加」といった記事が出ていました。
ウチでもウイスキー樽で貯蔵した焼酎や梅酒など扱っていますし、タイトルを見たときは「ふーん」だったのですが、内容を見ると、ちょっと違った。
「熟成したお酒」といっても焼酎ではなく、「ビール」や「日本酒」などの醸造酒、でした。
なるほど、確かに醸造酒の樽貯蔵って、ワインのワイン樽、日本酒の杉樽(貯蔵)とかは「普通」ですが、「異なる種類のお酒の樽に貯蔵する」というのはあまり聞きません。
実際、今年の最初に日本盛さんからオーク樽に8年!も貯蔵した純米酒が発表された時は、「おっ!」という印象でしたね。
朝の記事では、この日本盛をはじめとして、緑川酒造(オーク樽)、モトックス(ワインを貯蔵した樽)、山梨銘醸(ウイスキー樽)、福顔酒造(ウイスキー/バーボン/ブランデー樽)などでの取り組みが紹介されていましたが、特にモトックスさんの取り組みを見て、湧いた疑問が2つ。
【疑問1】モトックスさんってワインのインポーターなのですが、樽貯蔵というのはお酒の製造には当たらないの?
【疑問2】「ワインを入れたワイン樽に貯蔵」というと、そりゃワイン的な味も結構つくよなぁ、と思うのですが、それってカテゴリ上「清酒」と言えるの?
まず【疑問1】についてですが、実際にモトックスさんのページなどを見ると、あくまで製造元は樽での貯蔵も含め当該日本酒を醸造した蔵元さん(鯉川酒造、田中酒造店)のようで、モトックスさんはプロデュース、ワイン樽の供給、発売元、という整理のようです。
なるほど、それなら問題ないですね。
で、【疑問2】についてですが、これも国税庁の酒税法のページを見ると、関連しそうな説明が出ていました。
第43条 みなし製造
第1項関係
1 「混和」の意義
法第43条《みなし製造》に規定する「混和」とは、酒類に他物を投入することにより、酒質に変化を来させる行為をいう。したがって、酒類に木片等を投入しこの成分を浸出させる行為は混和となるが、木製のたる等に酒類を貯蔵することより、樽の成分が自然に浸出した場合又は金ぱく等の成分の浸出がないものを投入した場合は、混和とはならない。
なるほど、お酒に木などを入れると、製造とみなされる「混和」になるのに対し、お酒を木樽に入れると、「混和」とはならないんですね。
判ったような判らないようなロジックですが、少なくともこれら樽で貯蔵しても「清酒」と称してよいようです。
これで疑問も解消!というわけですが、味噌樽とか醤油樽で貯蔵しても「清酒」なのでしょうかね?
「醤油樽で貯蔵したすっきり塩味の吟醸酒」とかスゴそう、、、、、、。
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