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筋が悪いよ! 地理的表示制度(呼称)の「日本酒」

2015-06-13 22:22:56 | 附属酒類経済研究所
                           
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微妙というか、筋が悪いというか、狭量というか。





新聞によれば、お国(とかセンセイ方)で日本のコメと水を原料にし国内で醸造した清酒だけに「日本酒」(ジャパニーズ・サケ)という呼称を認める、という地理的表示制度を検討しているそうです。




こうした地理的表示制度を作りたいというのは、感覚的にはわかるのですが、こと「日本酒」となると、なんだか釈然としない。

と、いうのも、ワインの場合、「ブドウ」を通じて本来的にも産地と結びついているものですが、日本酒の場合、特にお米などは全国各地の蔵元さんで「兵庫の山田錦を使っている」ことを売りにしたり、「○○(←地名系)杜氏の伝統の技」など、蔵元の場所とは別の地域の杜氏さん(の技)を謳ったり、という蔵元さんが少なくありません。
(水については地下水がほとんどだと思いますが、「名水をタンクローリーで輸送」という蔵元さんもありました)

その中で、「日本(酒)」という地理的呼称制度は、論理的に違和感があります。


加えて、世界での「日本酒」の使われ方、です。


近年、蔵元さんをはじめ関係者の努力で、「日本酒(Japanese SAKE)」という言葉は、世界標準の言葉となりました。
ただ、sakeという単語が既にある(~のために、とか)だけに、「Japanese」が前に付かないと、意味が通らない、こともあるようです。

そんな中、「日本酒(Japanese SAKE)」は日本産だけよ、というのは、大手メーカーなどが現地生産をしている現状を鑑みると、ちょっと意地悪。


色々な方面で「筋が悪い」のですが、落ち着いて考えてみて「そうだ!」と理解しました。


「日本酒」って「日本のお酒」ではなく、お酒の「ジャンル」なのです。

たとえて言えば、「イタリアン」とか「和食」です。
「日本で出すものしか和食と呼べない」って変ですよね。

お酒でも、「ビール」も「ウィスキー」も、原料を輸入している場合が少なくありません。

「自国の原料のみ使ったもの」と言われると総崩れでしょうし、「神聖ローマ帝国の範囲だったの国のみのものをウィスキーと呼べる」とか言われたら、それこそ国際問題になるのではないでしょうか。

その他、「醸造用アルコールに海外原料が使われていたらどうするの?」という意見もあるでしょう。それを考えると、「地元産のお米で醸した純米酒」という特定名称などは有意義だと思います)

もう少し冷静に考えて頂きたいものです。


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