
昨年何度か借りながら時間がなくて返本し、ようやく今回読み終えました。

長年アナウンサーをしてきた石川千波はいよいよ春からメインキャスターを受け持つことになった。中学時代からの親友の水沢牧子と娘のさきは、近所に住み何かと助け合っている。

高校から加わった親友美々は写真家の日高類と再婚し、娘の玲がいて仲の良い家族だが、玲の知らない事実がある日他人から玲に洩れ、玲は悩んで千波を訪れる。

さきがライブを聞きに行き、同行した牧子、千波、美々と玲も加わった会話の中で千波と牧子は健康診断を受けることにする。

健康診断を受けた千波は乳がんが見つかり、類に自分の写真の撮影を頼む。

ライブの時、さきは店の奥から千波を見つめる怪しい中年男を見かけ、その行動を見張ると千波の家にもやって来て、後を追うと千波を良く知る人物だとわかる。

美々はその人物の気持を確かめ、メインをあきらめて闘病の傍ら仕事をする千波を支えるようけし掛ける。


一度も結婚していない千波に、二度離婚した牧子、再婚で幸せを掴んだ美々。
それぞれ境遇は異なっても程よい距離で暮らす3人の絆と、家族たちが関わりあい助け合って生きる物語です。

昨年12月にNHKでドラマ化されましたが、まだ読んでないので見ませんでした。心に残った沢山の言葉はどんな風にセリフになったのか、再放送を待っています。

千波が故郷での記憶「ひとがた流し」を話す場面がせつなく胸にせまります。
類と千波が落ち込んだ玲に話す助言、最後の牧子と千波の会話の場面が強く印象に残り、終わりに近づくにつれ涙が止まらなくなりました。

