読みました

本を読むのが好きです。
忘れないように感想等を書いています。
その他、ねこのひとり言…。

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8/25の続き

2006-08-29 21:43:09 | 読書
レディ・ジョーカー(下編)
 府中競馬場に集まる5人の男達がレディ・ジョーカーだった。
 彼らはそれぞれ何らかの鬱憤を抱えており、中の一人で薬局店主の物井清三が言い出して、巨大企業から大金を取る計画を企てた。
 5人の男達は周到な計画を立て日の出ビールの社長を誘拐して解放した

 開放された社長、城山には警察から警護という名目で合田雄一郎が監視に就く。
 合田のいないところで裏取引を強要された城山は犯人と警察の間で苦悩しながら、20億円の用意を進める。その裏取引のあとに待っていたのは…
 
 過去の事件が次の事件を巻き込み、部落出身者の差別問題、企業と総会屋と政治家の癒着等、多くのひずみを巻き込みながら、螺旋階段のように社会の底に沈んでいく。
 事件はその中の犯人達、被害者となった企業人達、警察、マスコミとそれぞれの視点で順に語られ、その中で生きる人物達の置かれた立場と心の動きも丁寧に描かれます

 ストーリーが複雑なので、読み終わって作者は一体何を伝えたかったのかと考えました。
 思い浮かんだのは最初に出てきた岡村清二の手紙の中にあった「人権や主義の話しではなく、生きる意味とは何かと云う話です」という一節でした。
 登場人物たちは自分の生きる意味をひたすら探していたようにも思いました。
 もしかしたら登場人物たちがそれぞれジョーカーだったのでしょうか      
 
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あー、長かった!

2006-08-25 23:21:53 | 読書
 長~い夏休みを頂きました。
 「レディ・ジョーカー」高村 薫(上・下)をひたすら読み、やっと終りました。

 物語は、昭和22年に「日の出ビール」を退職した一人の社員―岡村清二が、会社に宛てた手紙から始まる。
 神奈川工場に宛てたその手紙は特別強く何かを主張してるようでもなく「怪文書」として取締役会議にかけられるも、特に対応の必要なしとして廃棄され、いつか忘れ去られる

 時を経て1990年、歯科医の一人息子、秦野孝之は東大で教授の推薦を貰って受けた「日の出ビール」の就職試験の2時面接で中座し、翌日車で首都高速の側壁に激突し即死する。父親の浩之は息子の死の真相を調べて「日の出ビール」に何度か手紙で問い合わせるが不明で、失意のまま電車に飛び込む

 5年後に事件が起こる。「日の出ビール」の社長城山恭介は「レディ・ジョーカー」と名乗るグループに2日間拉致監禁され、姪とその子供、そして日の出ビールの安全を引き換えに裏取引で20億の金を要求され開放される。その日から城山の苦悩が始まる。(上編)

 グリコ・森永事件から発想のヒントを得たそうですが、これだけ色々なことを詳細に書くためにはどれだけ膨大な資料を読み、どんな取材をされたんだろうと思うと、気が遠くなりそうでした。
 私は、つい「書き手」の方の作業を考えてしまうのですが、久し振りに手ごたえのある読み物に出合った気がします (下編に続く・・・
 
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読書中#

2006-08-10 22:31:05 | 読書
 昨日まで読んだ本があったのですが、書き残すほど面白くないのでやめました

 代わりにならないかもしれませんが、小説ではない本を紹介しておきます。
「執筆前夜」恩田陸 他女性作家
 サブタイトルが「女性作家10人が語る、プロの仕事の舞台裏」とあり角田光代さん、三浦しをんさん等が作品を書くきっかけや、デビューの経緯、創作の原点などが書かれています
 
 当然といえばそうなのですが、一人ひとりが作家になるまでにドラマがあり、私にはとても興味深かったです
 中でも恩田陸さんの中に書かれていた「いい小説を読んでいると、行間の奥から自分が書くはずのもう一つの小説がみえるような気がする…」という言葉に、才能があるってこういうことなのね、と思ってしまいました。
 私にはそんな経験が無いのが残念ですが、確かにいい文章から刺激を受ける、というのは分かる気がしました

 今、高村薫「レディ・ジョーカー」上・下を読んでいます。
 昨年、渡哲也の主演で映画になり、面白そうと思って原作を借りましたが、分厚い単行本が2冊になっていてなかなか複雑なストーリーのようです。なのでもう少し時間がかかりそうです
 明日からお盆に向かい帰省しますので、少しの間夏休みを・・・
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校内行事

2006-08-05 22:29:29 | 読書
 高校の頃の懐かしい行事、といえば私は「文化祭」と「修学旅行」かな。
少しほろ苦い思い出とともに、そこ頃流行した歌を一緒に思い出します…

「夜のピクニック」恩田陸
 一年に一度秋に行われる「歩行祭」は、数時間の仮眠や休憩をとりながら丸一昼夜を歩き通す過酷な学年最後の行事。
高3の春から同じクラスになった西脇融(とおる)と甲田貴子は因縁の間柄のせいで、お互いに口をきいたことがない。
 彼らをとりまく友人達は、それぞれの思惑で二人になんとか話をさせようと考えるが…!?

 歩行祭という限られた時間の中で、少しずつ変わって行く風景と登場人物の心象が巧みな語り口で、融と貴子の関係を描き出していきます。
アメリカに転校していった同級生も所どころで絡み、物語の中の閉塞感をさりげなく開放しているようにも感じられました

 それにしても24時間で80キロの行軍は、かなり過酷では?と、同じ高校時代12キロの遠足をパスしてしまった私は考えますが…? 
ストーリーは違いますが、少し前に読んだ「青が散る」(6/11)の中の彼らを思い出しました
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心にビタミン♪

2006-08-01 20:46:36 | 読書
 体から力が出ない時、サプリメントやドリンク剤を飲みます。
 じゃ、心が弱っている時は?音楽を聴いたり絵を観るのも好きですが、私はやっぱり本を読みます。
それも心がホンワカと暖まるか、切なくて悲しくてワーンと思い切り泣けるような…。
 泣くことはストレスを解消するそうです。(先日放送のTV番組より)
 この本は読んだあと、心にジ-ンと沁みてくるものがありました

「ビタミンF」重松 清
 心にビタミンのようにはたらく小説を書こうと、FamilyやFatherなど「F」で始まる7つの言葉をそれぞれの中に書いた小説(本文あとがきより)だそうです。
 主人公は皆30代後半のサラリーマン。会社では中間管理職で仕事に追われ、帰れば家庭では思春期の子供を抱え、田舎には老いた両親が…という、ストレスのたまりやすい立場の人達。
 
 7編の中で印象が強かったのは「かさぶたまぶた」という話
一年かけて企画した仕事が没になり、冷静に対処しようと事後処理に奔走する秀明。その慰労会で彼はなじられる「カッコつけてるだけじゃないですか?」と。
 愕然と疲れた体で家に帰ると、優等生の娘と妻の様子がおかしい。
問い詰めて「何で俺に言わない」というと「誰も弱いところを見せられない、あなたは強いから」と妻に言われ、ショックを受ける…
 
 強そうに見える人間は、人一倍努力しているようです。でも人間はいつでもそんなに強くないのです
無理をしていると必ず何処か壊れますよ、と言いたかったのでしょうか
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