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映画「男と女3 人生最良の日々」 甘く愛おしい認知症の記憶の日々

2021-08-06 15:51:51 | 日記

 

『男と女 人生最良の日々』冒頭映像

1月31日(金)より全国ロードショー 監督:クロード・ルルーシュ 出演:アヌーク・エーメ ジャン=ルイ・トランティニャン

youtube#video

 

 

甘く愛おしい認知症の記憶

アヌーク・エーメとジャン・ルイトランティニャンの一世を風靡した「男と女」。2も観たし、このファイナル作品は大いに期待していた。
結論から言うと2のほうが良いのだが、認知症の老人の恋心を甘酸っぱく描いており、「恋の魅力」を強く意識的にみせている。
ジャン・ルイ・トランティニャンが最愛の妻の認知症の介護生活を描いた「アムール」のリアル過ぎて見るのが辛い作品と比較して実にムーディな素敵な作品となっている。
現在を忘れて過去に生きる元レーサー、激しく切なく燃えた恋の相手アヌーク・エーメは介護施設の男に会いにいく。まどろみながら過去に生きる男が、その時の想いを呼び起こしてくれる。二人が結婚しなかったからこそ恋の強い記憶が今も輝く。

初めて出会っての恋、その後の恋を描いた作品としてはインサーホークとジュリーデビルの「ビフォアシリーズ」がある。このシリーズは激しい恋ではなく、惹かれ合いながら恋、結婚の過程を3部作で描いているが、男と女は第1作めは衝動的な恋であり、2作目はやはり忘れられない二人の恋、3作目は衝動的な恋を回顧しながら向き合う老境の二人の老いを描いている。
ジャン・ルイ・トランティニャンは介護施設にいるが昔のことは覚えている。ということは軽度な認知症ということになる。いずれ古い記憶も保持できなくなるのだが、まだらな記憶でも二人にとっては熱い愛の交錯が新鮮に蘇る事で、まだしっかりしているアヌーク・エーメとの二人の時間がロマンチックかつ穏やかに流れる。
現実はこんな甘いものではないのだが、二人の恋路の最終を甘美に締めくくる映像はまるで認知症にかかったトランテアンの良き思いでだけの日常で終わっている。もし自分が認知症になったらこんなふうにありたいが、こんな恋の経験はないもの。
クロード・ルルーシュの瀟洒な作品といえる。


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