ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

山岳民族 ラフ族の村へ 7   ラフ族の村の夜  ゆびきりげんまん

2010年10月05日 20時23分15秒 | チェンマイ
電気がないこの村では、夜になると、ろうそくに灯りをともす。
ろうそくの中での食事。 
ろうそくの灯りって、何とも言えずいい。 ゆらゆらゆらゆら。 
電気のように明々としていなくて、しんみり自分の心を映し出すような灯り。 
こんな場所であるからこそ、特になのかも。 じーっと見ていると、穏やかな気持ちになる。
  
    


おばあちゃんが私たちのために、料理を運んだり、お茶を入れたり、
ご飯の最中もずっとそばにいて、ご飯をよそってくれる。
次第にちょっとずつ笑うようになって、カメラを向けると、ちょっとにこっとしてくれるようになったおばあちゃん。
  



 この子もちょこっと出てきて一緒にごはん。 恥ずかしがって、なかなかしゃべらないし打ち解けず、なかなか笑ってくれない。
 そこが、すれていないこの民族の魅力に思える。
  


「夜は子どもたちの歌とダンスがある」と聞いていたら
民族衣装を着た子どもたちが。
   



そして、特別に私たちにも民族衣装を着せてくれた。
新品の、とても高価な民族衣装を。

  まるで、「お父さん、お母さん、子どもたち。」  大家族の図。
   

あとで聞いたことだけど、この村を管轄して何度も泊まりに来ている
先輩隊員でも、この民族衣装は着てない、ペックさんとこの家の皆さんの
特別なはからいがあってのことだったそう。 



シャイな子どもたちが、一列に並んで、歌を歌い出した。
「ラフ」という言葉が所々に聞こえるその歌は、どうやらラフ族の民族の歌のよう。

  


恥ずかしがり屋のこの子達が、私たちに、こうやってもてなしてくれていること。
日本からは遠く離れた このタイの山の上で、何かの縁で会えたこと。
一生懸命に歌っているその姿を見て、胸がぎゅうっとなった。
理由は説明できないけど、涙が出た。
感激したのと、切ないのと、いろんなことを考えて涙が出た。
そうしたら、隣にいた隊員も、泣くのをこらえていたんだって。
  



村での夜は、ちっとも静かな夜ではなく、ニワトリが鳴き、豚が鳴き、とてもにぎやか。 
コケコケコッコー(にわとり)  グフグフ(ぶた)  フガフガ(ぶた)  フギャー!(ネコ)
昼よりうるさい。 そして、寒い。 ついでにかゆい。 何かいる・・・。 ダニ?
そんな中、毛布を何枚も重ねて、いろんなことを考えながら寝た。
  



明け方目が覚めると 寝ているのがもったいなくて、景色を眺めた。 ここでも太陽が昇っていく。
  


ここの村では仏教。 昨日いったラフ族の村とは、同じラフ族でも信仰がちがうんだ。
  


朝御飯作り。
  


 朝のメニューは 野菜炒め、卵焼き、そしてお弁当にチャーハンも作る。
     


いただきます!  


おばあちゃんが、バナナの葉っぱでお昼ご飯チャーハンを包んでくれる。 私たちもバナナの葉っぱを拭いてお手伝い。
  


うーん、おいしそう!







そろそろ、この村を出るときが近づいてきた。 
さびしいな、と思っていたら、子どもたちがやってきて、恥ずかしそうにしながらも、自分たちから近寄ってくる。
昨日までのシャイさが少しゆるんでいるみたい。
いいぞいいぞ。 チャーンス! 
もっていたレシートや、お札を使って手品をやってみせると、キャアキャア声を上げて笑う子どもたち。
私たちだってできる、とばかりに、ひもをもってきて、そこからは子どもたちが私たちに教える手品教室。
本当に上手にやってみせるので
「すごーい! すごーい!」を連発して大盛り上がり。 子どもたちの笑った顔がすごくいい。
  


どこかで聞いた、どこかの村での話で、そういえばこんなのがあった。
村の人と一緒に 村のものを食べ、一緒に寝て、一晩を寝食共にして、やっと受け入れられるって。
確かに、そうなのかもしれない。
一緒に食事を作り、同じものを食べ、同じ場所に寝て、やっと、ほんの一歩近づけるのかも。
そして、一歩近づいて、やっと子どもたちが笑顔を見せてくれるようになったところで、お別れ。
さびしい。 なんだか、すごく、さびしいぞ。 

まだ帰りたくないー もう少しここにいたいー うう、さびしい・・・
と思って子どもたちを見ると、一番大きなお姉ちゃんのこの子が ぎゅうっと抱きついてくれた。
 

見ると目に涙が浮かんでる。
この子達にとっても、私たちが来たことは新鮮で、刺激的で、楽しかった時間だんたんだろうな、きっと。
とても恥ずかしがり屋で、最初はまったく寄りつかず、写真を撮りたいとお願いしても全くだめ、
話しかけても顔を背けて逃げていったこの子達だったけど、そうしながら、とても楽しかった時間だったんだと思う。

表現の仕方って、
 うれしそうにしているから うれしい
 悲しそうにしているから  かなしい
とは、わからない。
  まったく違う方法や、逆の方法で示すことだってある。

ってことを、今までの教員生活でも子どもたちに教えてもらった。
ここでも、この子達に体で感じさせてもらった。


おばあちゃんがやってきて、私たちに手を合わせ「アブヤーッ」(=この民族の言葉で「ありがとう」)を繰り返す。
また来てちょうだい、ここに来てちょうだいと、おばあちゃんが言う。

子どもたちも「アブヤーッ」を口々に言う。
私も「アブヤーッ」 いくら言っても言い足りない。


ゆびきりげんまん   また会えますように。  
  


絶対また来きます、と約束をしてめそめそしながら村を出た。
 

ゆびきりげんまんした指を見ると切ない。

あの子たちの作られていない、本当の笑顔が 指切りげんまんしたこの指の先にきっといつでも見える。
私は絶対に忘れない。 

 

 

















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