ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

お母さんたちが作る クリスマスツリー

2011年12月20日 04時29分59秒 | コンケン 第9特別教育センター
聴覚障害クラスで作ったクリスマスツリーを、自閉症クラスでも作る。  ( 過去ブログ→ 「クリスマスツリーとクリスマススンド」
「さちえ、今日は何をするの?」
と2人の先生が聞く。
「クリスマスツリーを作るよ」
と答えたときの、「わー!」「いいねえー!」
と、喜んでくれる2人の反応がうれしい。


聴覚障害のクラスでは子どもたちが自分で折り、ハサミを使ってほしかったので、
紙芝居で作り方を説明したが、
このクラスでは、まずお母さんたちに作り方を理解してもらって、
子どもの手を取り共同作業してもらおうと思う。
だから、子どもたちは、今から折り紙をするよ、ということだけ理解できればいい。

さあ、好きな色を選んで。
     



見た目はとても難しそうだが、じつは簡単に作れるツリー。
てっぺんの星を立ち上げたときには、「わああ~!」と
お母さんたちからも先生達からも歓声が上がる。
意外性の驚きって、意欲にも関心にもなる。


はしとはしをあわせて真ん中から折る、
線にあわせて折る、
指を入れて紙を起こして、折る、
ひっくり返して同じように折る、
こういうことがすごくできないタイの人たち。
     


でも、何度かやっているうちに、お母さんたちも上手になってきた。
特に今日は、あるおばあちゃんが、すごく意欲的。
折り紙が苦手なおばあちゃんだったけど、
クリスマスツリーのかわいらしさに心打たれて、どうしても作れるようになりたいみたい。
一生懸命に練習してくれる。
     
    

三角を2回。 四角を2回。 イカを折って、と暗号のように
折り方を口にしながらみんなでブツブツ折る。
     


がんばって  がんばって
     




てっぺんの星をつくるのにハサミをいれるのだけど、
「ラワンナカ」(気ををつけてね)
といっていたそばから、切り落としてしまったお母さんがいた。
切り落とした瞬間、「アオーー!」と悲鳴を上げる。
ゲラゲラ笑う。
     


あるおばあちゃんは、星を大きく切りすぎてこんなにでっかくなっちゃった。
     
    

でっかい星がのったツリーだけど、それがおかしくて
みんなでゲラゲラ笑う。
     


みんなで、楽しくお母さんたちも子どもたちも楽しそうに、
ゲラゲラ笑い、でも上手に作り終えた。
今日の意欲はこれまでになくすごかったので、
「まだ練習に折ってみませんか?色紙を3枚ずつ持って帰っていいですよ。」
と言うと、お母さんたちが喜んで飛びつく。
「色は選んでいいの?」「もって帰って家族で作るわ。」
     


タイに来て、今になって思うことがある。
以前は、子どもが自分でできること、この学習時間で成果が出るもの、
目的にかなったもの、ときちんきちんと考えていた私。
だけど、きちんきちんと考えることによって、考えすぎた。
考えすぎて、行動に二の足を踏んでいた。

今は、何をしても子どもたちにとって、絶対にプラスに働いているんじゃないかと思う。
そうきちんきちんと堅く考えなくても、タイの子どもたちはとてもたくましい。
折り紙1つにしても、大人が夢中になってしまって
子どもがやっていなければ、以前ならこれは「失敗の授業」と猛烈に反省した。
反省は必要だけど、もうちょっと柔軟でもいいと今は思う。

今日だって、お母さんたちが夢中になって折っていたけど、
今までの積み重ねの結果でそうなれたのであるし、
お母さんたちができるようになると、子どもたちの手を取り
一緒に作業もできる。
「家で作りたいの。」という言葉や行動は、子どもたちの家での学習にも
家族での関わりにもつながっていく。

このツリーと折り紙を持って帰り、今日は家でお母さんが先生役となり、
子どもを囲んでみんなで額をつきあわせてツリーを折るなんて、
とても素敵で、うれしいことじゃないか。
      








午後の個別学習では、この子と大きなツリーを作ってみた。
魚が好きなこの子は、ツリーにたくさんの魚を描いた。
    

「ミッキーを描いて」というので、
「ミッキマウス ミッキマウス ミッキミッキマウス♪」
と歌いながら、
「ミッキマウス ビックボス ♪」
と、この子の名前を入れた替え歌にしてみると、きゃっきゃっと声を上げて喜ぶ。
    


でかツリーの完成を満足そうにしている。
    


大きなツリーを持ってお母さんの元に戻ると、お母さんたちが
「おおおおお~」と歓声。
お母さんたちは子どもたちの個別学習が終わるまで
おしゃべりしながら、またツリーを折っていた。







これらって、とてもうれしいこと。
     


     

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