ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

サクラ サクラ

2012年03月01日 15時49分10秒 | コンケン 第9特別教育センター


聴覚障害クラスで授業できるのは、あしたが最後。
なにをやろうか、昨日から考えて、
家で使えるもの、子どもたちとお母さんが大事に慈しめるものを
作りたいなと思う。
日本は桜はいつ咲くの? サクラが見てみたい、とてもきれいなんでしょう、
と桜にあこがれを持っている人たちだから、
桜を作ろうと思う。


桜の切り紙の仕方は、10つに折るやり方が一般的だけど、
あの複雑さはきっとできないと思う。
簡単な折り方はないものかと探して、見つける。
これならできる。
     


家でも使い道があるように、マグネットをつける。
日本の100円ショップで買ってきたマグネットの出番。
     



海外ではよく、日本人の誰もが折り紙や切り紙ができるのだと思われているけれど、
そういうわけではない。
桜の花の切り紙は、私は日本にいる時には知らなかったし、タイに来て調べて練習したもの。

だけど、そんな風に羨望を持って日本人の器用さを感心しているタイ人のお母さんたちも
切り紙活動はこれまで何度もやってきて、興味を持ってくれているし上手になっている。
だから、桜の切り紙もきっとできるだろうと思う。
覚えて自分でできるようになってくれたらうれしい。
私こんなのできるのよ、と、どうぞどうぞ 自慢してもらいたい。
   

桜を作る、というだけで やったあと喜ぶお母さんたち。
サクラって、日本人からだけでなく、タイの人からもこんなにも愛されていますよー
    



子どもたちは大きな桜を作って、自由に色を塗る。
              



お母さんたちは何度か大きな桜を作って練習をし、小さな桜に挑戦する。
   


色づかいがきれいだなあと思ってみていると、指先にも色が。
かわいらしい。
      

お母さんの指にも、同じようにカラフルな色が。
お母さんがこうやって色を楽しむ人だから、
子どもも、決まった色にとらわれることなく怖がらずに何色でも使えるようになるんだなあと
なるほどなるほど と思う。
      


私がこの配属先、コンケン第9特別教育センターにきたのが、2010年7月。
そのころだったら、絶対にこの人たちは桜は作れなかっただろうと思う。
紙をぴったり角をそろえて折れなかったくらいなのだから。
でも、今はこんなにきれいな桜を、親子でのびのびと作れる。
自分の力でできる。
なんだか、すごいなあ、人間の能力ってすごいなあと 感動してしまう。


「日本人ってみんなこんなことができるんでしょう。」
というお母さんたち。
「みんなじゃあないよ。桜の花を切り紙できる人はほんの少ししかいないよ。
 どうやって切っていいか、ほとんどの人は知らないの。
 だから、今日できるようになったタイ人のみんなの方が
 日本人より上手で、すごいんです。」
というと、みんな ええ、そうなの? やった やったと喜ぶ。
    


桜の裏に100円シップのマグネットを装着、すると
お母さんたちのちび桜はサクラマグネットにできあがり。
しばらくは教室で飾って楽しむ。
今日はこれを持って帰って、家でも家族で話ながら楽しんで作ってみてね。
サクラ サクラ 
     


マグネットをくっつけたり、はなしたり、引力にびっくりしている子。
かわいいなあ。
      

お母さんの携帯電話をぴったんこくっついて見ている子。
あー かわいい。
      



おやつタイムには、「明日の昼はクーサーイのお別れ会をする」
と、お母さんたちが料理分担を決めて、計画している。
     

昨日は自閉症クラスでお別れ会。
明日は昼と夕と2回のお別れ会。
さびしいな、別れたくないなとは思うけれど、しゃあないな。


こんなにサクラをいつしんでくれて、折り紙も切り紙も上手になって、
うーん、感無量。
私の折り紙の本は全部、この人たちにおいて帰ろう。


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