ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

終わりが見えるから

2012年01月04日 23時02分44秒 | コンケン 第9特別教育センター

     

お正月明けや夏休み明けは、久しぶりに会う人にちょっと興奮したり、
ドキドキしたり、新鮮な気持ちになるもの。
新年さいしょの配属先、第9特別教育センターでも、子どもたちも先生達も
みんなちょっとテンションが高めで、会うと抱きしめあったり
「どこにいったの?」と旅行の話で盛り上がったり。

今日のあいさつは、「サワッディーカー」ではなく、
口々に
「サワッディーピーマイ」(あけましておめでとう)。
それにくわえて
「コーハイミークワームスック」(幸せでありますように)

「スカパッーップディー」(健康でありますように)
などを加えていう。
私もそれにならって言うと、
「まあ!さちえ、ゲン ゲン!」(上手上手!)
と誰もが喜んでくれるので、調子に乗ってずっとずっと言い続けた。



タイ人はピーマイ(お正月)にプレゼントをわたしあう。
私もこれまで撮った子どもたちの写真をプレゼントするつもり。
写真が大好きなタイの人たちはすごく喜んでくれるぞ。

それで、ふと思いついた。
この写真を飾る写真立てを子どもたちの手で作って、写真と一緒に飾ったら、
すごくいい記念になるんじゃないかなと。
持ち帰ったら家族もきっと喜んで、
家でも子どもたちのセンターでの様子を写真を見ながら話したり、
笑いあったり、子どもたちはほめられたり、
写真立てと写真が、そういう媒体になるんじゃないかなと。


柔軟なオプ先生とイーッ先生は急に申し出ても必ずいつもOKしてくれる。
私の大事な活動アイテム、段ボールを食堂から運んできて、
写真たてづくりの準備をあわててする。
いつも、その場で思いついてやってるところが大きいけれど、だからこそ
その時その時の機にかなっていて、時機に合っていることができる。
準備は大変だけど、2人の先生達が私に準備に専念させてくれるし
理解してバックアップしてくれる。
やりたいことを何でもさせてもらえる、私はこんな恵まれた環境にいると思う。
     


2人の先生達が子どもたちと自己紹介やおやつタイムをしている間に、
ごそごそ、一人で準備する。
イー先生、オプ先生、ありがとう。
     


久々のセンターで、子どもたちのテンションが高く、今日はいろいろと時間が押している。
私が使える時間は、お昼ごはんまでの25分。
その中でできる簡単なものにしないといけない、あらかじめ下準備をしておいてあげないといけない。
今日は説明のための紙芝居を作る暇もなく、お母さんたちの目の前でサササッと
急いで一つ写真立てを作って、見本を見せる。
ハサミとノリと色鉛筆、使いたければ和紙をちぎって貼るのもいい。
それぞれに好きにデコレーションしてもらう。
デコレーションが終わった子には、切り紙の花をプレゼント。
これも一緒に飾ってね。
      


楽しく作っている最中に、アメリカからの見学者がぞろぞろと入ってきた。
このコンケン第9特別教育センターは、タイの東北部の8県を統括している
重要なセンターなので、国内からも外国からもよく見学者が訪れる。
     


しかし、いつも、ざっと通り一遍に見て帰っていくのだが、
今日はこのクラスでの見学時間がとても長い。
なにかというと、私が作っているこの切り紙がアメリカ人にとってとても珍しかったよう。
タイの人たちは飾るのが好きで、それなりに手先も器用なので、
私の切り紙にもそれほどに驚くということもなかったのだけど、
アメリカ人にとっては、まさに理想と描く「ニッポン!!」
のようなイメージがあるのか。
一つ花をプレゼントすると、胸につけて喜んで、切り紙をする私をビデオで撮ったり
カメラを近づけて接写したり。
      
いつも私が接写している側なのだが、接写される側にたってみると、
タイ人たちはいつも私がカメラを近づけてもにっこり微笑んでくれて、
あらためて、すごいな、なんてことを思う。


さあ、できた!!
ぎりぎり時間内に完成。
こんな短時間で作ったとは思えない、いい出来映えじゃない?
      

お母さんたちも互いに
「おお~」「スーワイ!(きれい)」と感嘆しあって、
どの写真を入れる??と ワクワク顔で写真を選ぶ。


うん、なんだか、すごく私も満足感。
     








お昼にはどこからアイスクリーム屋台セットがきていて、
子どもたちにも大人にも無料でふるまわれる。
私も大盛りアイスクリームをいただきます。
誰がくれたの?と聞くけど、先生達も知らない。
タイではこういうタンブンが、よくある。
日本ではなかなかないことだけど。
持っている者が、持っていない者に施すのは当然だし、
子どもたちを大事にするのも、お菓子をあげるのも当然のこと。
    


    


お昼を食べていると、
「さちえは31日はコンケンのセンタンでカウントダウンの花火を見て、
 1日はオプ先生の所にいったんでしょう、それで泊まらずに
 そのままサオ先生のところにいって、サオ先生の所に泊まって
 コンケンに帰ったのよね。 オプ先生の所では大きな石を見たんでしょ。」
そ、その通り。
みんな私のお正月を知っている。

すると、オプ先生が
さちえが車の中でパイナップルと一緒に寝たとか
「セーッブ(おいしい)」って東北弁でいってたとか、
いろんな私の話を大きな声で楽しそうにする。
するとみんな笑う。
誰かが現れると、また1から、さちえがどんな正月を過ごしたか、話して聞かせる。
聞く方も、へえ、そうなの、ほうほう、と聞きながら喜んでいる。
そして、さらに私の正月がひろまり、センター中が私の正月を知っていて
楽しくてよかったね、と言ってくれる。


タイの人たちは、外国から来た私に、ここで幸せであってくれるように
楽しんでくれるようにと、本当に心から思ってくれている。
タイ人ならではの、あたたかさがある。
私が喜ぶと、自分のことのように喜んでくれる。
     



少し前にはルーイ県にセンターの職員みんなで一緒に旅行し、(→ 過去ブログ 「ルーイへの研修旅行」  「ルーイ 感動のピータコン」
タイ人にとっても大切なピーマイ(年末年始)は、招いてくれた人たちの所に
喜んで入り込んで、一緒に過ごした。
そして、それをみんなが知っていて、その話題をしながら、
口々に伝えあって、みんなが私のことを知っていて、
私が楽しかったことを喜んでくれる。

こういうふうにして 話がつながったり一つの話題で楽しんだり
みんなとつながっていけるんだなあと、任期終了が迫ってきた今
やっと分かる。実感する。


時間が足りない、と思うけれど、全て必要な過程を経て、これまでやってきて
だからある今。
ある先輩の先生がメールでいってくれた言葉、
「終わりが見えるからできることもある」
そうだと思う。 
終わりが見えるから、がむしゃらにやれるし
この人たちとの時間も慈しんで、いとおしくてたまらないのだ。
     





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