ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

タイの家族と初詣  正月3日目 

2012年01月03日 03時04分59秒 | 日記
正月3日目。2555年1月3日。
がんばって早起きしてサイバーツ。
元旦から同僚の家に泊まりにいったので、今日がやっと
コンケンで腰を落ち着けて迎える正月。
今日は日本風のお正月にしようと、着物はないけれど、浴衣を着る。


アパートのドアを開けると、ナムプリック屋の犬のラッキーがいる。
2階の私の部屋まで階段を上って、迎えに来てくれている!
     

「はやくはやく、いくよいくよ。」ラッキーが呼んでいる。
朝からすごーーーーーーくうれしい。
なんて賢いラッキ-。
ラッキーに連れられてナムプリック屋さんにいき、店の前でサイバーツ。
     

    


清掃車が来ると、お父さんが清掃員に食べ物を渡す。
「この人たちは正月も休まずに働いてくれているだろう。
 だから、サワッディーピーマイ(あけましておめでとう)とお礼だよ。」
と言うお父さん。
それが自然にできるのが、お父さんたちの、タイ人たちのすごいところだと思う。
     



午後からはお寺に連れて行くからね、とナムプリック屋のお父さんお母さんから
以前から言われて約束していた。
日本で言う、初詣みたいなものかな。
僧侶にあげるものを買いに行く。
初詣の今日は、奮発してたくさんの日用品や食べものを準備する。
店に売っていた籠入りのギフトセットはこのためのものだったのかと納得。
私も自分の好きなお菓子や、缶詰、石けんやティッシュ、懐中電灯など
いろいろと買って籠に入れてもらう。
あげるものは自分の気持ち次第、金額が決まっているわけじゃない。
    


大きなお寺にいくのかと思っていたら、お母さんが言う。
「小さなお寺に行くのよ。 貧しいお寺なの。
できたばかりで、何にもないのよ。
大きなお寺はたくさん人が行くでしょう。たくさんのタンブンが集まるでしょう。
 ものもたくさんある、だけど小さなお寺は何にもないから、
 小さなお寺にあげた方がいいでしょう。」

はっとさせられる。
私の感覚では、初詣は自分のために自分の願いを叶えるために行くもので
私の地元ならば、太宰府天満宮という大きな神社にいきたいなあと思う。
だけど、遠かったり人が多かったりで、しょうがないな、近くの神社にいくか、
と、仕方なく近くの神社で済ませる感覚。

タンブンは大きな立派なお寺よりも、小さな貧しいお寺にあげたいという。
結局のところ、この人たちがしていることはまわりまわって自分たちに返ってきているのだろう。
この人たちには、ものの本質を見る目があるような気がする。
なんて素敵な人たちだ。





お父さんの車に乗ってついたお寺は、本当に小さな小さなお寺。
これがお寺なの?とびっくりするような建物。
     



たった一人の僧侶がいる、できたばかりのお寺。
朝のサイバーツでソイローポーショーにやってくる僧侶の顔だった。
こんなに遠くから来ていたのか。
そうそう、そういえばこの間、お父さんが僧侶を呼び止めて
連絡先を聞いていた。
この僧侶の寺にタンブンしようと思ってのことだったんだな。
     

    
お父さんにならって、クラープ(ひざまづいて祈る)をしたり、
お経のようなものを唱えたり。
     


そして持って来た品を渡す。
     


中学生のこの子も、自分のお金でお菓子を買って来た。
この子の好きなお菓子だという。
僧侶のために自分で選び、自分の持っているものから分け与えることが大事なこと。
値段が決まっているわけではない、自分の気持ちをあげる。
     


「日本人の娘が来ています。ボランティアで第9特別教育センターで仕事しています。
 サイバーツが好きで、この頃は毎朝やっています。」
と私のことを説明する。
「そうか、イープン(日本)か。仕事場では子どもたちに何語を使って教えているの?」
僧侶に尋ねられて
「タイ語です。」
「そうか、タイの子どもたちを愛して大事に思ってくださいね。」
正月から、ひっそりとした小さな寺で、こうして静かに僧侶に向き合って
こんなことを言われると、ものすごくしみていくような気がする。
     
      
   

話が終わると、清めの水を頭からパシャパシャとかけられ
新車にも水をかけて、おまじないの経文を描く。 (→ 過去ブログ 「新車には」
事故が起こらないようにおまじない。 日本と同じ。
   



さあ、帰ろうとすると、僧侶が私を呼び止めて手招きする。
「これこれ、これに写真を入れて。」
と渡されたのがメモリースティック。
「コンピュータ持ってるから。」とノートパソコンを指さす。
僧侶も写真が大好き、自分の写真が大好き、だって僧侶もタイ人なのだから。
わかりました、写真を入れて、明日のサイバーツで渡します、と約束。
小さなメモリーカードをなくさないようにドキドキしながら持ち帰り。
明日のサイバーツは絶対に行かなきゃ。




寺から帰って、一休みするのにアパートに戻ろうとすると、
犬のラッキーが先走って道案内してくれる。
なんてかわいい、賢いラッキー。
思えばあんなに吠えいてたラッキーだけど、お父さんたちと一緒に
食事をした日から、全く吠えなくなって、今では道案内もしてくれる。
ラッキーも今は私を家族の中の一人と見なしているんだろうな。
      



今日はナムプリック屋の家族に浴衣を着せる約束の日。
ナムプリック屋のお客さんが少なくなる夕方から、着付け開始。
着付けているときから、お母さんの娘2人は大はしゃぎ。
      


照れて逃げようとするお母さんも着付けて、女の人はみんな着物姿に変身。
「見返り美人」っていう言葉があって、少しひねるととてもきれいよ、と
教えると、犬のラッキーもやってきて見返って見せる。
なんて、賢い、ラッキー!
    


浴衣を着て一緒に夕食。
私が作った鳥の照り焼きと、お母さんが作ったソムタム。
浴衣を着ていただきます。
     

     

照り焼きは日本食の料理屋でも人気だし、
マクドナルドでもサムライバーガーという名で照り焼きがあるくらいだから、
きっとタイ人には好まれると思っていたけど、
予想以上に人気で、「おいしいおいしい!」とみんな喜んでくれた。
いつも1杯しかごはんを食べないお父さんが、おかわり。
ディージャイマクマーック(とてもうれしい)
     


「浴衣を脱ぎたくない!!」という末っ子。
わかる、わかる、その気持ち。
「さちえ、本当にありがとう、ずっと着てみてたかったの。」
私が日本に帰るときには、この浴衣を置いて帰ろう。




タイの私の家族。
私が言いたいことがあると、突っかかりもどかしく話していても、
黙ってうなずきながら、必ず最後まで聞いてくれる。
だからいつも話が通じて、聞いてくれる安心感、わかり合えるという信頼感を感じる。
私の大事な存在。
この人たちがいることで救われて、助けられて、がんばれる今がある。

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