ある人からブラジル戦の感想を聞かされました。
「中田があんなにパスミスしたら、そりゃピンチになるよね」なんだそうです。
そりゃ違うだろ、と言っておきました。
中田ほど斜めのパスを出した選手がいないから、そう見えるんです。
それはチャレンジした回数の違いなんですよと。
パスの受け手としての動きもそうです。
相手にパスコースを消されたときに、中田以外の誰がボールをもらいに動いていたでしょうか。
また、ブラジル戦では、技術の差が如実に現れました。
ロナウジーニョやロナウドの華麗なプレーや、ジュニーニョ・ペルナンブカーノのスーパーゴールを指しているのではなく、ボールを止めるトラップの技術のことです。
特に後半の日本選手のトラップは酷いものでした。
あれでは次のプレーに結びつけることは不可能です。
そこで思い出されたのが、高校選手権の野洲高校。
選手権の直後に「
芸は身を助ける」というエントリで、日本サッカーの進むべき方向性について書きました。
ワールドカップと高校選手権とではレベルに雲泥の差がありますが、苦しい時間帯でも相手のプレッシャーを最小限に食い止めることができたのは、ボールコントロールの技術でした。
やはり野洲高校は、2006年の日本サッカーの初夢だったのですね。
そこで皆さんに見てほしいプレーヤーが、FC東京の梶山陽平。
梶山に関しては東京ファンの間でも賛否両論ありますが、トラップとキープの技術は本物です。
プレーが多少淡泊に見えるあたりで能力に見合った評価を得られていないのは事実ですが、彼が中田のようなキャプテンシーを身につけたとき、日本の中盤を支配する選手になるのは間違いありません。
って、それがいちばん難しいことなのですがね(苦笑)
東京には他にも、今野や徳永といった次世代の日本代表の中核を担いそうな選手がいるので、ぜひ注目してほしいものです。
日本のためには、いつまでも東京にいてもらっては困る選手です。
東京ファンとしては寂しいですがね。