ぷちとまと

FC東京、もう飽きた。

オダギリジョー勃起

2006年12月24日 23時41分35秒 | 映画
今月上旬に奥田英朗の『イン・ザ・プール』を読んだのですが、もうメチャクチャ面白かったんです。主人公である精神科医の伊良部とその患者たちを描いた短編集なのですが、悩んでないで受け入れちゃいなさいよ、みたいなノリなんですね。

「イン・ザ・プール」「勃ちっ放し」「コンパニオン」「フレンズ」「いてもたっても」の5つからなり、各話とも1日あれば読める程度のボリュームです。現代人の生態を面白おかしく描いた作品であるともいえるでしょう。

で、松尾スズキが伊良部役で映画化されたのも先日観まして、僕としては原作の方がよかったと思っているのですが、比較しなければ映画も充分に楽しいのではないかなと思います。「イン・ザ・プール(田辺誠一)」「勃ちっ放し(オダギリジョー)」「いてもたっても(市川実和子)」という個性派の患者が登場します。

特筆に値するのがオダギリジョーで、











という、女性ファンなら必見の作品となっています。

ただ映画としては、3つのストーリーを並列進行するのではなく、順番にやった方がよかったのではないかと思います。数日に分けて観たためか、余計にそう感じます。

それに、原作と比較しなければ面白いとは書きましたが、描き切っていない「いてもたっても」よりは、自分はいつも誰かに見られているという被害妄想女性の「コンパニオン」や、携帯依存症の高校生の「フレンズ」の方を見てみたかったという気持ちもあります。

何にせよ、とりあえず楽しいよって感じでオススメ。
より軽妙な原作はさらにオススメってところです。
オダギリジョーのモッコリを見たければ、つべこべ言わずに観ろ、以上。

イン・ザ・プール(ONE DISC EDITION) PCBG-50968
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イン・ザ・プール PCBG-50828
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猫でもわかる

2006年10月08日 23時05分20秒 | 映画
いよいよ終わっちゃうんだよな~という淋しさから、『猫でもわかる「木更津キャッツアイ」 木更津キャッツアイ ワールドシリーズ ナビゲートDVD』をわざわざ買ってしまいました。

資生堂unoのCMもあり、完結篇に向けて盛り上げ中!?

クドカン作品の中でいちばん好きなのはキャッツという人は、僕以外にも多いのではないでしょうか。やっぱり、いいメンバー揃えてますもんね。

ただ、僕的に残念なのが、今度のワールドシリーズの主題歌が、嵐の「a Day in Our Life」じゃないらしいこと。ほとばしる青春のまばゆさ。あの曲こそがキャッツを体現しているといっても過言ではないのに…
岡田が、櫻井が歌う…「木更津キャッツアイWS」主題歌

第1話は終わってしまいましたが、ただいま再放送中!!らしいので、見逃した回がある人も、全然観たことがない人も要チェックですぞ。

猫でもわかる『木更津キャッツアイ』木更津キャッツアイワールドシリーズ ナビゲートDVD ZMBJ-3012
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アキハバラ@DEEP

2006年09月03日 02時28分04秒 | 映画
『アキハバラ@DEEP』の観賞券を無料で入手したので、ほとんど予備知識のないまま最寄りの映画館に観に行きました。
21時からの上映だったとはいえ、公開初日です。20人くらいの入りでしたが、大丈夫なんでしょうか。

失礼な言い方をすると、まったく期待していなかった割には良かったです。タダなら観てもいいかなと。

深夜に放送していたドラマ(一回しか観ていませんが)と比較すると、オタク臭くなく、青春ドラマの方に重きが置かれていたので、舞台が秋葉原である必然性が失われています。アキバ=オタクというのも安易過ぎますけどね。
それに、原作を読んでないので何とも言えませんが、@DEEPのメンバーの過去を描き切ってないし、ユイさんの存在はもっと大きいはずだし、問題解決が単純過ぎ。
あと、何なのか思い出せないけど、あのラストシーンは絶対に何かで観たことがある!!!

2時間という制限もあり、面倒なものを取り払って、涙あり笑いありの痛快青春ストーリーにしたのだろうと推測できます。ティーンズ向けですね。そういう観点では、それほど悪い作品ではありません。

@DEEPのメンバーでは山田優が頑張ったと思います。ただ、荒川良々と忍成修吾に比べて、主役の成宮がちょっと弱かった気がしますね。それでも佐々木蔵之介、寺島しのぶ、萩原聖人といった共演陣は強力でしたし、音楽が結構いいなと思ってたら、小西康陽だったんですよ。

石田衣良原作の初映画化としては、どう評価しましょうか。ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』の評価が高いですが、同等の評価を得るレベルではないでしょうね。WOWOWでドラマ化した『4TEEN』は、原作同様、14歳の少年たちと自転車を描くことに成功しています。それらと比較すると、やはり弱いと言わざるを得ません。

ここはひとつ、『娼年』を玉山鉄二主演で映像化しちゃってはどうでしょう。あれこそショッキングなシーンで話題をさらうことができる作品だと思います。さわやか系に成り下がった玉山鉄二ですが、その実力は『美悪の華』の氷室役で証明済みです。

ヴェンダースの眼差し

2006年05月28日 03時03分03秒 | 映画
ヴィム・ヴェンダース監督の『東京画』を観た。

小津安二郎の撮った東京を追い求めてやって来たヴェンダース。
淡々と映し出される80年代前半の東京。
こういう映像作品を観たかった。

パチンコ店の店員や食堂のサンプルの工場の人たちは、この人は有名な映画監督らしいが、一体何が面白くてずっと撮ってるのだろうかと、不可思議に感じたことだろう。

小津作品と関係の深い笠智衆と厚田雄春を訪ねて取材もしているのだが、僕としては、ヴェンダースのクールな視線だけをずっと追っていたかった。(その取材もまた、彼の視線ではあるのだが)

愛や感動、ストーリー性を求めたりする人には、とてもお薦めできない作品。
そして、小津の撮った東京はもう存在しないのだという喪失感をでっち上げるのもまた安易だ。
どこにそんなものが描かれていただろうか。
作品中に存在していたのはヴェンダースの視線だけだ。
それを追体験できる者だけが楽しめる。

東京画 デジタルニューマスター版 TBD-9125
東京画 デジタルニューマスター版 TBD-9125


時計じかけのオレンジ

2006年04月11日 00時53分58秒 | 映画
スタンリー・キューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』を観ました。

最近、原作を読んでから映画を観るというのを意識的にやっていますが、やはり原作の方が風刺が効いていて面白いというのが僕の結論です。
とはいっても、映画ならではの映像や音楽の斬新さもあり、映画化としては成功し過ぎているほどです。
また、暴力シーンは多いですが、そもそも風刺作品であると考えれば、僕には許容範囲内でした。
原作を知らなくても、ヤバいくらいに楽しめる作品です。ただ一つの問題を除いては。

日本語字幕が深刻なのです。
翻訳において、NADSATをどう扱うかという問題です。
「フィリー」や「ビディる」などは、意味不明だけど造語やスラングの類なんだなと推測できるでしょうが、「ホラーショー」というのは日本語として通じてしまうので厄介です。思い切って「ハラショー」にしてしまった方がよかったのではないかと思うのですけどね。せめてDVDにNADSAT辞典が付いていれば、注意を喚起できてよかったのですが。

ということで、映画をより楽しむには、原作を読むか、ネットでNADSAT辞典を探しておくのがよいです。
ハヤカワから出てる小説の方では、NADSATはルビで対処していますが、映画と同じく21章をカットしてしまったのが、大きな減点です。
ペンギン・ミューズ・コレクションの原著には21章があるので、余力があれば読むのがよさそうです。僕も近いうちに読みたいなと思っています。

時計じかけのオレンジ DL-21150
時計じかけのオレンジ DL-21150


「ゲロッパ!」

2005年05月05日 23時24分40秒 | 映画
GWの締めくくりはこれ。

実に楽しい映画だ。
個人的にうるさいだけのハリウッド映画は嫌いで、イタリアやフランスの映画が好きなんだけど、こういう娯楽に徹した映画があってもいいなと思った。

ラスト30分の西田敏之のJBのモノマネのシーンと、創立記念式典からエンディングにかけてのシーン(常盤貴子のハジケっぷりが素敵!)は、これから何度も観てしまうことだろう。
楽しい気分になれると思うから。
それがソウルミュージックの魅力なり。

「恋におちて」

2005年05月05日 02時20分39秒 | 映画
かなり前に観た時はもっといい作品だと思っていたのだが...
大人の純愛を描いたものだから、歳を重ねた今の方が楽しめるだろうという期待は、裏切られてしまった。

普通、男と女が再開するシーンというのは感動するものだが、なぜか全く感動しないのはなぜだろう?

とかいいつつ、20年前のロバート・デ・ニーロはやっぱりカッコイイのだ。
メリル・ストリープは白過ぎて怖いけど。
俺なら恋に落ちないねぇ。

この映画から男として一つ教訓を得るとすれば、浮気をするなら、バレた時のためにセックスまでしておきなさいということだ。
プラトニックだと、美しい思い出になってしまうから。

とか書いてるけど、先日美容院で美容師と「やっぱプラトニックですよねぇ」とか話してたんだよな(笑)

「女足9号」

2005年05月04日 00時40分56秒 | 映画
先週あたりにBSでやってた「栄光のフォワード No.9 -女子サッカーに捧げる-」(原題「女足9号」)という映画を観た。

舞台は中国。
一度つぶれた女子サッカーチームが、日本から帰国したコーチが監督に就任して再結成。
出産でサッカーをやめていたストライカーが復帰するも、再びチームは解散してしまう。
というお話。

夫の理解が得られない主人公ティエンに、サッカー漬けで奥さんとの溝が深まるカオ監督。
といっても、この二人がどうなるとかいう訳でもなく(どうこうなればいいという訳でもないが)、ストーリー的にも何を描きたいのかよく分からない。

が、サッカーファンなら決して他人ごとではないテーマなのも確かで、舞台を日本に移しても全く違和感がない。

注目度が低く、企業の支援打ち切りと常に背中合わせの女子チーム、
男子に比べて報われない女子の指導者、
といった具合に。

実際、女子サッカー界はアテネ五輪出場が至上命題だったし、なでしこジャパンの上田監督は湘南の監督になったしね。

という感じで、ドキュメンタリーっぽく観れば観れないことはない映画だったんだけど、ひとつだけ納得いかないことが。
それは、3位以下になると解散になってしまうライバルチームのために、カオ監督がわざと負けたこと。
すべてのチームが生き残らなければならないというのが持論のようだけど、理想のために八百長受諾するのってどうよ?って感じ...

「シェルタリング・スカイ」

2005年04月24日 18時37分43秒 | 映画
録画していた「シェルタリング・スカイ」を観る。

世間的な知名度は「ラストエンペラー」なんだろうけど、ベルトルッチのオリエント三部作の中で最も完成度が高いのは「シェルタリング・スカイ」だろう。

公開された91年当時はまだ若過ぎて、ヴィットリオ・ストラーロの映像の凄さが理解できなかったけど、今改めて観ると、衝撃的であった。
砂漠の映像だけでも一見の価値はあるけど、内面的な部分もストラーロの映像があってこそ。
余計なものを一切排除した「わびさび」の境地に達していると思う。
まさに「大人の作品」ですなぁ。

そしてこの強烈な映像に音楽を付けてみせた坂本龍一も見事。
この作品やバルセロナ五輪あたりがキャリアのピークでしたな。