緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

五本指ソックスに市民権を

2008-05-22 14:59:00 | 「緑香庵」的なもの

ちょっと軽い話。

私は普段、自宅でもサロンでもスリッパ代わりに
畳の草履(ぞうり)を履いています。
もう何年もそうしているので、自分では特別な感じは無いのですが、
たまにスリッパを履くとふわふわとしてどうも落ち着きません。
草履だと親指のあたりがパシッと決まって気持ちよいのです。
こうして普段から草履に慣れているので、
たまに着物を着た時も何の違和感も無く草履や下駄を楽しむ
ことができてラッキーです。
(施術の時はその草履さえ脱いでしまいます。これが気持ちいいんだな)

で、草履ということは、普通の靴下では履けませんので、
当然足袋型か五本指のソックスを履くことになります。
これまた何年もそうしているので、自分ではいっこうに
特別なことをしているつもりはないのですが、
先日ラジオを聞いていてびっくり。

後輩の家へ招かれて行った2人の中年男性。
家には後輩と奥様の2人がお料理を準備して
おもてなしの気持ち満々で待っていてくれたそうな。
で、いざお宅へ上がろうとすると、奥様が五本指のソックス、
しかもなかなかの色使いであったと。
これをしてその招かれた中年男性2人は、
「何ということだ」と嘆いておられるわけです。
「それが先輩を招くときの装いか」と。
ラジオで盛んに叫ばれておられるのです。

それを聞いて驚愕したのは私でございます。
「え? 五本指ソックスって、世の中ではそういう位置づけなの?
私、毎日これでお客様に応対してるけど、これって失礼なの?
納得がいかな~い。
五本指ソックスって、昔でこそ水虫対応とか肉体労働専用とか
いうイメージがなきにしもあらずでしたが、
今や可愛いデザインのものもたくさん出てきたし、
身体への効能もけっこうメジャーになってきたし、
もはや恥ずかしいものでもなんでもないと思ってました。
格闘家やロハス系(この言葉が恥ずかしいけど)の人たちの
愛用者も多いでしょ。ほんとショックでございます。

どうか皆さん、五本指ソックスを認めてあげてくださいましな。
まあ、私なんていつもノーメークだし、それだって見る人が見れば
身だしなみ失格、失礼きわまりなしということになるのでしょうが、
自分の身体の感覚に注意するようになってくると、
一日中顔に何か塗っているのだって苦痛なんです。
もうストッキングなんて履けないんざます。
普通の靴下だって、足先が冷たくなるのが分かるのざます。
せめて五本指ソックスぐらい認知してあげてくださいな。
私はその上に足首ウォーマーもだけど。
うふふふふ。


ロルフィング研修報告

2008-05-19 10:00:00 | 営業日誌
5月は技術研修のため臨時休業を何日かいただいております。
その第一弾、ロルフィングについての一日講習を受けてまいりました。
たった一日ですが、すぐに実践に活かすことができそうな
ヒントがいくつも見つかりました。
やはり、外へ出て新しい刺激をうけることは大切ですね。
ボディワークは著作権フリー、良いものはどんどん
自分の施術に取り入れてください」との先生の言葉がありがたい。


私にとっての一番の収穫は、筋膜へのコンタクトの仕方、
そのタッチング方法です。
溶いたコーンスターチに指を沈ませるのと同じように、
ずぶずぶと皮膚の内部へ指が沈んで行く感触は初めてでした。
これは使える、これはもっと練習して上手になりたい、と
少し身体への認識がまた変わりました。
朝から夜7時過ぎまでずーっと全身の深部筋を弛めるお勉強
の後は、弛むどころか終いにはダルくてたまらず、
帰宅後夕食も摂らずに約12時間寝続けました。
途中起きたのはトイレに行った一回だけ。
治りかけだった風邪も手伝ってのことですが、
深部筋おそるべし。

先生の安田登氏ご自身はロルファーであり、能楽師であり、
若い頃はジャズミュージシャン、高校の先生だったこともあり、
日本に風水なんて誰も知る人がいなかった時代に風水の本も書き、
学生の頃は甲骨文字が専門、今は論語の本を書いてます、という
ユニークな方。
その辺りの話がめっぽう面白く、お話だけでも
もっともっと聞きたいと思ってしまいました。
ロルフィングと能の共通点というのも興味深い話でした。
最も刺激を受けたのは「深層と聖性」の話。
これについては説明が少々難しいので、
興味が有る方は安田先生の著書をご覧ください。


5月大好き

2008-05-18 10:00:00 | 「緑香庵」的なもの
ようやく今年の最初のクレマチスが開花。
Crematis


天候不順が続きましたが、そろそろ5月らしい気候が戻って来たので、
セントジョーンズワートをマカデミアナッツオイルに、
アルニカをオイルとホワイトリカーに漬け込みました。
どちらもドライの花部分。

Stjohnswort
セントジョーンズワートも花のみのドライは珍しく、
でき上がりが楽しみ。

■ 自家製の楽しみ
アルニカは口にすると危険な成分が入っているせいか、
なかなかドライが手に入らないのですが、
ようやく見つけネットで購入。
Arnica
サロンで使う浸出油は市販のきちんとしたものを使いますが、
自宅用のオイルはこうして自分で作ればコストも削減できるし、
パワーが倍増する気がするし、なにしろ日々色が変わっていくのを
見るのが楽しい。梅酒を造ったりするのと同じ喜びがありますねえ。
そういえばそろそろ梅酒の準備でしょうかね。
自転車で通勤途中の梅の木に濃い緑色の実が
だんだん大きくなって来ています。

■ 5月のお酒
毎年たくさん漬けるので、飲みきれないんです。
特に清酒(原酒の度数高めのやつ)で浸けたのが
近年のお気に入りです。
あららお酒の話になっちゃいました。
ついでに、5月と言えばミントジュレップの季節。
モヒートもいいわね。
とにかくフレッシュミントが味わえる特別な季節です。


やっぱり一年中で5月が一番好きだなあ、
お誕生日の月だからでしょうか。
さらに話は脱線しますが、アロマセラピストには牡牛座生まれが
多いそうです。
ねっ。でしょ。


エフエム世田谷出演

2008-05-17 14:42:11 | 営業日誌
5月13日(火)に、世田谷のコミュニティFMラジオ局、
エフエム世田谷の番組「世田谷Walker」で緑香庵を紹介していただきました。
世田谷区内の色々なお店を紹介するコーナーです。
電話でインタビューという形式だったのですが、
思いがけず私の「声」を誉めていただき、
「加藤さんの声がアロマテラピーですね」なんて
言っていただいちゃって、もーうれしい。
ちょっと緊張しましたが、結局、終始けらけら笑っていただけ
のようになっちゃいました。
パーソナリティのエド山口さんと豊嶋真千子さんが上手にパス
を出してくださったので、アロマテラピーの特色を一般の方にも
わかっていただけるよう一生懸命お話ししました。
緑香庵は本当に地域に支えられていますねえ。


アロマと脳とこれからの課題(後編)

2008-05-03 14:03:57 | アロマテラピーとは
■ 身体にも地方自治があります
アロマテラピーにおいて脳への刺激がいかに重要か
ということを前回書きましたが、反対に
脳の介在しない所でも重要なことが起こっているということも
思い出しておきましょう。

全ての感覚は脳へ報告され、
全ての反応が脳から戻ってくるのかというと、
そうでもないということを
以前書きました
皮膚の細胞も、あたかも脳のように感覚し判断し行動するということが
最近発見されたというお話でしたね。
つまり脳の中央集権が全てではない、地方分権、局所の自治も
ちゃんとあるんです。
どちらも大事、どちらが欠けても十分ではありません。


■ 「生きていく」だけで大変
さらに、中央である脳の中も一枚岩ではありません。
生命に関わる活動を行う深いところにある旧い脳と、
その周りをぐるっと取り囲む新しい理性の脳、
その間をたくさんの神経がつなぎ信号が飛び交って、
感覚が認識され反応が起こるわけです。
この二種類の脳、いつもバランスよく働いてくれれば
問題は無いのですが、しばしばこの関係がよろしくないことになりがち。
バランスが乱れる理由はいろいろ考えられますが、
文明社会で普通に経済活動を行いながら
「まともな」大人として生きていくということだけでも、
脳のバランスを乱すのに十分なストレスとなります。


Balcony5
《緑香庵の窓辺から若林公園を望む》

■ アロマテラピーは何ができるか
さてそこでアロマテラピーのトリートメント。
脳と患部(局所)を、香りの力とタッチングの力で
同時に刺激すること。
特に脳の旧い部分を刺激し、理性の脳を少し休ませることによって、
脳の中のバランスも整えることが可能になる。
これが大きな特徴です。

そしてこれからの課題は以下のようなことになりそうです。
トリートメントを通じていったん整えられたバランスが、
普段の生活という、もとの環境に戻ることによって、
直ぐにまたアンバランスな状態に戻ってしまわないように、
脳の中で新しい身体との関係を作り直すこと。

もちろん繰り返しの施術によってお客さま自身の認識が変化し、
徐々に「脳の中の身体」も変わっていくことが期待できますが、
より効果的な方法を探して行かなければならないと考えています。

■ アロマテラピーと「言葉」
前述のトレガーワークやロルフィングといったボディワークの
中にヒントがありそうに思えてなりません。
理性の脳と旧い脳をつなぐのは言葉です。
認識は言葉でできているからです。
ですが一方で言葉は大変危険なものでもあります。
たとえば、「今どんな感じがしますか?」というセラピストの
問いかけに対し、お客様が答えを探して意識を身体の内部に向け、
それを言葉で表現しようとしたとき、
脳の中でさまざまなことがおこります。

ある時は新しい認識をつくるのに役立つでしょう、
またある時はより正しい言葉を探し出そうとして
理性の脳がフル回転を始め、この言葉、とチョイスしたとたん、
旧い脳が感じることをやめてしまうかもしれない。
言葉は感覚を限定する「囲い」にもなりうるのです。
どのようにして言葉を、「囲い」ではなく、
より感覚を自由に認識するための「触手」に
することができるか。
セラピストの誘導の仕方によって変わってくる、
それがとても難しいところではないかと思います。
このあたりが、今後の私の研究課題ですね。

■ 学者さん、研究してください
それにしても、だれか研究者の方、
香りの刺激と脳の働き、タッチングと脳、言葉と感覚と脳、
このあたりのテーマできちんと研究して、
明らかにしてくださる方はいないでしょうか。
すごくふわっとした言い方で恐縮ですけど。

自分でやれって?
今から薬学部や医学部を受験して、研究室に入ってというのは
さすがに無理だわー。47歳だもーん、間に合わないわー
(それ以前に合格しそうもない)。
現場を離れたくないしー。
どなたか、お願いしますー。