緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

ラベンダー直塗り、是か否か。

2009-04-27 11:15:57 | アロマテラピーとは
先日テレビで、天気予報の合間だったでしょうか、
「ラベンダーの精油を火傷に直接つけると治りが早いです。
お台所に常備してはいかが。」
という一言アドバイスがされていました。
うーん、どうでしょう。

■ 確かにそう書いてありますが・・・
精油を肌につける時は、植物オイルやアルコールなどで薄めて
使うのが原則です。
これはどんな初心者向けの本にも書いてありますね。
精油とは植物の芳香成分を抽出した非常に濃厚なものだからです。
ところが時々例外として、ラベンダーやティートリーは
薄めずに直接使っても大丈夫と書かれていることがあります。

確かにラベンダーは、アロマテラピーの祖モーリス・ガット・
フォセが実験中に負った火傷をたまたま手近にあった
ラベンダー精油をかけて治したところからアロマテラピーが
始まったという、アロマテラピーの元祖も元祖、
効果効能も幅広く、また安全性もとても高い精油
として知られています。

■ ラベンダーでアレルギー!
しかし、やっぱり原液をそのまま使うというのは
あくまでも例外、緊急時のここ一番だけにしておいていただきたい。
なぜなら、やはりとても濃くてパワーの強いものだけに、
副作用を起こさない保証はないからです。

ラベンダーはその優秀な効能ゆえに、今やさまざまな化粧品や
日用品に入っています。普段から体内に摂取する機会の
最も多い精油かも知れません。

あるエステシャンの知人は、比較的高濃度のラベンダーが
入った化粧品を毎日仕事で使い続け
(海外の製品は高濃度のものが多くあります。
人種が違えば皮膚の厚さも、肝臓の解毒能力も違います)、
ラベンダーでアレルギーを起こすようになってしまいました。

確かによく効きます。
効きますが、調子に乗って大量に使い続けると、
身体が過剰に反応するようになります。
何事もそうですよね。過ぎたるは…です。

■ 量ではなくメッセージを
とかくこの「量への信仰」というのが私たちの生活には
深ーく根付いてしまっているのです。
一滴よりは二滴、二滴よりは三滴、
はては薄めるより原液の方が「よく効く」んじゃないか。
これは、あくまでも単純な比例の法則。
私たちの身体はシンプルですがそこまで単純な
おばかさんではありません。

そしてこういう使い方は、実にアロマ的でない。
単に、いつもの医薬品の代わりに精油を使ってみた
というだけの話です。
アロマの持っている力は本来はそんなところにあるのではないのです。
むしろ、いかに使用量を少なくして効果をあげるか、
すなわち本人の力を引き出すか

そこにアロマの真骨頂があるわけです。

つまり、薬理効果を持つ物質が「どれだけ入ったか」によって、
身体のある一部分が強制的に変わる(治る)のではなく、
アロマの「メッセージ」が身体を刺激することによって、
全体としての自然治癒力がいかにスムースに発動されたが大事なのです。
そのためには、むしろ大量であることが邪魔になります。
物質が量で身体をねじ伏せる方法は、
その時はよくても治癒力が活性化しません。

(もちろん緊急時は別ですよ。
生命の危機には何をもってしても生きる方向へねじ伏せなければね。
今は普段のお話です。)

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《緑香庵にも春が》

Ryokkoan090426closeup

■ 鵜呑みにしない
アロマが一般的に広まるのはほんとに嬉しい。
だけれども、テレビで言っていることをまるごと鵜呑みにして
ラベンダーアレルギーになったりしないように、
量はいつも控えめにしましょうね。
うっすーくうっすーく使う方が、安全であるのはもちろん、
むしろ効果的であるという考え方も忘れないでください。

あ、あと、もちろん香りとして嗅ぐ時はあえて薄めなくても大丈夫ですよ。
気持ち悪くならない程度にお好きな濃さで、
おおらかに使ってください。


やっぱりね

2009-04-14 10:13:29 | 営業日誌
おかしいと思ったら、発熱していました。
風邪だったようです。
つまりアレです、春の身体に変化するための儀式(過去記事参照)。


毎年この時期にお話ししていますが、
冬のあいだギュッと締まっていた身体が、
春に向けて徐々に弛(ゆる)んでくる過程で
進行がうまくゆかないと、それを解消するために
身体はある巧妙な企みを行ないます。
ある人は2月頃から花粉症という症状を利用して、
またある人は桜のころ熱を伴った風邪となって
一気に弛もうとするのです。
締まりがちな傾向を持つ人には
どうしても変化への起爆剤が必要なのでしょう。

例年、私は花粉症のおかげでこの時期の風邪とは無縁でした。
今年は色々な自然の力を借りることにも慣れて、
随分花粉症サマも手なづけたつもりが、
結局、花粉症の症状だけは回避できても
上手に弛む身体にはなっていなかったということでしょうか。
代わりの風邪をしっかりひかせていただきました。

水様の鼻水一日、熱二日、咳二日で計五日、
すっかり生まれ変わった気分、元気になりました。
熱の一日目でどうしても鎮痛解熱剤を服用せざるを
得なかったのでちょっと回復が遅れましたが、
まずまずの経過でした。
こういう目的でおこる風邪は、さっさと熱を上げて
汗かいてしまうに限ります。
そしてまたこういうタイプの風邪は気をつけていても
なかなか避けようがありません。
上手にひいて速く経過させてしまうのが一番簡単な方法です。
まあ、脱皮みたいなもんですね。
身体の周りの見えないコートを脱ぎ去るためにそなわった知恵です。

春先は社会的な環境の変化も伴うので、
自覚以上にストレスがかかっていることがあります。
暖かくなってきたので弛んできたかと思いきや、
実は頭はフル稼働で交感神経がピリピリしている。
一日一度、夜のお休み前には、必ず身体も心も弛んだ状態に
なるように工夫してください。

お風呂に入って温まること、PCやテレビや携帯を遠ざけて、
音や香りの刺激で脳を休めることを心がけましょう。
って、これ私がさぼっていたことなんですけどね。





あれ、おかしいぞ

2009-04-06 20:16:34 | 営業日誌
ここ数日の鼻水クシャミ。
あらら?
桜もようやく満開の頃を迎えて、
杉花粉はもう下火のはずなのに。

それも例年通り、ネトルやエキナセア、
ビーポーレン(蜂が運んでくる花粉ね)のサプリや
杉茶、メチルカテキン茶でもって
花粉症は穏便に済ませたつもりだったのに。

ヒノキかしら。
それともこのところの度重なるストレスを紛らすために、
毎日珈琲を飲み、甘いものを口にし、
そこそこ気合い入れっぱなしでひと月過ごしたせいで、
身体がまたもとのアレルギー体質にもどっちゃったの?

こんな簡単に影響が出るもんですかね。
なるほどねえ、感心するなあ。
ってことは、反対に
普段の養生は意味があったということかもしれませんね。

それにしてもうーん、変だ。