緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

コースと料金、改定します

2008-10-31 09:58:26 | 営業日誌

ホームページ上でもすでにお知らせした通り、
11月より緑香庵のメニューと料金を改訂します。
それぞれのお客様の「その日の状態にぴったりのトリートメント」
を実現するために、どんな組み合わせもできるように
コースと料金の関係をシンプルにしました。
今後は基本的に、料金は時間のみで決まります。
詳しいコースの内容はホームページをご覧ください。

今までご利用いただいていたコースによって、
若干の値上げになるケースと値下げになるケースがあります。
値上げになるケースについては、
世の中これからさあ不況だぞという時にまことに間の悪い話ですが、
こういう時代だからこそ、自分の身体を見直し、
耳を傾けることがなおいっそう大切になってくると思っております。
今後ともどうぞよろしく願いいたします。


待ってたぞ、ハイライト・オールスターズ

2008-10-28 10:02:14 | 営業日誌
今年も松陰神社の「幕末維新祭り」がありました。
去年台風で流れてしまった、神社境内でのビッグバンドの生演奏、
今年も天気を何日も前からチェックして待っていました。
午後のお客様の洗い物を洗濯機に任せて、
なんとかメンバー全員が客席に背を向けて柏手(かしわで)
を打っているところに間に合いました。
本殿を背にステージが作られているのですが、
演奏前に、まずは本殿に向かって一斉にご挨拶をするのです。
そして最初の音が出た瞬間に「プシュッ」と缶ビールを
開ければ2年ぶりのお楽しみの始まりです。

当然席はびっしり埋まっています。
境内の大きな木に寄りかかって演奏を聞くことにしました。
見上げれば早くも暮れた藍色の空をバックに枝が揺れています。
片手に缶ビールを持っているため、拍手はもっぱらほっぺたを叩いて、
きっと傍目には変な人。でも、とてもいい気持ち。
ほとんどが管楽器なのでほぼ生音で聞こえます。
アンプを通さない楽器の音は、木々に囲まれたあの場所に
よく調和します。
パイプ椅子に座った小さな子供が、
後ろに座っている母親の方を向いてはノリノリで体を揺らし、
ほろ酔いのおじさんが意味も無く歩き回っては
他の観客にちょっかいを出す。
このゆるい感じを愛ある演奏が包み込むようです。
350mlで完璧に酔っぱらい、とても幸せな気分。

ハイライト・オールスターズというのは、
早稲田のハイソサエティ・オーケストラと
慶応のライトミュージック・ソサエティの両OBが合体した
バンドだそうです(ハイソとライトでハイライトね)。
早稲田は私の母校。
大学のクラスにもハイソのメンバーがひとり居ましたね。
彼は私が卒論の準備を始めた時に「裏切り者」と宣いました。
サークル活動に明け暮れろくに授業も出ない私を、
当然自分と同じ留年組と決めてかかっていたようです。
ちょっとカッコいい人でした。
彼は無事に大人になったでしょうか…?
なんてことを思い出す秋の夕暮れなわけで。

幸せな一時間はあっという間に終わりました。
来年も待ってるぞ、ハイライト・オールスターズ。


今年のクリーム

2008-10-22 10:00:00 | 「緑香庵」的なもの

空気が乾燥してきました。もう指先がカサカサしています。
そこで今年も手や唇や体中のカイカイにつける
冬用乾燥予防クリームをつくりました。
いつもは
オイル5:みつろう1(+シアバター少々)
の割合で作っていましたが、(>>一昨年の記事
今回は余り物のオイルがいろいろあるので、
オイル10:みつろう1(+シアバター少々)
で、ゆるいトロトロのクリームをめざします。
ベースになるオイルは、ホホバ、マカデミア、カレンデュラ、
アルニカ、セントジョーンズワート、ヘンプシード、
小麦胚芽、ヒッポファエ、アボカド、月見草、アロエ、
ザクロ
などなど(ザクロのオイルなんて珍しいでしょ)。

■ 作り方
まずはボールに、全てのオイル+みつろうのキューブ+シアバターを
入れて湯煎にかけます。
Cream1
竹串を何本かまとめてかき混ぜながら温め、
みつろうやシアバターの固形分がきれいに溶けて透明に
なったところで湯からあげます。
Cream2
さらにかき混ぜながら自然に冷ますと、徐々に
竹串やボールのふちに固形分がついてきます。
それらをこそげ落しながら均等に固まるよう混ぜ続けます。
Cream3
全体に均一に不透明となり、とろりとしてきたら、
好みの精油を全体の0.5~1%程度になるよう加えて、よーく混ぜます。
今年はカモミール、ベンゾイン、ミルラ、サンダルウッド、ラベンダー
0.5%で加えました。
Cream4
これで完成。

いつもより倍のゆるさだったので、固まるかどうか
ちょっと冒険でしたが、ちゃんとクリーム状になりました。
手に取ると、体温ですぐにオイル状に溶け、
広い範囲を塗るのにも良さそうです。

今年のブレンドは精油もさることながら、
ベースオイルのパワーに期待しております。
早速、指先と唇にお試し。いい感じです。

今年もこれを自宅の家中のいたるところに置き、実家にも配り、
家族皆で持ち歩いて北風に立ち向かうのであります。
準備はできたぞ。


違うって素晴らしいかも

2008-10-20 14:08:19 | 「緑香庵」的なもの
■ 浮気は「文化」じゃなく「自然」である
「浮気は文化である」とのたまわった男性俳優がいましたが、
男性から見た浮気は文化ではなく「自然」です。
自らの遺伝子をなるべくたくさんばらまきたいのが
オスというものですから。
「浮気は非である」と男性が言ってはじめて、それこそ
自然でなく文化であるといえましょう。

反対に女性が「浮気は是である」といえばそれは文化です。
女性にとっては「浮気は非である」が自然。
数少ない卵を大事に、優秀な子孫として育てたい。
オスは精子の提供者であるだけでなく、
生まれた子供を庇護する存在でなければならない。
自らの遺伝子をもった子供を、ともに守り育てて欲しいというのが
メスの思いです。
しかしそう言いながら、たとえ夫が子育てに協力的だったとしても、
しまいには夫よりも子供に愛情が向けられてしまうのも、これまた自然。
なぜなら夫と違って子供は遺伝子がつながっているから。
男女の立場はどこまでいっても平行線、それが正しい。

■ 違うってことが大事
しかしながら、生物的に正しいことのみを選択していたのでは、
人類の今日の繁栄はなかったはず(繁栄の定義は別として)。
人は理性によって文化を生み、社会を形成して生き延びてきたのです。
人という生き物は常に「動物としてのありたい方向」と、
「文化的社会的生き物としてのありたい方向」の、
二つの異なるベクトルのはざまにあります。
簡単にいえば、動物の脳と理性の脳のせめぎあい。
これが日々の困り事のもと
ですが、
一方でこれこそが人類が進化し生き延びてきたポイント。

自然な男女の対立。
また、自然であることと文化的であることの対立。
世界にはいろいろな対立軸があります。
二つ以上の相反するものの間で右往左往してこそ
バランスが保たれるのです。
これは、社会的な事柄でも、生物的な事柄でも言えることです。
ひとつのことに一致団結、一丸となるとろくなことはないのは
歴史も証明しています。

■ 「お父さん、臭ーい!」
面白い実験結果があります。
見た目ではなく匂いで異性を選ぶと、
なぜか遺伝的に遠い人を選んでしまう
のです。
遺伝的に遠ければ遠いほど、その人の体臭を心地よく感じてしまうのだとか。
遺伝的に近い人(例えば親や兄弟など)の匂いは不快に感じるそうです。
思春期の娘の「お父さん、臭ーい!」は、健全な反応だということですね。
これは近親相姦をさけるための巧妙な仕掛けであるという人もいます。
自分とは違った要素をもった人と結ばれたほうが、
より良い、丈夫な子孫を残すことができるからということでしょう。
多くの生き物が雄雌の違いをもっていることとも関係がありそうです。
「異なっている」ことはとても大事なことのようです。

異なるものどうしのはざまで生まれる多様性が進化のもと。
人類はあえてこの「異なるものの混在」という面倒くさい状況を
選び取ることで、どうにか生き延びてきたのでしょう。
これからは自分と非常に違う人に出会えたら
「えー、まいったな」ではなく「ラッキー!」
と思わなくちゃね。

(なんて思えるのは今、私がB期だからかな?)


面白いぞ! イグノーベル賞

2008-10-15 18:47:40 | 女性の身体
イグノーベル賞って知ってますか。
毎年ノーベル賞と同じ時期に、
「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して授与されるもの。
今年も受賞者が発表されました。
イグノーベル賞もノーベル賞と同様、化学賞や平和賞など様々な分野に
わたって贈られます。そんな中で今年は、リズミカルボディセラピーに
関わってきた人なら手を叩いて喜びそうな研究が、なんと「経済学賞」を

受賞しました。

■ 本当にそうだったのね
タイトルは ”Ovulatory cycle effects on tip earnings
by lap dancers: economic evidence for human estrus?”
つまり「ストリップダンサーが客からもらえるチップの額が、
ダンサーの排卵周期に影響される
」という事実を発見したというもの。
チップの額は排卵日に最高となるらしい。
これには拍手喝采!
だってそりゃあそうだろ、さもありなん。

月経終了から排卵までの時期は、ヒト科のメスにとって
優秀なオスをゲットするための狩りの時期。
エストロゲンがどんどん放出され、気力・体力ともに充実し、
髪も肌もつやつや、メスとして最も魅力的になる時期です。
それもこれも排卵された卵がよりよい精子と出会い、
よき子孫を得たいがため。
排卵日こそ目的のピークなのです。
いわゆるフェロモンも全開のはず。
これまで身体のしくみとして言われてきたこと、
また実感として感じられてきたことが、
経済の土俵を得ることによってチップという目に見える形に
数値化された
といってもよいでしょう。

ストリップダンサーといえばメスの魅力こそが決定的な商売道具。
メスの魅力をチップの額でグラフにすれば、排卵周期とシンクロする。
考えてみればあたりまえのことですが、本当に実際そうだったのね

■ 男と女は違うってこと
こういう研究が知られることによって、人々の間で、人間の身体の周期や
男女の身体の違いについての理解が深まると嬉しいです。
ちょうど私の世代は、別名「男女雇用均等法」世代と言いまして、
女性の就職に「一般職」「総合職」などという区分が生まれるなど、
女性の社会進出をもっと進めようという動きのはしりの時代に
社会に出た世代です。

私が社会に出るぐらいの時代(1980年代)には、
世の中の先輩には女性で年を取るまで働き続けるという
モデルがまだ数多くはなく、
肩に力をいれ男性に負けないように頑張るしか
生き残る方法が見つからないという感じもありました。
異なる性が同じ職場で同等に力を発揮するためには、
違いをよく認識して補い合うようにしなければならないという
アイディアはまだなかった
ように思います。
でもこれからは経済効率を上げるためにも、
性差に応じた工夫は必要になってくると思うのです。

女性の排卵までの狩りの時期は頭もよく回転します。
寝不足や少々の無理をしてもエネルギー切れになりません。
こんな時のプレゼンや会議はきっとうまく乗り切れるでしょう。
反対に月経の少し前から月経にかけては、頭がボーっとするのが普通です。
いつもならしないような凡ミスもあるかもしれません。
そういう時に大事なイベントがあるなら、たとえミスしても
フォローが可能な体制を準備すべきでしょう。
「女はめんどくせー」と男性は思われるでしょうか。
しかし、女性にとって働きやすく力を発揮できる職場は、
実は男性にとっても能力を発揮しやすい職場になるはずです。
なぜなら男性にも女性ほどわかりやすくはありませんが、
身体の周期というものがあるからです。
常に同じ状態をキープできることが最高の自己管理能力ではありません
身体の周期的な変化を無視することは労働力の使い捨てにつながります。
自分の状態をきちんと認識できる感受性と、それを理解できる知性、
それに対して対策をたてられる能力が自己管理ってもんだ、
と思うのです。

■ この賞を楽しみにしています
イグノーベル賞から、えらい硬い話になってしまいました。
話を戻します。
イグノーベル賞を受賞する研究のほとんどは大真面目で、
決して「面白い!」という評価を狙ったものではないところが
また何とも楽しい。
いったい何の役に立つのでしょうという研究にも、
その裏に研究者達の心血を注ぐ努力がうかがわれ、
人というものの奥深さを感じさせられます。
一見どうでもいいことに必死になれるのは人類ならではの才能です。
あまりにもユニークなそれらの研究タイトルを聞くだけでも笑えるので、
この賞を楽しみにしている一般市民も少なくないとか。

ちなみに、今年は日本人の受賞者もいましたよ。
認知科学賞。「単細胞生物の真正粘菌にはパズルを解く能力がある」
すごいすごい。
アメーバみたいな神経も脳もない生き物が、迷路の最短ルートを見つける
のだそうです。>>参考
ひえーっ! 笑ってられない。