緑香庵通信

三軒茶屋から世田谷線で6分・松陰神社前のアロマテラピーサロン。

アロマと脳とこれからの課題(後編)

2008-05-03 14:03:57 | アロマテラピーとは
■ 身体にも地方自治があります
アロマテラピーにおいて脳への刺激がいかに重要か
ということを前回書きましたが、反対に
脳の介在しない所でも重要なことが起こっているということも
思い出しておきましょう。

全ての感覚は脳へ報告され、
全ての反応が脳から戻ってくるのかというと、
そうでもないということを
以前書きました
皮膚の細胞も、あたかも脳のように感覚し判断し行動するということが
最近発見されたというお話でしたね。
つまり脳の中央集権が全てではない、地方分権、局所の自治も
ちゃんとあるんです。
どちらも大事、どちらが欠けても十分ではありません。


■ 「生きていく」だけで大変
さらに、中央である脳の中も一枚岩ではありません。
生命に関わる活動を行う深いところにある旧い脳と、
その周りをぐるっと取り囲む新しい理性の脳、
その間をたくさんの神経がつなぎ信号が飛び交って、
感覚が認識され反応が起こるわけです。
この二種類の脳、いつもバランスよく働いてくれれば
問題は無いのですが、しばしばこの関係がよろしくないことになりがち。
バランスが乱れる理由はいろいろ考えられますが、
文明社会で普通に経済活動を行いながら
「まともな」大人として生きていくということだけでも、
脳のバランスを乱すのに十分なストレスとなります。


Balcony5
《緑香庵の窓辺から若林公園を望む》

■ アロマテラピーは何ができるか
さてそこでアロマテラピーのトリートメント。
脳と患部(局所)を、香りの力とタッチングの力で
同時に刺激すること。
特に脳の旧い部分を刺激し、理性の脳を少し休ませることによって、
脳の中のバランスも整えることが可能になる。
これが大きな特徴です。

そしてこれからの課題は以下のようなことになりそうです。
トリートメントを通じていったん整えられたバランスが、
普段の生活という、もとの環境に戻ることによって、
直ぐにまたアンバランスな状態に戻ってしまわないように、
脳の中で新しい身体との関係を作り直すこと。

もちろん繰り返しの施術によってお客さま自身の認識が変化し、
徐々に「脳の中の身体」も変わっていくことが期待できますが、
より効果的な方法を探して行かなければならないと考えています。

■ アロマテラピーと「言葉」
前述のトレガーワークやロルフィングといったボディワークの
中にヒントがありそうに思えてなりません。
理性の脳と旧い脳をつなぐのは言葉です。
認識は言葉でできているからです。
ですが一方で言葉は大変危険なものでもあります。
たとえば、「今どんな感じがしますか?」というセラピストの
問いかけに対し、お客様が答えを探して意識を身体の内部に向け、
それを言葉で表現しようとしたとき、
脳の中でさまざまなことがおこります。

ある時は新しい認識をつくるのに役立つでしょう、
またある時はより正しい言葉を探し出そうとして
理性の脳がフル回転を始め、この言葉、とチョイスしたとたん、
旧い脳が感じることをやめてしまうかもしれない。
言葉は感覚を限定する「囲い」にもなりうるのです。
どのようにして言葉を、「囲い」ではなく、
より感覚を自由に認識するための「触手」に
することができるか。
セラピストの誘導の仕方によって変わってくる、
それがとても難しいところではないかと思います。
このあたりが、今後の私の研究課題ですね。

■ 学者さん、研究してください
それにしても、だれか研究者の方、
香りの刺激と脳の働き、タッチングと脳、言葉と感覚と脳、
このあたりのテーマできちんと研究して、
明らかにしてくださる方はいないでしょうか。
すごくふわっとした言い方で恐縮ですけど。

自分でやれって?
今から薬学部や医学部を受験して、研究室に入ってというのは
さすがに無理だわー。47歳だもーん、間に合わないわー
(それ以前に合格しそうもない)。
現場を離れたくないしー。
どなたか、お願いしますー。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。