以前から気になっていることがありました。
トリートメント中、多くのお客様は、だんだんに
身体から余分な力がスーッと抜けていきます。
その速度は、その時その方によってまちまちで、
オイルを塗る前、タオルの上からちょっとお体に触れただけで
弛み始める方もいれば、
トリートメントの最後、頭に触れてからやっと弛む場合もあります。
特に顔に触れた時に、それまでなかなか緊張が抜けなかった
身体が一気にふわっとあるいはガクリと弛むということが
よくあります。
ご本人には全く意識はないようですが、
この落差に驚かされることがしばしば。
どうも顔というところは特別な場所らしい。
■ 「緑香庵」的フェイシャルを
私のキャラゆえか、緑香庵をエステと間違える方は
さすがにいらっしゃいません。
きれいになろうと思ったら、きれいにしてる人に
やってもらわないとね。
こちとら完全にスッピンだし、五本指ソックスだし。
美容についてアドバイスをさし上げたところで説得力がありませんやね。
それでも、特に女性のお客様から、ちょっとした普段の
お手入れのご相談やら、
「顔のマッサージはやっていないのですか?」という
お問い合わせやらいただくことがあります。
ボディのトリートメント一環として、
顔のオイルトリートメントも「ゆったりコース」のなかに
組み込んではいますが、フェイシャルのみのコースは
設けていなかったので、お客様のご要望に答えきれていないなあ
という思いもずーっとありました。
そういうわけで、「顔」は気になっているけれど、
踏み出せずにいるテーマの一つだったわけです。
そんな中、いろいろと模索し、
新しい技術を色々勉強する機会もあり、
ようやく緑香庵として「顔」に取り組むテーマがはっきりしてきました。
■ 「顔」という場所
顔は無意識の体調や精神状態を映し出す鏡のような場所です。
それと同時に、だからこそ、よき社会人として生活を営むには、
顔は常に意識的にコントロールされている場所でもあります。
身体の中で最も自然でいることを許されない場所
とでも言いましょうか。
少々疲れていれば、顔は身体の状態を反映しますから、
例えば肌はくすみますし、口角は自然に下がってきます。
でも一方で、疲れた「顔」は見せられない、
口角をぎゅっと上げていたい、
いや「口角の上がった人」でいたい自分がいて、
顔の上では人知れず静かな戦いが繰り広げられているのです。
顔は健気です。
身体がどんな状況だろうと、心がどんな状態だろうと、
一番外に向かって一生懸命頑張っているのは「顔」です。
社会にもろに接しているのはまさにその「顔」。
だから、もろもろの緊張が張り付いて
取れなくなってしまうのですよ、大人は。
上手く生きて行くにはどうしても必要な仮面ですが、
でもずーっとその状態が続くと、その緊張状態が
普通になってしまいます。
■ 顔の緊張は美容の大敵
その緊張状態はそのまま身体全体の緊張とシンクロしながら、
顔の血行を妨げます。
そうすると、しわやくすみに繋がります。
顔にはたくさんの筋肉がありますが、
筋肉は重力に対抗してぎゅっと上にひっぱっておく
ためのものではありません。
しなやかに動いて、充分な血流を得て、自由に縮んだり伸びたり
してこその筋肉です。
そうなってはじめて表情がいきいきと輝き、
肌にもつやが生まれます。
たるみや、しみも血行不良が元凶。
強い緊張は深いしわの原因にも。
結局は美容にも大きく関係するのです。
■ リラックス、のちビューティー
さて、7月から始まる、緑香庵のフェイシャルトリートメント。
エステではないので、美容効果の高い化粧品や機械は
使用しませんが、精油と植物の力を借りて、
人の手で顔の緊張をやさしく弛めることによって、
全身のこわばりをほどいていきます。
人によっては身体そのものを触るよりも
もっと深くリラックスされる方もあるはずです。
「顔」は一番の砦だからこそ、その緊張をゆるめるということには
とても大きな意味があります。
特に美容を意識しない方でも、男性の方でも、
顔のトリートメントを試してみる価値はおおいにあると思います。
服を着替えるのに抵抗があって、ちょっとボディはという方にも、
お勧めしやすいコースです。
もちろん美容効果を望まれる方には、
血行を促進し新陳代謝を高めるという意味で、
美白や小顔などあらゆる美容への可能性の第一歩となるでしょう。
いろいろごたくを並べましたが、早い話が、
緑香庵のフェイシャルは、「リラックス、のちビューティー」
ということですね。
7月、始まります。