ある時代を背景に、まったく新しい創造の人物を主人公とする時代小説と、
読んでいてどちらが楽しいか？
宮本昌孝 著 「剣豪将軍義輝」 徳間書店
たぶん、この小説の中には、作者のこしらえた人物が多数登場していると思うし
歴史上の人物も、きっと実際とは違う形で出てきていると思う。
結果的には、細川や三好・松永弾正らの傀儡将軍の枠からはみ出す事が許されなかった、足利将軍。
それでも、戦国時代の動乱期に、こんな将軍がいたのだと思うとすこし楽しい！
もう少し早く、信長が、上洛しておれば、時代が変わったとか・・・
極悪非道の熊鷹や鬼若を、なんとなく可愛く感じさせたり・・・
この小説はハッピーエンドにならない。
普通の時代小説ならば、ハッピーエンドを期待しながら読む事が出来るが、
歴史小説は、読みだす前からハッピーエンドにならない事を知っている。
読み終わって、こうしてエンディングとなってしまったか。
将軍義輝は、結果的には後世に何も残せなかった？
私のお気に入り度：★★★★☆
