里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

高速増殖炉 “もんじゅ” 運転再開迫る!

2010年02月24日 | その他
2月23日の日経で、
『原子力安全委員会は、3/22に“もんじゅ”の運転再開を認めた』 と報じていた。
この後、福井県等の地元自治体の承認を得て来月中の運転再開を目指しているそうだ。

“もんじゅ”といえば、独立行政法人・日本原子力研究開発機構が運営している原子炉で、
『燃料のプルトニウムを燃やすと、燃やす過程でプルトニウムを増やせる“夢の原子炉”』
だとして、1995年に鳴り物入りで試運転に入ったものの、冷却材のナトリウムが漏れて
火災事故を起こしてしまった、あの原子炉の事だ。

燃料のプルトニウムをドンドン増やせるので“高速増殖炉”と呼ばれ、燃料もプルサーマル
発電よりプルトニウム含有量が遥かに高いMOX燃料が用いられるという。

一方、2020年の国内の温暖化ガス排出量を、1990年比で8%削減するという麻生政権の
目標を達成する場合でも、原子力発電の割合を現在の25.6%から40%に引き上げる必要
がある事から、今後“もんじゅ”のような高濃度のプルトニウムを扱う高速増殖炉を稼動さ
せる可能性もあるらしい。

MOX燃料は核分裂の制御が難しいとか、プルトニウムは毒性が強いとかいうし、その気
になれば核爆弾に転用する事も可能だという。 暫く前の自民党政権時代に“核武装論”
を唱える人が居た事も考えると大いに気にかかる話だ!
“もんじゅ”の名前は、智を司る“文殊菩薩”に由来するというが、
お役人が「“夢のような原子炉”を“三人よれば文殊の知恵”で造った」と思い上がって嘯
いているのでは…と、心配だ!?

日本の発電の比率(2007年度)、関西電力のHPから引用
原子力石 油石 炭LNG水 力その他
25.6%11.8%25.3%27.4% 7.6% 2.3%


(以下、Wikipediaから引用)
プルサーマル発電
通常の原発から出た使用済み核燃料を再処理して、MOX燃料と呼ばれるウラン238とプ
ルトニウム(含有量:4~9%)の混合物に変え、既存の原発の軽水炉で発電に用いる。

高速増殖炉
冷却用に軽水(普通の純水)を使用せずに、代わりに溶融金属を使用する原子炉で、燃料
にはプルトニウム20~30%を含有するMOX燃料が使用される。

核爆弾
ウラン235やプルトニウム239は、濃縮して一気に核分裂を起こさせる事により、その破壊
的なエネルギーを利用するだけでなく、放射線などの猛毒でも敵を死に追いやる事が出来
るとして、核爆弾に用いられている。

因みに、
・広島に落とされた原子爆弾はウラン235を濃度80%まで濃縮したもので、詰められてい
たウラン235の内の僅か1㎏弱が爆発しただけで、TNT火薬に換算して15kt(15,000t)
に相当する爆発が起き、1945年の12月までの被爆死亡者は約14万人と推定されている。

・長崎に落とされた原子爆弾はプルトニウム239を濃縮したもので、詳細は不明だが、
 1㎏弱のプルトニウム239が爆発して、TNT火薬に換算して約20ktに相当する爆発が
起き1945年末までの死者は7万3884人にのぼったと言われている。

・その後、原子爆弾が爆発した時のエネルギーを用い、重水素や三重水素、リチュウムな
 どを核融合させて得られる膨大なエネルギーを利用する水素爆弾が開発された。
 その中で、最も規模が大きいのは旧ソ連が1962年に行った核実験で、TNT火薬に換算
 して50mt(50,000,000 t)、広島原爆の実に3,300倍の威力があったとされている。


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