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里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

ナス科の野菜

2006年05月31日 | 野 菜
たまには多少仕事をしている話題も紹介します。

今、畑ではナス科のジャガイモ、トマト、ナス等の野菜が花を着けているが、いず
れもナス科だけに良く似た花を着け、間近で観ると結構可愛い。
(ナス属)ジャガイモ(トマト属)トマト
(ナス属)ナス

しかし、このナス科の野菜達は個性的でかなりの曲者ぞろいだ。

先ず第一に、
何も処置をしないと、これらの野菜を植えた後は5~7年間空けてやらなければ連作障
害が起きるのだそうで、特にジャガイモは春と秋の2回作付けをするので、どこへ、いつ、
何を作付けしたか記録を残しておかなければならず、非常に厄介だ。

次は、ヨーロッパでデビューした時の扱い。
気の毒なのは、ジャガイモトマトで、どちらも16世紀に南米からヨーロッパに持
ち帰ったものの長い間毒があると信じられ、その間専ら観賞用として扱われていた
そうだ。
言われてみると、トマトはともかく、確かにジャガイモはてっぺんに可愛い花がま
とまって咲くので、観賞用として利用されていた事が分からなくも無い。

その次はナス
13世紀に原産地のインドからヨーロッパに持ち帰られたが、当初は薬用として利用さ
れ、イギリスでは観賞用として利用されていたらしい。
観賞用には今一の感があるが、少なくとも毒とは考えられていなかった分だけジャガイ
モ等よりましである。

悪魔の芋の芽掻き

2006年04月24日 | 野 菜
今日は、ジャガイモの芽掻きをした。

考えてみれば、このジャガイモの歴史も面白い。

16世紀にスペイン人が南米のアンデス高原からヨーロッパへ持ち帰った当座は、花を
観賞する為に栽培していたそうだし、

その後、戦争や飢饉で食べ物が無くなりやむを得ず食べるようになったものの、当初は
イングランドのエリザベス女王が食べてソラニン中毒にかかった事からジャガイモには
毒が含まれていると広く信じられており、
その上当時のキリスト教徒は聖書に書かれているように“種子を植えて実を収穫する”
のが常識で、自分自身を植えて同じ物を収穫する変わった植物は“悪魔の植物”と考え
られ、食べる事に抵抗があったそうだ。

しかし、やがてオランダ等の海外進出と共に世界各国に食料として伝えられ、その間た
び重なる飢饉から多くの人々を救い、18世紀後半には麦・稲・大豆と並ぶ主要作物に
なった訳だが、1845年~1849年の5年間にわたって、ヨーロッパ全域で大きな事
件も起きている。
当時、主食のジャガイモの疫病が大発生し、100万人以上が餓死し、アメリカなどへ
200万人以上の人々が移住したと言われ、この中にケネディーやレーガンのひい爺さ
んもいたそうで、正しく歴史を変える事件が起きたのだそうだ。

日本には、約1600年頃インドネシアのジャカルタを拠点にしていたオランダ人が長
崎の出島に伝えたのが始まりで、その当時は“ジャガタライモ”と呼ばれ、100年後
には日本列島を縦断して北海道まで栽培されるようになり、名前もジャガイモと呼ばれ
るようになったそうだ。

今でこそ切り刻んで植えるのは常識で何も不思議とは思わないが、当時の人達は気味が
悪かったに違いない。 言ってみれば、指を切り取ってシャーレに入れておき、人間を再
生するようなもので、正しく悪魔の植物と考えられていたのだ。

例えば、私が花の栽培法を教えて貰っているsasakiさん等は、ショウジョウバカマの葉
を3~4枚に切り分けて繁殖させると言うが、こんな事をあの時代にやったとしたら、
彼は即座に悪魔と見なされ火あぶりにされていたかも知れない。
恐ろしい世の中に生まれずに幸いであった。

一人で仕事をしていると、つい色々な事を考えてしまい、なかなか仕事が捗らないので
困ってしまう。