徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

保育所実習巡回記ー大変さを超えるものー

2015-02-19 09:45:12 | 子どもとおとな
保育所の朝は早い。
早朝保育のあるところは7時くらいからはじまる。
そして子どもたちが揃う9時半過ぎにはお散歩に出ることも多い。

午前中の実習巡回の時はたいてい9時半くらいを指定される.
それは、このお散歩時間のためだ。
実習している学生に会おうと望めばどうしてもこの時間になる。

この日も保育士さんが次々と事務室にやってきて
「お散歩にでかけまーす」と行先と人数を書いた紙を置きにきた。

保育園では散歩は日課。
でもこの日、9時半に行ったとき、
すでに実習生の入れていただいたクラスはお散歩に出かけたあと。
「ちょっと一緒に様子を見に行きましょ」と園長先生。
私は園長先生にくっついて、大人の足で5分の公園まで歩いて行った。

2歳児の子どもたちは3人の先生に見守られながら遊んでいた。
今は冬。公園には霜の道があった。
すでに霜柱を踏みつけて泥んこになっている子どもたちもいる。
でも、そんなことはものともせず、10時半くらいまでそこで過ごした。

そこは区立の公園。
近所の親子連れがいてもよさそう。
でも一組もいなかった。

へええ、寒いからかなあ。
それとも霜を踏み潰して泥んこになるのが嫌なのかなあ。
いやいや、夜更かししちゃって起きられないのかもしれない。
そんなことを思った。

保育園に戻ってから、園長先生に公園で親子を見かけなかった話をした。
すると園長先生は
「最近はね、お母さんたち、あまり公園に行かないのよね。
子育て支援ということで、保育園や児童館が地域の親子に園庭解放をしているしね。
そこだと安心して親子で過ごせるのよね。
公園だと、他の親子がいるかいないかわからないしね。
園庭解放だと、園の子どももいるし、なんか、お母さんたちもゆったり過ごせるのよね。
でも、ここだけの話だけれど、この保育園の園庭ってこのあたりじゃ狭いことが多いでしょ。
だからね、園庭解放の日は子どもとおとなであふれちゃうのよ。
本来は、園児のための園庭なのだけれどね。
そこが難しいわけ。
で、私たち、今まで以上にお散歩を保育に入れるようになったの。
近くの公園巡りになっちゃうわけ。
歩くってことではとってもいいのだけれど、
園庭でじっくり遊ぶ時間を保障できなくなっているってこともあるの。
なんだか玉突きみたいでしょ・・・」

実習巡回をして思うのは、
保育所の役割が在籍園児の保育をすることだけにとどまらなくなっているということ。
保育所が地域の子育て拠点としての役割を担わされるようになっているからだ。
最近はそれがもう保育所の役割としてしっかり定着してきている。
だから保育士の仕事は驚くほど多岐にわたる。
自分に責任のある目の前のクラスの子どものことだけではないのだ。

地域で子育てをしている親子にとっては救いになっているこの園庭解放。
その裏には、現場の保育士の工夫と努力が隠れている。

世の中では「保育士不足」が声高に叫ばれている。
現実の保育所も「保育士」をいかに確保するかで大わらわだ。
だから、国も保育士確保の施策を掲げる。
言ってしまえば、だれでもなれる、なってくださいって感じである。
もう、保育の質なんて言ってられない切羽詰まった状況がそこにはある。

でも現場を見ればすぐわかる。
そこには子どもの発達を保障できるだけの専門性と、
どんな状況にも対応できる柔軟性が必要だということが。
これがなくては今の保育所保育には対応できない。

実習から戻った学生の中には、保育士のあまりの仕事量に圧倒され、
自分には到底できない・・とギブアップする人も出る。
そんな中で、何人かは「やっぱり保育士になる!」という。
その決断の理由を聞くと
「だって、やっぱり、子どもって面白かったから」という答えが返ってくる。
そうか、子どもにかかわる仕事ってやっぱりその「面白さ」が支えているんだ。

私にできること。
学生と一緒になって「子どもって面白い!」て言い合える場をつくること。
これはなかなか難しいけれど、やっぱりこれしかないなって思う。

今日もまた巡回の旅は続く。


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