徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

まあ、だんご虫となめくじが鈴なりにー究極の選択・・・-

2018-06-02 09:52:58 | 子どもとおとな
夜来の雨が上がった。
そうだ、花壇のマリーゴールドの
様子を見に行こうっと。

夏の到来を思わすこのところの暑さ。
ちょっと早めだけれど、花壇を夏仕様にしなくちゃ、
と思って、冬の間中楽しませてくれた
ビオラたちに別れを告げ、
花壇の土を少し掘り起こし、
2週間ほど休ませていた。

その間、花屋さんに行っては
何を植えようか・・・、と考えた。

この冬はなめくじに悩まされた。
それで、今年は思い切って
マリーゴールドにしてみることにした。
虫やナメクジが寄りにくいかなと思ってのことだ。

そして数日前、いそいそと花店に向かい、
5株ほど買ってきた。
夏らしい黄色と、エンジがかった黄色の二種。

マリーゴールドを植えると、
ジョージアにいたころを思い出す。
やはり庭先に植えたところ、
その花の大きさに驚いた。
日本のマリーゴールドのおよそ2倍はある。

太陽の熱が違うからだろうか。
ベコニアも大きく育った。
これにもびっくりした。

同じ種でも根を下ろす地域によって
こんなに違うんだなと・・・。

閑話休題。

ああ楽しみだ!
それからは毎日朝に夕に眺めて過ごした。

そして様子を見に行ったこの朝。
思わずキャーッと心の中で叫んだ。
茎という茎には
なーんとあろうことか
だんご虫とナメクジが鈴なり!!
それも5本とも!

よく見るとむしゃむしゃ食べている。
だんご虫など老若男女すべている。
つまり、成虫から赤ちゃんだんご虫まで勢ぞろい!

そのあいだあいだにナメクジがー!!

もうどうしたらいいんだろう。
すぐに部屋に戻って、
冬の間活躍したナメクジ退治の薬を探した。

ごそごそやっていると
ウルトラマン2号(小学1年生・男児)がやってきて
「おばあちゃん、あわてててどうしたの?」っていく。

「あのね、花壇のマリーゴールドをだんご虫さんと、
ナメクジさんが食べてるの」(私)

「僕、見に行ってくるよ!」といって
ぞうりを突っかけて外に出る。
あと10分で小学校への登校時間。

「あ、ほんとだー。すごいねえ。
どうする?やっつける?」(2号)

「そうなのよねえ。
お花を守ろうとすると、だんご虫や
ナメクジをやっつけなきゃならないし・・。
困っているのよね」

「困ったねえ・・」(2号)
と言いつつ、ウルトラマンたちは登校していった。

さてどうする・・・。
で、私の出した結論。
やっぱり今回はだんご虫に涙を呑んでもらおう。

今まで、だんご虫は私のなかでは
害虫ではなかった。

小さい時から庭でだんご虫と遊んだ。
だからだんご虫は、私の中では友だちだった。

幼稚園の園庭では
子どもたちはだんご虫と遊んで
どうしても家に持って帰りたいと、
ビニール袋にだんご虫を入れて持っていく。

だから、1か月も経たないうちに、
園庭にはだんご虫の影も形もなくなる。
そして、夏の花たちが満開の時を迎える。

その時は、なにも疑問を持たなかった。
私の中では相変わらずだんご虫はいい奴だった。


ある日、虫愛ずる姫君の妹と電話口で話していた。
「まったくねえ、究極の選択なのよ」(妹)
「なにが?」(私)
「花をとるか、はたまたダンゴムシやナメクジをとるか」(妹)
「えっ」(私)
「ナメクジやだんご虫たちをほっておけば、花は食べられちゃう。
花を守るためには彼らを駆逐しなければならないわけ」(妹)

「そうなのねえ」(私)
「だからね、毎晩8時ごろから割り箸で
花の茎に鈴なりになっているナメクジを
一つ一つとるわけ。これしかないのよー」(妹)
「えー、そうなんだー」

当時の私の育てていたものは
人間の子どもだけ。
とても動物や植物を育てるだけの余裕はなかった。
だから妹の言っている究極の選択の意味が
ピンとこなかった。

それから20年以上の年月が流れ、
遂に私は一番不得意な植物育てに向かった。

そして出会った命の究極の選択。
私は花を選んだ。

薬を撒いた次の日、
マリーゴールドの根元をみると、
昨日までアリや、だんご虫や
小さな虫たちが忙しそうに行き来して
こんな小さな世界にも凄い生命力が
蠢いていたのに、
そこに横たわっていたのは死の世界。
何も動いていない。
シーンという気配が色濃く漂う。

なんていうことをしてしまったのだろう・・。
でも、花にも咲いてもらいたかった・・・。

と、ぐじゃぐじゃ思っていたとき、
ふと谷川俊太郎の詩「しんでくれた」が
脳裏をかすめた。

ああ、命のことって、こんなに身近で難しいって
そのあともしばらく立ち直れない私がいたのでした。

本当に日常の一番小さなところに、
一番大きな問いや問題があるのだなと、
ちょっぴり哲学的になっただんご虫さんの
命の訓えでした。






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