徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

博物館に初もうでー松林図屏風に会いに行くー

2016-01-16 23:38:17 | 美術展から
「博物館に初もうで」というのは
東京国立博物館の新春特集のキャッチコピー。

「ねえねえ、どんないちねんにしたい?」と
狩野山雪のかわいいお猿さんがこちらを見て微笑んでいる。

なかなかいけている。
と、このコピーに惹かれて出かけることに。

でも、実は実は、昨年来、
ずーっと、会いたい、会いたいと思っていた
長谷川等伯の「松林図屏風」が展示されると知ったからだ。

初もうでの期間は2日から31日だが、
この等伯の「松林図屏風」は特別展示。
だから17日(日)までの期限付展示。

気が付けば14日。
もう明日しかない!と15日に出かけることにした。

昨年の京都国立博物館での
琳派400年展のときの二の舞を踏まないように
ともかく早く行くことに。

なんたって、あのときは、
博物館に入館するまで140分待ちだったからなあ・・。

というわけで、9時半の開場前に到着。
それでも列ができている。
でもよーく見ると、常設展の方ではなく、
時を同じくして開催されている
兵馬俑の特別展の方に長い列。
ホッと、一安心。

いざ開館!
もうまっしぐらに特別展示室へ。
そこには風に揺れる無彩色の松林が広がっていた。

安倍龍太郎著の『等伯』を読んで以来、
見たい、見たいと思っていた「松林図屏風」。
うーんと近くからも、ぐっと離れた位置からも
じっくりと堪能することができた。

いいなって思うと
すぐにストーカーモードになる私。
昨年は琳派と等伯だった。

3月には本法寺の「涅槃図」に唸った。

10月末には琳派400年展が開催されている
京都国立博物館に行った。
同じ日に智積院の宝物殿を訪れた。
ここには等伯一派の障壁画が収められている。
息子久蔵の「桜図」、そして父、等伯の「楓図」。

あの戦国最後の時代から、
江戸開府までの疾風怒濤期を
絵師として生きた等伯。
もちろん、私の等伯は安倍龍太郎作の等伯ではあるのだが・・。

将来を期待していた息子久蔵の夭折。
それをいつもどこかで引きずりながら、
それでも果敢な挑戦を続ける。

その晩年の作が「松林図屏風」。
水墨画の寂とした世界がそこにはあると思った。

不思議なことに近くで見ると
その松葉の一本一本は鋭く力強い。

寂の中にある強と弱。そして静と動。
展示されている部屋全体が一つの世界になっている・・・。

一昨年の歌川国芳展との出会いから
「奇想の系譜」に惹かれた私。
若冲に出会い、昨年はとどめの河鍋暁斎展。

美術展に目を凝らすうちに出会った琳派。
夫の読んでいた『等伯』を
横取りして読んだことにはじまる彼の画業との出会い。

ちょっと前まで、夫に付き合って、
さーっと回るだけだった私の中の何かが変わった。
そんな自分を面白いなって思う。
まだまだ開けることがあるんだなって。

今回の新春特別展示。
実は北斎のものもふんだんに出ていた。
北斎のことは通り一遍しか知らなかった私。
その世界の壮大さにびっくりした。
90歳過ぎの画もまた挑戦的だった。
知らない世界はまだまだいっぱいある。

そして、今回の発見は・・・。
江戸後期の絵師、森狙仙。
名前だけしか聞いたことがなかったけれど、
彼の「十二支図」の模本が私の心をとらえた。
十二支が一画面に描かれ、
そのそれぞれの「目」力の凄かったこと。
私はその動物たちの目に釘付けになった。

 十二支図(模本)模者不詳 原本 森狙仙筆

なんで釘付けになったのか?
それは分かりません。
そういう自分に出会ったということ??

でも、この出会いを大切に、
私は原本を描いた森狙仙について、
ストーカーモードになっている自分に気づいたのでした。

今年はどんな私に出会えるのだろうかと思いつつ・・・。

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