徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

絵本、今日の一冊「きつねのかみさま」

2015-01-10 21:39:53 | 絵本・児童書 今日の一冊

         あまんきみこ/作、酒井駒子/絵(2003) ポプラ社刊
            「きつねのかみさま」

出版されてから10年経って出会った絵本。
今の私の心をほっこりさせる。

あまんきみこさんの絵本のお気に入り、
それは「きつねのおきゃくさま」だった。
子どもたちも気に入っていた。
息子は「きつねの話は嫌いだ!」と言って寝返りを打つ。
それは涙が出てきちゃうから。
「きつねの話はなんで悲しいんだ!」と怒る彼。
そんな日々がよみがえってきた。
もう30年が経つ。

今回出会った「きつねのかみさま」
私はその文章のリズムに吸い込まれた。
これを読んで、ブログでリズムのある文章修業をしようと決心したくらい。

お話のあらすじ

ある日、りえちゃんは公園になわとびを忘れてきたことを思い出す。
弟のけんちゃんと一緒に公園へ。
でもなわとびはない。
そこに風が。
それにのって、子どもたちの笑い声が聞こえてきた。
そっと隠れてみていると
「おおなみ こなみ ぐるっとまわって きつねのめ」
え、ねこのめじゃないの?
そう、きつねの子が10匹、大なわとびをしていた。
でも、おおきなしっぽがひっかかってうまくいかない。
きつねの子にみつかってしまったりえちゃんは、
しっぽを上手に体につけてとぶ方法を伝授。
こぎつねはすぐにマスターしていっぱいとべるように。
夕方になった。
ふとみると、なわとびの把手に「りえ」の文字が。
あ、あたしのと思ったりえちゃん、
でもかわいいこぎつねが「これ、わたしの」という。
そのこぎつねの名前もりえちゃん。
こぎつねのりえちゃんは
きつねのかみさまにお祈りしたら、
このなわとびが公園の木に引っかかっていたという。
弟のけんちゃん、それをきいて、
「これ、おねえちゃんの」と言いかけるが、止めるりえちゃん。
「おねえちゃんはきつねのかみさま」だねとにっこりしながら家路につく姉弟。

幼稚園の年長と年少の姉弟というところだろうか。
その年代の心もちが生き生きと描かれている。

幼稚園や保育園の5歳児はほんとうに「おとな」と思うことがある。
自己犠牲なんて言うとちょっぴりおおげさかな。
でも、自分以外の人の喜びを自分の喜びと感じる感性が芽生えるとき。
りえちゃんは弟のけんちゃんが「あれはおねえちゃんの・・・」といいかけたとき
その口をふさいだ。きつねのりえちゃんの嬉しそうな顔がそうさせたのだ・・・。

それと、なんでもおねえちゃんについていきたい、
この年齢の下の子の心性もユーモアたっぷりに描かれている。

あまんきみこさんは1931年生まれ。
これを出版されたのは2003年だから72歳のときということになる。
この文章の感性はひょっとしたらその年齢にあるのかもしれない。

それからもうひとつ。
この酒井駒子さんの挿絵のシックさと温かさ。
この文章から、子どもの柔らかさと、キツネたちの無邪気さを感じとり、
こういう絵にしてしまうなんて・・・。
でも、これが絵本の醍醐味かもしれない。






















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