徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

やきいもするぞ、えいえいブー -「おなら」絵本は幼稚園実習の禁断の木の実??-

2016-04-21 23:38:16 | 絵本・児童書 今日の一冊
平日朝、7時半。
階下からウルトラマン1号TP、2号KJが
「おはよう!」って元気よくやってくる。
KJは、そのあとすぐに父親と保育園へ。
母親は7時10分に既に出勤している。

TPは1年生。
そのまま8時の登校時間まで2階で過ごす。

2階の住人のムサシ・ザ・キャットにも
ちょっぴりこわごわ挨拶をする。
ムサシも彼らが上がってくる頃には
テーブル下の椅子の上に隠れてじっとしている。

このムサシとウルトラマンたちの同居生活の顛末は、
また別の機会に譲ることにするが、
同居して1か月半、なんとか両者、
落としどころを見つけて生活している。

挨拶が終わると、しばしソファを使っての体育の時間。
ジャンプや渡り歩きがとっても上手になった・・・。
ソファもへこんだ。
でも、それ以上にウルトラマンがウルトラマンらしくなった。
嬉しい。

そして、それが終わると絵本タイム。
このところのブーム。
今はまっているのは、この一冊。

おくはらゆめ作・絵「やきいもするぞ」(ゴブリン書房)

ちょっと季節外れだけれど、
内容は動物たちとおいもの神様の焼き芋大会、
いえ「おなら大会」。
ここがミソ。
TPもKJもこの絵本が大好きで大好きで、いつも大笑い。
特にTPとはこの絵本を掛け合いで読む。
それが何とも心地よい。
これって子どもと一緒に絵本を読む醍醐味。

この日、私は自分の授業でこの絵本を使いたいなって思っていた。
「ねえ、TP、この絵本をお姉さんたちに読んでみようと思うんだ」(私)
「えっ、これはいい本だよ!お姉さんたちに読んであげて!」(TP)
と言うなり、TPはさっさとこの絵本を私の通勤バッグに突っ込んだ。
「きっと面白いよ!」(TP)とニコニコしている。

時は巡って授業のとき。
本題の前に絵本を読むことに決めている私は、
今日のコレクションに学生たちが
どう反応するか、とても楽しみだった。

朝のTPとの選書の顛末を話し、いよいよ開始!

ところが、ところが・・・。
この本を読み始めてから読み終わるまで「シーーーーーン」。
いっ、いっ、いったい、どういうこと???
読み終わって、彼女たちの顔を見ると、笑いたいのをこらえている!

実は彼女たち、秋に幼稚園への教育実習を控えている。
いやー、実習は秋だし、子どもたちと楽しむのにはぴったりなのにな、
と考えたのは私だけか。

だが待てよ、もしかして・・・・。

で、学生たちに聞いてみた。
「この絵本、実習中に読んでみたい?」って。

そしたら、読みたいと言ったのは
1クラス50人中数人。
あるクラスは皆無だった。

「なんで読みたくないの?」って聞いてみたら、
口々に「実習中はちょっと・・ね」という。
「何がちょっとね、なの?
もしかして、『おなら』っていうのが下ネタだから?」(私)

「ええ、まあ、そうです」(学生)
「それに、面白すぎて、帰りの会なんかで読んだら、
もう、クラス中の収拾がつかなくなるんじゃないかって・・・」(学生)

なるほどー、彼女たちは教育実習では
いわゆる「先生」にならなくちゃって思っているんだ。

学生たちに「先生」っていうイメージを聞くと、
善悪をしっかり子どもに伝える人、
あるいは「けじめ」とか「めりはり」のあることを
子どもに教える人だって返ってくることが多い。
そして子どもたちを集団としてまとめなきゃって。
このイメージは毎年判で押したように同じだ。

「面白い」とか「楽しい」っていうことは
教育の対極にあるように考えているのかな。

だから「笑い」を誘うことが予想されるこの絵本は
彼女たちにとって実習では禁断の木の実となるのだ。

でも、彼女たちが出会うのは3歳児から5歳児。
「うんち」「オシッコ」「おなら」なんて言う言葉を連発する時期。
そこで眉を顰めるか、一緒に笑いころげるかで
子どもとの距離が違ってくる。

この距離が縮まらないことには、
子どもと心を通わすことなんて夢のまた夢って。
子どもたちが心開いてくれなければ、何も始まらない。

だから私の勝負は、彼女たちのこのイメージを
剥がすことができるかどうかにかかっている。

が、これがどうして、なかなか難しい。
私の絵本読みの場面で彼女たちが「しーーん」としたのは
まだ、私の前で大声で笑えるような関係ができていないということ。

彼女たちのことをああだこうだ言う前に、
まずはここから始めなきゃ。
「子どもって面白い!」って思えるネタをいっぱい
用意しなくっちゃと反省満載の授業の一コマなのでした。(つづく)



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