徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

江戸琳派の旗手「鈴木其一展」から

2016-10-10 18:03:24 | 美術展から
三連休2日目。
秋晴れを期待したが、
この日も朝は雨。
それも午前中はかなり強かった。

10時開館のサントリー美術館に行く予定だったが、
余りの雨脚の強さに少々怯み、
午後、雨が上がったら行こうということに。


 鈴木其一展 サントリー美術館
 
楽しみに楽しみにしていたので、
天気の回復を待った。
幸い、天気予報通り昼には上がった。

この日、午前中雨だから、入館者は少ないだろう・・・、
というのは甘かった。

かなりの込み具合。
やっぱり、朝一番で入館しなければだめか・・、
と、意気消沈しかかったが、
それはそれとして、
やっぱり鈴木其一は江戸琳派の旗手と
言われることに納得。


 夏秋渓流図屏風(根津美術館蔵)

見た瞬間、面白いと思った。
何がかというと、木の幹に生えた苔。
これが、信じられないほど丁寧にいくつも描かれていた。
これってどういうことなんだろうと思った。
その苔が動き出しそうだった。

それから渓流。
素人考えだが、ちょっと錦絵風のデザイン。
にもかかわらずというか、
その水音が聞こえてくるようなリアルさがある。
デザイン的でいて、リアル。
現実と超現実が入り乱れているのに、
何かすっきり収まる。
それにやはり今回も、
私はこの藍色と碧に惹かれた。

そしてこれ、

 朝顔図屏風(メトロポリタン美術館蔵)

初めてみた。
すごい。

 朝顔図屏風の朝顔

私は、ここでは朝顔の「白」に惹かれた。
「白」が至る所で光彩を放っている。
こんな表現あるんだなって。

同じ琳派の尾形光琳による「燕子花図」に
雰囲気はとても似ている。
でも光琳の「燕子花図」には「白」がない。
そこに其一の斬新さを垣間見たように思う。

斬新さと言えば、今回の展示で
其一の画業が一色にとどまらないことを知った。
才人というべきかもしれないなとも思った。

もう一つのはじめて。
其一による「風神雷神」。

 風神雷神図襖(東京富士美術館蔵)


 風神雷神図襖(東京富士美術館蔵)

琳派ではおなじみの「風神雷神図」
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一のものがよく知られている。
その三点が揃うというので、
昨年は京都国立博物館まで追っかけをした。
混み混みの押し合いへし合いの人混みの中でみた。

その三点と、其一のものは趣が全く異なる。
其一の風神雷神には金箔はない。
むしろ墨絵風の風神雷神図であった。
襖絵ということもあるのか、
空間がゆったりとられていた。
その雲の動きが面白い。
と、そんな特徴をもつように思えた。

琳派はもともとは私淑の系譜で、
この「風神雷神」もそんな形で描き継がれてきている。
ただし、其一だけは酒井抱一の直弟子である。
これは琳派としては異例のことだ。

直接の師匠はいながらも、
其一はむしろそこから飛び出ている。
それが彼が彼たる所以。

継承とそこからの飛翔。
そんなことをほんのちょっぴり考えてしまったひと時でした。

それにしても朝顔のあの白。
今でも頭から離れないのは何故??

で、またもう一度観に行くと
決心したのでありました。















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1 コメント

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Unknown (ururu)
2016-10-13 19:30:30
「鈴木其一」って、知らなかったんですが・・・
アサガオで「アッ!」と思いました。
NHKの日曜美術館で紹介されていませんでした?
この深い藍色・・・(凄いな・・・)って、とても印象的でした♪
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