今日はオイル話題です。
ベビーマッサージをはじめ、ホームケアにオイルを使って下さる方が増えてきて、「どんなオイルがいいの?」というご質問もいただくようになりました。
なのでオイルとは何かっていうことをお伝えしたいと思います。
上質なオイルは、たいてい食べることもでき、皮膚に塗ることもできます。
ここで、私がオイルを使い始めた頃に抱いた素朴な疑問なのですが、食料品としてスーパーに売られているオイルは、500mlとか1000mlとかなかりの量を買い求めても、高くて1,000円程度。安いものなら398円とかもあるし…。
でもマッサージ用のキャリアオイルとか化粧用オイルは、最低ランクでも50mlで1,000円以上していて(実際1,000円で探すのは難しい
)この価格差はいったい何がどう違うのかと思いました。
ゆえに食用オイルとマッサージオイルは全く別物だと思えてしまいます。
オイルの製造過程について紐解いていくうちに、この価格差の謎がだんだん見えてきました。
「オイル」とは、そもそも何から出来ているかというと、植物の種子や実(ナッツや果実)から絞り取った液体のことです。
それ以外には、例えばバターやラードといった動物性の油脂や、鉱物油などがあります。こちらはアロマテラピーやオイルテラピーでは使いません。
まずは、食料品として普段スーパーで買い求めている植物油がどのようにして作られているかといいますと・・・。
①木の実や種子などの原材料をふるい機にかけて、大きな石や茎など余計なものを取り除く
②空気を噴射して、さらに小石や砂を取り除く
③破砕機や粉砕機にかけ、表面積の露出を増やす
④蒸気で蒸してプレスする(オイルが搾られるということ)
⑤ろ過する
こうして出来たものが粗油と呼ばれ、食品用や化学薬品用の材料として次の加工業者に回っていきます。
平たくいうと、油分を含む木の実などを砕いて、蒸して、油を絞り出すということです。
が、しかし、しかし
これだけでは終らない。
大量生産と品質安定の目的で、その過程には頻繁な加熱、薬物の添加が入ってきます。
例えば…
・漂白剤を加えて色を均一にする
・その後、オイルらしい雰囲気を出す?ためにベータカロテンなどの色素を加える
・味と匂いを除去する(高熱などで天然成分も除去される)
・酸化防止剤を添加して保存期間を高める
・精製過程で破壊されたビタミンやミネラルを加える
・採油量を高めるために石油系溶剤などを使う またそれを除去する でも少しは残留する
・油に苦味や腐蝕性をあたえる遊離脂肪酸を除去する
・低温で濁ったり固まったりする天然ワックス成分を除去する
・・・・なんのこっちゃ、よくわかりませんが、とにかく色々と加えたり除いたりしてあるということで、本来の木の実や種子の栄養はおそらく皆無と思われます。
こうして出来たオイルは、「純正○○油」とか「天然○○油」という名称で店頭に並んでおります。
そんな難しいことをしなくてもただ絞っただけではだめなんけ?と言いたくなります。が、それでは、採れる量が少なかったり、保存が利かなかったり、小規模な工場で手仕事だったりして、とても大量生産で低コストなものがつくれるわけがありません。
だから、工業的に作られたオイルは、決してマッサージには使うべきではありません。栄養のかけらもないし、化学的な添加物が心配ですから。
スーパーで売られているゴマ油やグレープシード油などをベビーマッサージに使っているという話を耳にしたことがありますが、よほどグレードの高いオーガニックなものとかでない限りは、あまり真似したくないです。
もちろん食用としても、いいとは言えません。
ただ、だめだよ
といってしまうと、加工食品、外食、給食、家庭での一般的な揚げ物や炒め物に至るまで、ぜんぶダメってことになるので、それは現実問題すご~く難しいことですよね
私には出来ないです…
というわけで、せめてマッサージに使用するオイル、それから家庭料理に使うオイルだけは、ある程度いいものを、と考える次第です。
本来、オイルというものは人間の体内では作れない栄養を届けてくれる意味でも不可欠なものなのですが(油断大敵という言葉があるように)、大量生産された粗悪なオイルの摂取によって、アトピーやその他諸々の病気も引き起こしているのではないかなぁと私は思います。
次回は、ロハスな方法で作られるレアなオイルの工程について書く予定です。
参考文献
「アロマテラピーとマッサージのためのキャリアオイル事典」東京堂出版
(ふなかわ)