齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

漆喰壁の修復(前編)

2018年12月10日 | その他
この記事は冗長で読みづらく
申し訳ありません。
寺院における台風被害の修繕について、
勝手な思い込みで失礼ながらも、
同様の腐心をされるご同輩も居られるかと存じ、
経験不足で浅知恵住職の逡巡を記載しました。

宜しければご覧ください。


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大庫裡 玄関脇 
漆喰壁剥落の修復について
弊寺における顛末(前編)

2018(平成30)年9月4日から5日未明にかけて
来襲した台風21号

夜が明け早々に、台風被害を確認するため
境内に出たところ、
本堂屋根瓦の剥離・飛散もあったのですが、
最初に目に入ったのが
大庫裡の玄関脇の白壁(漆喰壁)の剥落でした。

剥落の被害(アップ)



剥落の被害(大庫裡 玄関脇 前景)


予てより雨雪が吹き付ける場所なので
気にはしていたところでありましたが
剥落の酷さに大変驚きました。

すぐさま、門前池に錦鯉を放流頂いているご縁から
日ごろ壁工事関係をお願いしている
井村工業様(彦根市楡町)を訪問し、
写真を見て頂き、来寺をお願いしました。

しかし、
1)玄関脇には漆喰壁が大小七区画あり、
剥落の一区画のみを塗り直し修繕するのも
全体のバランスがとれないし、
2)他の区画も剥落とまではいかないものの
壁下部が浮き上がる箇所も発生している。
ということで、
雨雪への対策として、立ち上がり部には
腰板を張ったらどうか
というご意見も役員様から出ました。

一方、沈思するに、
ア)他の御寺院様での腰板仕様は
あまり見かけないし、
イ)腰板を張るとすると
腰板の高さや形状などをどうすれば良いか
ウ)凡そ想定、築三百五十年程の大庫裡にふさわしい
壁修復はどうすれば良いか
エ)腰板方式の場合、大工さんと左官さんの
コラボをどうするのか
オ)このような課題に適切に助言を頂けるような
見積もりを貰うだけでない大工さんはおられるのか
などなどの課題が多くあり、
判断を悩むところでありました。

そうした課題解決について悶々と悩む日々が経つ中、
安土・摠見寺のご住職が別用で来寺され、
上記の事柄について少し立ち話をさせて頂きました。

早速、摠見寺ご住職のお口利きで
「安土山保勝会」様(摠見寺内に事務所設置)から
保勝会様のボランティアの日曜大工さん???
--本当は宮大工で棟梁をしておられる方--の
「喜多文男」様が来寺頂き、お知恵を借りる中、
「この立派な?庫裡にふさわしい腰板を張ってあげよう」と
仰って頂き、住職対応が遅きに失した感もありましたが、
役員会に諮り直ぐに着手して頂く事になりました。

喜多様の言によれば、
早く仕上げるには、日曜大工だけではダメなので
土曜大工?平日大工?をして作業頂いたとの事ですが、
写真のような手の込んだ、風格ある、
柿渋古色塗 吉野檜材 鎧張り腰板を張って頂きました。

壁塗りはこれからです。
鎧張り腰板のみの完成写真ですが
ご覧ください。









昨日(12月9日)、左官さんの井村様ご多忙の中、来寺頂き
大工さんの喜多様と
壁仕上げと雨切りの仕舞いについて
仔細に打ち合わせをして頂きました。

後は、左官さんの塗りを待つのみです。

塗りが完成すれば(後編)ご報告致します。




鳰戸(におうど 門前池泉)のポンプ工事完了

2018年12月10日 | その他
齢仙寺門前の池は古来から
「鳰戸(におうど)」
と呼ばれてきました。

その池は因果関係は証明できませんが、
永源寺ダムが完成以来、地下水脈?
愛知川の伏流水の水位低下?により
門前池泉の「鳰戸」は水が自噴しなくなり
結果、齢仙寺の寺名にも関係する(※1)
大切な池であることから
水槽化工事を行い現在に至っておりました。

その為、地下水をポンプアップして
池水を供給してきました。

そのメインポンプが故障しましたので、
役員各位の尽力によりポンプ交換を
試み、本日(20181209)完工しました。

役員の方々、ありがとうございました。








※1
齢仙寺(れいせんじ)はもともと「霊泉寺(れいせんじ)」という
呼称・表記でありました。

開山の拙山和尚(彦根 江國寺)の夢見に観世音菩薩が
出て来られ、池の中の小さな祠に祀られているので
正しくお祀りをして欲しいとのことで、
中山道を下ってこの地に杖を留められたとの
由緒があり、その池、門前の池が
「鳰戸(におうど)と呼ばれた霊泉(れいせん)」であったことから
寺名を霊泉寺と名付けたということであります。

寺名を改めたことについては別にご説明をします。
しばらく、お時間をください。