齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

滴水滴凍(てきすい てきとう)

2018年12月05日 | 今月の言葉
地震、豪雨、台風などで
亡くなられた方々のご冥福を祈り、、
被災された方々におかれましては
年の瀬を迎え、
一日も早い復興を願っております。



ご来訪ありがとうございます。

早や師走を迎えてしまいました。
一年があっという間に
過ぎ去ってしまいました。

ある方に教えて頂いたのですが、
歳月の過ぎる速さの実感は
年齢を時速に置き換えると
分かりやすいという事でした。
三歳の童は時速3キロ、
八十歳の高齢者は時速80キロで
歳月が過ぎ去るという風にです。

一年を振り返ると反省する事しきりで。
繰り言ばかりになります。

そんな中、今月の言葉は
「滴水滴凍(てきすい てきとう)です。
ご高覧頂ければ幸いです。

なお、愚僧のしたり顔のひねくり回した説明より
端的にご理解頂けるのではないかと思い、
文中に、仏教詩人坂村真民さんの詩を
引用させて頂きました。

著作権上、ご指摘を受ければ
直ちにお詫びし、
削除・訂正をさせて頂きます。

※20181210加筆です。
坂村真民記念館館長 西澤孝一様から
12月7日に使用許可を頂きました。
また、コメントまで付けて頂いて
恐縮しております。




今月の言葉
滴水滴凍(てきすい てきとう)

昨今の暖冬ではなかなか想像し難いシーンであるが「極寒の時節に一滴、一滴の水が滴(したた)り落ち、すぐ様(さま)、凍(い)てついて氷となる。」と云うのがこの語の直接的な意味である。

ここから、自分を取り巻く心象は一瞬一瞬変化しており、清濁、美醜、好悪も全てそのまま「こだわり」無く受け入れると云う「お悟りの境地」を表わした言葉と云われるが、そこから展開し一瞬一瞬変化する「生」を大切に生き切れ、何事にも三昧専一(ざんまい せんいつ)であれ、と示す言葉とも云われる。

一遍上人の生き方に共感されたという、仏教詩人坂村真民さんの「今」と云う詩がある。



大切なのは
かつてでもなく
これからでもない
一呼吸
一呼吸の
今である。


懈怠の比丘には重たい言葉である。

お知らせ
十二月八日
午後一時 齢仙寺 成道会
了後 法話会 池田織隆師(堺市 永元寺)

十二月三十一日 午後十一時四十五分
除夜の鐘

平成三十戊戌師走