今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

グッドナイト&グッドラック

2006年05月03日 | 映画&本&音楽&TV
都心では六本木ヒルズとお台場のシネマメディアージュで公開中。1時間30分強と、最近では短い映画の部類に入るかもしれません。

映画の中の男性は殿方と呼びたくなるようなダンディさ。短い髪を七三に分け、白いシャツに細めのネクタイ。いたるところでタバコを取り出し、紫煙をくゆらす。

1953年10月、CBSのキャスター、エド・マローは小さな事件をきっかけに、反共のマッカーシー上院議員との闘いに踏み切ります。もちろん経営陣とスポンサーは反対ですが、この時点ではまだ小さな問題でした。

翌年、マッカーシーが番組でマローに反論。このあたりからマッカーシズムは徐々に終息へと向かいます。マローの「シー・イット・ナウ」は人気のクイズ番組に押され1958年に終了しますが、彼のジャーナリスト魂は燃え続け、放送業界を痛烈に批判し、未来を憂え、内部告発とも言えるスピーチを残し1年間の休暇に入ります。

映画ではマローの私生活などは一切描かれず、ほとんどスタジオの場面。唯一プライベートな場面が出てくるのは同僚のワーシュバ夫妻のエピソード。2人は社内結婚をしていたのですが、この時代では秘密にしておかなくてはいけなかったらしい。みんな知ってるけど、知らないフリをしていてくれます。

『リターン・オブ・ザ・キラートマト』という伝説の超駄作映画に出ていたジョージ・クルーニーは、今や押しも押されもせぬ大俳優、プロデューサー、そして監督にまで上り詰めました。
テレビドラマ『ER』の第1回で伯母のローズマリー・クルーニー(ボケ老人の役)と共演しています。お父さんはテレビのニュースキャスターだったそうで、この『グッドナイト&グッドラック』は父とマロー氏に捧げる映画なのだそうです。