今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

大統領の理髪師

2005年08月10日 | 映画&本&音楽&TV
水曜日です。レディースデイですが、本日は名画座へ行って来ました。レディースデイの特典はなしですが、週刊ぴあを持っていったので200円割引になりました。
飯田橋ギンレイは常に2本立て。ここはシネマパスポートというのがあり、個人だと10500円で1年間映画見放題。18900円でペアパスポート。5人で利用できる31500円のグループカードがあります。つまり今日は時間がなくて1本しか観られなくても明日また来ようというのができるのです。

私の目的は韓国映画『大統領の理髪師』ですが、最初は『故郷の香り』からでした。こちらは香川照之が出ている中国映画というぐらいの認識はありました。香川照之はヤーバという耳と口が不自由な男性の役なので中国語の心配はなかったようです。すみません。この映画のときは6割寝てました。いえ、観るつもりだったんですよぉ。でも始まる前におにぎりを2個食べたら眠くなっちゃったんですぅ。

さて『大統領の理髪師』。これは日比谷・有楽町地区では上映館がなく、渋谷まで観に行くチャンスがないまま見送っていました。だから絶対観たかった。
大統領官邸のお膝元、孝子洞(ヒョジャドン)で理髪店を営むハンモを父に持つナガンの語り口で物語が進みます。
私たち(私だけ?)があまり知らない1960年代~1970年代の韓国軍政下時代の話で、たまたま大統領のお抱え理髪師になった平凡な男を通して、その時代が庶民にとってどんな時代であったかを描いています。

1968年に起きた北朝鮮武装ゲリラ事件が発端になり、理髪師の息子ナガンは8歳にして中央情報部で拷問を受ける破目になります。ここらへんのきっかけが「下痢」というのがホンマかいな?と思わせるのですが、ソウルに侵入したゲリラたちが下痢をしていたことから、下痢をしている者はゲリラ(あ~ややこしい)に接触したに違いないと思われたらしいです。

ナガンはしばらくして家に戻されるのですが、脚が立たなくなっていました。父のハンモは鍼の治療師やら漢方医を訪ね歩き治療を試みるのですが、一向によくなりません。最後の老医を訪ねた時、ある予言を聞きましたが本気にせず長い旅を終え家に戻るのです。

それから10年以上も経った1979年に大統領が側近に射殺されるという事件がおこります。ここらへんまで来てもまだ私には「そんな事件あったっけ?」というぐらいの認識しかありませんでしたねぇ。韓国ってその当時はまだまだ遠い国でした。(これは1979年10月26日のパク・チョンヒ大統領射殺事件のことです)

ハンモは老医の予言を思い出し、大統領の肖像の目の部分を削り、菊のお茶と一緒にナガンに飲ませると脚が動くようになりました。ここらへんはおとぎ話みたい。
ラストは成長したナガンと年老いた父ハンモが自転車で並んで走るシーン。平和のありがたさ、家族と一緒であることの幸せをシミジミ感じる場面でした。

飯田橋ギンレイホール ⇒ http://www.cam.hi-ho.ne.jp/ginrei/

大統領の理髪師 ⇒ http://www.albatros-film.com/movie/barber/