元インドネシア代表監督、スリランカ代表監督(野中寿人- 66番の部屋)

インドネシア野球、アジア途上国の野球、国際大会、日本のアマチュア野球、プロ野球情報、日大三高時代の面白エピソードを発信

外国人監督・・・の2つの眼

2011年11月14日 12時25分42秒 | 66番の思想
「日本人として日本国を基準とした眼から見たアジアの野球」
「日本人であるがアセアン諸国の中に身を置く日本人の眼として見たアジアの野球」
これが、「2つの眼」の意味です。

後者の「アセアン諸国の中に身を置く日本人の眼としてアジアの野球」で、物事を見て行った場合、数々の疑問が浮上してきます。

これは、先の「AAAアジア選手権大会」の項でも記しましたが「外国人監督・・・の?」シリーズなので、再度、簡単に取り扱ってみます。

野球において、アジアを代表する国は世界に君臨すると言っても決して過言では無く、
先の「WBC」を見ても、日本代表、並びに韓国代表は、アジア圏からの2つの選出枠にてWBCに出場した国の代表チームです。そして、このアジアから代表した2国の代表チームが、世界の1位、2位に君臨しているという素晴らしい事実があります。

しかし、アジアの代表と言っても、実際には「日本、韓国、台湾、中国」の4カ国の代表と言う解釈のほうが当てはまってしまいます。何故なら、この4カ国に対して、アセアン諸国のレベルがあまりにも低すぎるからです。

正直な話し、アセアン諸国から見た「WBC」や、以前の「オリンピック」は「無関係な大会」と捉えてしまいます。

そう・・・我々野球後進国には関係の無い「異次元の祭典」なのです。

この現状を見て、日本や韓国などは、どう思っているのでしょうか??
間違っても「アセアン諸国のチームのレベルが低すぎるからしょうがない」などと言う言葉は聞きたくないですね。この言葉が出ること事態、思考性が終わっています(呆笑)

アジアの野球向上においてその全体を考えるならば、アセアン諸国に対しての援助が急務になると判断しています。こと、日本においては、この底上げに対して、1番に手を差し伸べなければならない国なのです。

日本代表という国の代表ナショナルチームが動く場合、その名称だけで何十億と言う莫大な資金が集まります。一方、その国の代表ナショナルチームが動けば動くほどマイナス計上にて資金が流失するアセアン諸国の事情を比較して考えて頂ければ話は早いと思います。

日本で生まれて日本で育ち、その成長過程の中で、日本で野球を学んだからこそ世界に君臨出来るような選手が誕生する訳であり、仮に、その立場が逆転した場合を考えた場合にはどうでしょう?
一口に生まれた国が悪かったから、で終わらせることが出来るのでしょうか?

では、立場の逆転が考えられないのであれば、日本球界を代表する「ダルビッシュ有」などが仮に母国で育っていたら、また、先のタイ代表ナショナルチームの白倉キャサダーが母国で育っていたら、今の彼達の地位や活躍はあったでしょうか?

答えは簡単です・・・高い確率で無かったでしょう。

大きな意味でアジア全体を1つを組織や企業と見た場合に、ピラミッド型を形成する上層部分には日本をはじめとするアジアの4国がある訳ですが、この上層部は果たしてピラミッドの中層部から下層部に位置するアセアン諸国の事情をどこまで把握しているのでしょうか?
非常に大きな疑問が浮上してしまいます。

「どのような問題点を抱えているのか?」
「何を持ってして解決策となるのか?」

要は、世界1位に君臨する日本野球は、アセアン諸国へ手を差し伸べなければ、真の「アジアの代表」、「アジアの顔」とは言えないのです。また、言う資格も無いものと判断します。この部分については節に声を大にして叫ばせてもらいます。



こと、身体能力と言う部分において日本人と比較した場合、日本人よりも優れている
選手が多いのも事実なのである。現在の日本球界にとっても埋もれた人材をも発掘する大きな意味をも含むアセアン諸国に、眼を向けなくてはならない時期が来ています。

オリンピックで野球競技が無くなった・・・
これは、1つの時代が終わったと言うことを意味しています。

裾野の拡大と底辺の基礎の構築や向上をしなければ、野球そのものが1部の発展国のみで行なわれるスポーツにもなりかねない危機を迎えていると言うことです・・・

だからこそ、アセアン諸国を引き上げに連動するのです。

そして、アセアン諸国からお願いを言わせてもらえば、手を差し伸べて貰いたい要因は只一つ、単刀直入に言って、その運営資金の援助に尽きます。

俗に言う、短期的なマンパワーの援助は、正直、あればこしたことはないですが、短期的なものでは、さほど大きな効力を示さないと共に、派遣されて来る人材の野球理論が相異する場合などを考えた場合、現地の野球界に迷因を招く場合も多いのが正直な話しなのです。
{野球の経験者だから良いであろう}などと言う簡単な話ではありません。
この部分を的確に対応してもらわなければ簡易的なマンパワーによる支援の必要性は薄いのです。

したがって、「手を差し伸べる」と言う解釈について勘違いしないで下さい。

仮に、このままアセアン諸国への援助がままならなのであれば、はっきりとアジアとアセアンを分けて対処する方法も考えなくてはならないでしょう・・・?
組織的な部分も含め、国際大会の線引きは必要です。
すなわち、アジアでの大会とアセアンでの大会を鮮明に切り離した大会も必要になるでしょう。

考えて見てください。プロ選手で構成する国の代表チームに対して、アマチュア選手で構成の国の代表チームが戦っても、勝つ要素は何もありません。正直、プロ選手構成側の代表チームからしても利点は無いです。逆に、嫌でしょう・・・(大笑)

アセアン諸国の中でも日本人が関与している国が多く存在します。
タイ、ミャンマー、シンガポール、スリランカ、ネパール、フィリピン、マレーシア、ベトナム、そしてインドネシア・・・ざっと見ても9カ国はあるのです。

そして、関与している日本人は皆、必ず「2つの眼」を持っています。更に、この「2つの眼」でアジアの野球を鋭く見ているのです・・・
良い点も、悪い点も・・・
特に日本の野球界については、非常にシビアに見ています。

今後、更に、この2つの眼を持つ外国人監督やスタッフが多くなって行くでしょう。
何処かの時点で、何かを持ってして、起こさなくてはいけません。

アセアン諸国の中に居る日本人の眼としてアジアの野球を見る日本人が、それぞれの国で、苦い思いをし、苦い泥を飲みながら頑張っているからこそ、アジア野球の底上げに繋がっているのです。

日本の野球界は、この様な事実を正面から見つめ直すべきであり、野球発展の未来性を見据えられるリーダーの出現を望む次第です



 外国人監督の「3」の方程式に続く)
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« インドネシア代表男子ソフト... | TOP | 第26回 アジアンSEAゲー... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。