そして、ボクはクスリを投薬され、ずっとぼんやりとしたままで、
眠るように毎日を過ごしていっただから、そのあたりのことは
あまり記憶に無いんだ
頭の中の真っ白になった空白の部分は、毎日、ミカが少しづつ埋めていってくれた
そうしてボクはボクに戻っていった、そして、いよいよミカと家に戻ったんだ
これで何もかもうまくゆくと思っていたさ、でもね、頭を打っていたし、クスリの副作用も
あったのかもしれない
ボクは少し別人のようになっていた
そのせいで、二人の間には小さな諍いが多くなっていった
日々の暮らしは元通りなはずなのに二人は元通りではなかった
ボクは日毎に精神的にまいっていた
ボクがまいるぐらいだから
ミカはもっと辛かったんだろう
ある日、ボクたちはまた、なんでもないことで喧嘩をした
たぶん・・そこが、限界だったんだろう・・・
ミカは泣きながら「なこ、ごめんね、あたし、もうだめかも」
出て行ってしまった まるで予告された結末のようだった
何故だろう、ボクはその時、ミカを探すことはしなかった
いつまで待っても、もう、
ミカは帰ってこなかった
なんとなくボクはそれが、わかっていた気がしていた
ミカのいない、日々、自分の半分を失ったような時間が
欠けたまま、のろのろと過ぎて行った
耐えられないな、っておもった