Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
輪行サイクリングと
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保田見林道はきつかった…みみ爺一人旅         2016年2月28日 日曜日

2016-03-06 11:22:36 | サイクリング・自転車旅
 今年になって初めての輪行だよ。
 朝の気温は3℃、しかし日中は14℃ほどまで上がるという予報だ。ちと寒いが天気は上々。
 上総湊の駅を出発するときは、日差しにも温もりがあったよ。嬉しいねえ、青空だ。
 近くにいた若者に写してもらったんだ。
          


 いつものようにまずコンビニへ向かったよ。水とアンパンを仕入れにね。
 走りだすとすぐに、ハンドルに小さなガタがあるのに気がついた。締め方が少し甘かったんだろうね。
 コンビニに立ち寄ったついでに、ハンドルを引き抜いてヘッドを締め直した。時間をとられてしまったが、今日はそれほどの距離を走るわけでもないので大丈夫だろう。しかし、時間は既に10時に近い。あまりのんびりもしていられないね。



 これからどんな道が待っているのか。今が一番ワクワクするときだ。寒さは感じない。ペダルも軽いよ。



 国道465号へ出て、東へ500メートルほど走ったところにある丹後橋で湊川を渡り、未舗装のたんぼ道を進む。景色はまだまだ枯れ草色だよ。
          


 地図の上では国道465号と並行して走る一般道を東へ向かう。房総半島はアップダウンが多いね。
                         


 県道182号、通称もみじロードを通り越し、静かな道を行く。風が気持ちいい。
          


 遠く鹿野山の山並みが見える。のどかな眺めだね。



 上り坂の手前にある橋は新環橋という。川は志駒川だよ。車もほとんど通らない。最高だね。
          


 関尻というところから、湊川に沿った県道88号を南へと進む。相変わらず車は少ないよ。日曜日だからもっと車が多いかと思っていたよ。



 早春の日差しを浴びて、ペダルは軽快に回る。
 満開の桜、頼朝桜(河津桜)というのだろう、沿道の所々に見られる。鮮やかな黄色い菜の花も。
          

                         


 湊川を渡る橋の上から、左手に滝が落ちているのが見える。水の落ちる音もはっきりと聞こえてくるよ。橋の名前は瀧見橋という。なるほど。



 う~ん、青空をバックに満開の桜だ。



 前方の橋は豊岡橋だよ。じき戸面原ダムだ。山の姿もいいねえ。
          


 ダム湖に架かる長川橋だ。通行止めとあるが、もしかしたら自転車くらいは通れるかもしれないね。ダム湖の東を回って荒神森トンネルを潜って行きたいんだが、ダメなら戻ってこよう。
                         


 橋の上からの眺めだ。静かな湖に釣り糸を垂れている。今日は最高の釣り日和だろう。
          


 あれまっ、こりゃだめだね。すごい崩落だ。道が完全に消えているよ。…残念だね。



 再び県道へ戻り、すこし先の上郷橋を渡って行くことにした。
 さっきの長川橋と似たような鉄橋だね。この橋を渡って松節林道へ行くよ。
          

                         


 ここが林道の起点だ。どんな林道だろうね。
          


 う~ん、いい雰囲気だよ。





 ヤギさんが一匹、じっとこっちを見ているよ。数軒の民家があるきりの小さな集落だ。ここが松節という集落だね。
          

                         


 すぐその先で舗装が切れた。松節林道の終点だ。ここから大山・横尾林道に合流するよ。
          

                         


 おおっ、いきなり道が荒れ始めたよ。





 遠くに見えるのは嶺岡中央林道のある山並みだろうか。初めての輪行旅が、あの嶺岡中央林道だったんだ。
          


 大山・横尾林道は左だ。右は山中林道だ。
                         


 大山・横尾林道を長狭街道へ下るつもりだったが、うっかりこの分岐を右へ行ってしまったんだよ。少し行ったところですぐに変だと気がついた。引き返そうと思ったとき、オートバイの一団が山中林道を下ってきたんだ。それはそれはものすごい一団だったよ。何十台続いて来たことだろう。次から次と現れては去り現れては去り、すさまじい爆音を響かせ、石ころを跳ね飛ばしていった。追い払われるように狭い林道の端に身を寄せ、まったく動けなかったよ。
 オートバイの一団が去ったあとで自転車の向きを変えて、オートバイが去った方へ引き返した。オートバイの排気のにおいがまだ辺りに残っている。あ~あ、恐ろしかったね。
 先ほどの分岐まで戻って、大山・横尾林道を下って行く。
          




          


 林道終盤の急勾配の下り坂は予想していた以上だったよ。一瞬でもブレーキレバーから手を離したら最後、自転車はたちまち暴走状態になってしまう。重心をなるべく下のほうにするために、できるだけペダルに体重をのせ、お尻を思い切りサドルの後ろに引いて下って行く。
 ウオ~ッ!




 ああ、なんとか無事に急坂を抜けたよ。ここは、戸面原ダムからずっと続いている
 県道88号だ。先の信号のあるところが長狭街道の金束交差点だね。
          

                         


 長狭街道はけっこう車が走ってるよ。気を付けよう。
          


 およそ1.5キロ加茂川に沿って下り、この古びた大山橋を渡る。
                         


 あちらこちらに満開の桜が見られる。
          

                         


 大山千枚田だ。菜の花もきれいだね。季節がもう少し進んで新緑の頃になれば棚田ももっと美しいことだろう。







 棚田のはるか遠くに嶺岡中央林道の山並みが見えるよ。
          


 さあ、今度は佐久間ダムへ向かうぞ。
 再び県道88号を進み、法明・大崩線という市道を上って行くことにした。これがまた大変な急勾配の道だよ。ヨイショ、ヨイショ。
                         

          


 ここが法明というところだ。すぐそこには津森山からの山並みがある。御嶽大権現はこの近くにあるのかな。
                         


 道端にひっそりと咲くこんな桜もいいね。



 そろそろ大崩水仙郷だ。しかし、水仙の季節にはもう遅い。わずかに咲き残っている花も枯れかかって元気がない。
          

                         


 佐久間ダムは人と車でごった返していたよ。ちょうど頼朝桜祭りの時期だからね。来る時を間違えたかな。静かな山の中のダムを想像していたんだ。ここが房総一の桜の名所とは聞いていたが、まさかこれほどの人出とは思わなかったよ。駐車場へ向かう車の列にはびっくりしたし、うんざりした。

 佐久間ダムのダム湖だ。水がひどく濁っているよ。でも、調べてみるとこのダムの湖水の色はだいたいこんな感じらしい。ちょっとがっかりだね。
          

                         


 これがダム本体だね。
          

                         


 空は青いが、水の色がいまいちだよ。
          


 車の多い道を避けて、山道を行こうと思った。途中までは桜もきれいに咲いていて最高の気分だった。しかしその先の道があやしくなってきた。
                         

          


 しかたなく引き返して、金銅橋を渡り、あとからあとから追い越して行く車におびえながら長狭街道へ向かう道を上って行ったが、湯沢トンネルを抜けた先で右手の細い道へ逃げ込んだ。この道は横根峠に近い長狭街道につながっているはずだ。



 車が来ないのはいいが、恐ろしく急勾配の上り坂だ。しかも上りっぱなしで、いやになるほどどこまでも長く続くよ。途中まで頑張ったが、とうとう自転車を降りて押すことにした。押すのもけっこうきつい。大殿筋がとても痛い。



 やっとの思いで長狭街道に出たよ。やれやれ。
          


 横根峠はすぐそこだった。峠を過ぎて少し下ったところから県道182号へと進み、そのまま志駒川に沿って下って行くよ。車も来ないし、今日は静かなもみじロードだ。下り坂をガンガン飛ばす。しこたま汗をかいた身体に風がちょっと冷たい。
 公民館のところで一休みだ。
                         


 志駒川が横を流れている。流れる水の音は、疲れた体を癒してくれるようだ。



 いよいよ保田見林道の入口だ。さあ、また急勾配の始まりだよ。
          


 林道に入ってすぐに12~13パーセントの上り勾配が1キロほど続くよ。
                         

          


 たまに開けたところに出るが、景色を楽しむ余裕などほとんどない。
                         


 延々と続くように思われる急勾配だよ。
          

                         

          


 やっとピークまで上ったかと思うと、一気に下ってまた上りだ。しかも勾配のきつい上りだよ。
                         

          


 急勾配のアップダウンがいくつも続く。ああ、頑張るのはよそう。今日はもう両足がお休みしたいらしい。自転車を降りて押すことにした。しかし押すのもつらい。お尻のあたりの筋肉が痛がって泣いているよ。
                         





 鎌倉古道と書いてあるよ。こんなところにもあるんだね。
          

                         


 この景色は新緑の季節に走ったら気持ちがいいだろうなあ。
          


 ここが保田見の集落だろう。集落とはいっても、ほんの数軒の家がうずくまるように屋根を寄せ合っているだけだ。



 そろそろ道は下りになるだろう。
          


 さっきの集落の青い屋根が遠くに見えるよ。もの淋しいくらい静かな眺めだね。
                         


 小さな上りもあるが、もうほとんど下りだよ。しかし道はかなり荒れたところもある。
          

                         


 スピードを出しすぎないように気をつけよう。おっとっと、ガードレールのないところもあるぞ。
          

                         


 崩れているよ。覗いてみよう。おお怖。





 やっと一つめのトンネルだ。このトンネルが現れるとそろそろ林道も終りに近づく。ホッとすると同時に、ちょっと淋しい。



 二つ目のトンネルだ。上を見ると今にも崩れ落ちてきそうだよ。くわばら、くわばら。





 三つ目のトンネルだよ。このトンネルはちょっと長い。予備のライトも付けて通り抜けた。中はかなり荒れていたよ。壁面や天井から崩れ落ちた岩や石ころがいたるところにころがっている。石に乗り上げるとひっくり返りそうになる。



 出口はこんなふうだよ。いい雰囲気のトンネルだったね。



 山の枯れ木や枯れ草が西に傾いた弱い日を浴びている。





 ようやく林道を抜けた。いや~、きつかったねえ。
          


 さあ、相川沿いに下って行くよ。
                         




 ここが「石見堂やぐら」というところか。階段がずいぶん苔むしている。なかなかいいねえ。
          

                         


 巨大な岩を四角く掘って作った部屋の中に石仏が整然と並べられているよ。
          


 「石見堂やぐら」の上り口から数十メートル先へ行った岩壁に見つけた。学のないみみ爺にはよくわからないが、なぜかこういうものを見つけると思わず手を合わせたくなる。



 相川が湊川に合流するところにあるT字路手前にもこんな所があった。
 きっとこの一体一体の石仏たちも、過去の人々の苦しみや悲しみから生まれてきたものなんだろうね。この頃、いや、歳をとるごとに、こうした石仏たちを見ると、なぜか心がしんと静まってくるのを感じる。たぶんそれは、石仏たちの中に、必死で生きた人々の祈りや願いが見えるような気がするからなのかもしれない。…なんてね。



 湊川に架かる神田橋の上からの夕景色だ。



 ああ疲れた。…座れるといいなあ。

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10 コメント

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Unknown (IWA)
2016-03-07 12:49:02
写真が多くて素晴らしいブログですね。なつかしい風景がいくつもあります。バイクの集団とは不運でしたね。それよりも崩落個所が恐ろしいですね。また、金束の交差点そばへでる急な下り坂は本当に怖かったです。私が先頭を走っていて どんどん加速してしまうためこのまま激突して大けがをするのではないかと恐怖を感じていました。先の方の路面が塗れていたため、まずいと思って 途中でなんとか脇道に入って停止しました。心身ともにへばりました。
崩落個所もあり、林道の路面はかなり荒れていて急な登り、下りがありましたが天気も良くて無事に生還されて何よりでした。機会がありましたら今回のルートをトレースさせて頂こうかと思います。
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Unknown (みみ爺)
2016-03-07 14:23:52
 IWAさん、さっそくブログを見ていただきありがとうございます。もう少し緑が増える季節に行きたかったのですが、待ち切れずに出掛けてしまいました。
 大山林道の終盤の下りはすごかっですよね。ブレーキがあまり効かなくてどうしようかと思いましたよ。
 アップダウンが多いコースで、ホントに疲れました。
 でも、始めて走る道はいつも楽しくて、だからやめられません。
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Unknown ()
2016-03-07 20:12:51
みみさん、こりゃ、保田見林道が大変じゃなくて、保田見迄で充分゜疲れています(^^;

良く分かりませんが、獲得標高は多分1.200mくらいでしょうか。

随所の林道に入っているのですね。
特に、戸面ダムからの林道と、大崩から横根に出る林道とか、まぁ良く走られた。

こんなに走ると狭い房州、もう行くところが無くなりそうですね。

みみさんの奇跡を見つつふと感じた事。
横根から大崩の林道はその先の佐久間方面まで林道として繋がっていて、現在の佐久間ダムから大崩に上がる良い道が出来るまでは、その道が旧道だったような気がします。

説明が下手でなんのこったか分からないと思われます。失礼しました。

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Unknown (みみ爺)
2016-03-08 11:24:51
 Bさんの言う通り、保田見林道にたどり着くまでにけっこうくたびれていたと思います。長狭街道に出たときは、もうこのまま保田駅に向かってしまおうかと、一瞬そんな考えが頭をよぎりましたよ。でも、勢いで進んじゃいましたけどね。ハハッ。
 コースの最初の方に保田見林道を持ってくればよかったですね。
 調べてみたら、ルートラボでは獲得標高は1150メートルほどと出ました。カシミールでは、累積標高1890メートルと出ましたが、こちらはどうも怪しいですね。いずれにしろ自分でもビックリ!
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Unknown (IWA)
2016-03-08 12:53:19
今回のルートをルートラボで探してみたのですが見当たりません。過去のものを探してみると なんと2015年1月に作成されていたのですね。驚きました。それにしてもタフなルートを走られましたね。走ってみたいです。また、景色が素晴らしいと絶賛されていた「有間峠」のルートも見つけました。西武秩父駅まで輪行して走って入間川CRに入れば荒川CRを経由して江東区の自宅まで自走できますね。Bさんが仏事と言う理由で遊んでくれないときに一人で走ってみようと思います。また機会がありましたら一緒に走れるとうれしいです。よろしくお願いします。
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Unknown (みみ爺)
2016-03-09 16:29:34
 IWAさん、実は一年前にルートラボでコースを作成していたのをすっかり忘れていました。IWAさんに教えていただき調べてみて思い出しましたよ。ところどころ道を間違えたりしましたが、だいたい同じコースでしたね。このコ-スはもともと「日本自転車コースリスト」というブログのコースを参考にしたものですよ。
 江東区まで自走ですか。すごいですね。ただ、有間峠に行く道、広河原逆川線はよく通行止めになりますから、行く前には埼玉県の「通行止め路線の状況」を調べてくださいね。ちなみに私は崩落による通行止めが解除されるまで一年待ちましたよ。
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Unknown (おじさん)
2016-03-16 10:00:48
うんうん、「爺」なんておっしゃいますが、元気じゃないですか・・・・笑。
私も64歳ですが、数年前には佐渡ロングライドに主値時用して210キロを走りました。
11時間もかかりましたが、なんとかなるもんです。
まだまだ頑張りましょう。
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おじさんへ (みみ爺)
2016-03-16 15:07:26
 今年の5月には67になってしまいます。気持ちはいつまでも若いんですがね。やっぱり何かが衰えてきていますね。よっこらしょ、どっこいしょという言葉が増えましたよ。いやですねえ。風邪もひきやすくなりましたね。しかしまだまだ頑張るつもりですよ。
 家の前を90を超えた、本当にお爺さんらしいお爺さんが、ときどき自転車で買い物に行く姿が見られますけど、その姿にいつも感心しています。そして勇気をいただいているんですよ。…自転車を担げなくなるまでがんばります。
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はじめまして。 (さくらなみき)
2017-02-01 20:29:32
南房総にこんなに魅力的な道があることに、蒙を啓かれた思いです。今までロード車で海岸沿いを走ることが多く、行っても「流してくるだけ」ということが多かったのですが、次回からはもうちょっと魅力的なツーリングを計画できそうです。
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さくらなみきさんへ (みみ爺)
2017-02-02 08:39:18
 はじめまして。コメントありがとうございます。
 ロードバイクで海岸沿いを走るというと、おそらく車が多い道になるのでしょうね。私は車のたくさんいきかう道が怖く、嫌いなので、なるべく細い道裏道を探して走るようにしています。すると、思いがけず素敵な風景や雰囲気のいい道に出逢えたりします。アスファルトできれいに舗装された道ではけっして味わえない楽しいものがあります。
 ロードバイクでさっそうと風を切って走る感覚もそれはそれで気持ちのいいものに違いありません。しかしそれほどのスピードで走ることができなくなった今は、のんびりと風や光や時間を楽しむ走りの方が自分に向いているように思います。
 ロードバイクでも28cくらいの太めのタイヤを履かせれば、多少のダートでも十分走ることができると思います。
 すてきな道を走ってください。
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