Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
輪行サイクリングと
のんびりポタリング

柳沢峠へ、紅葉の中を行く           2019年11月17日 日曜日

2019-11-22 16:03:14 | サイクリング・自転車旅
 ホリデー快速奥多摩行きはとても混雑していた。
 奥多摩駅に着くと、到着した電車から降りてきた大勢の登山客で駅前広場はごった返していたよ。仮設のトイレも長蛇の列だ。
 溢れかえった登山客の群れの中に、青いウインドブレーカーを着た見覚えのある体形を見つけた。今日一緒に走っていただく自転車仲間のIWAさんだ。
「IWAさん!」
「おはようございます」
「いまの電車で来たんですか」
「いえ、もっと前に着いていました。もう自転車も組んであります」
「ずいぶん早いですね」
 混雑するホリデー快速を避けて前の電車に乗ったら早く着いたという。




 すごくいい天気だ。
 氷川大橋の先にあるコンビニで水とおにぎりを買って出発。(コンビニはこの先塩山まで一つもない)
 国道411号・青梅街道桧村橋のすぐ手前から奥多摩むかし道(旧青梅街道)ヘ入るよ。奥多摩湖までの国道は行楽日和で車が多そうだし、古く狭いトンネルがたくさんあるからね。



 みみ爺は、奥多摩むかし道には以前4回訪れている。鶴峠、風張峠、松姫峠を訪ねたとき。それと小河内ダムから奥多摩駅まで山道も含め全線を歩いたときだ。何度来てもいい道だと思う。
「IWAさんは来たことがありますか」
「ないと思います」



 一部砂利道もある。以前来たときよりもなんとなく荒れているような気がする。この秋に来た大きな台風のせいだろうか。



「いい道ですね」
 と、IWAさん。







「あれ??、吊橋ありましたっけ?」
 と、みみ爺。
「途中で一つ見えましたよ」
 路面の凸凹を気にして走っているうちに、ダムの手前で道が突き当たり、折り返すように国道へ上って行くところまで来てしまった。うっかり、しだくらの吊橋も道所の吊橋も通り過ぎてしまったんだ。…IWAさんにその二つの吊橋を見て渡ってほしかったんだが。

 奥多摩むかし道から国道(青梅街道)へ出て、奥多摩湖の手前のちょっと長めの中山トンネルをぬけたあたりから野生のサルを何度も目にする。電線にも、山の斜面にも、木の枝にも。サルは人馴れしているようで、すぐそばでカメラを構えても逃げようとする様子もないよ。



 奥多摩湖だ。水はとても濁っている。地元の人に聞くと、
「濁りが取れるのは、年内は無理だね」
「やっぱり台風ですか」
「そう、台風で」 
 ここにも台風の影響が残っているんだ。
 しかし大きいなあ。静かな眺めだなあ。



「最高にいい天気ですね」
「すばらしいですね」





 銀杏の葉の黄葉が輝くばかりだよ。



 湖面はどこまでも静かだ。




 鮮やかな峰谷橋だ。





 日曜日だからかオートバイが多い。ものすごい爆音を撒き散らして追い越していく集団もいる。
 前方の橋は麦山橋だね。



 松姫峠や奥多摩周遊道路の風張峠へ向かう深山橋の前を過ぎてからは、車やバイクの数がいくらか少なくなったようだ。
 右手の鴨沢橋から山梨県に入る。東京都との県境だね。





 鴨沢橋からの景色だよ。もみじが真っ赤に紅葉している。



 道は少しずつ上っているが、まだそれほどきつい勾配でもない。紅葉に彩られた山々の景色を楽しみながら淡々とペダルをこぐ。天気もいいし気分は最高だよ。





 きつい勾配が時々現れるが、気分はいい。青い空、まぶしい日差し、紅葉の山々。たまらん。







 そろそろ丹波山村だ。
 江戸時代には青梅街道は大菩薩峠を越えて甲府に至る道だったが、この丹波山村から大菩薩峠へ向かったのだろうか。それにしても大菩薩峠はそうとうな難所だっただろうなあ。むかしの旅人は、きっと命がけで旅をしたんだろう。
 柳沢峠を越えて甲府へ至る現在の青梅街道は明治11年(1878)に開通されたそうだよ。
 川の水がきれいになってきたよ。







 丹波山村を過ぎると、道はいよいよ本格的な上りになってきたよ。みみ爺の自転車はとたんにスピードが落ちる。





 ペダルをこぐのがつらくなると、気を紛らわせるために山の紅葉に目を向けるんだ。すると不思議とつらさを忘れることができる。





 川の姿が細く急流になってきたね。



 みみ爺のスピードが遅くなり、IWAさんが前へ出る。





 たまらず一休みだ。







 左手の崖下を覗くが、ガードレールが低いのでちょっと怖いよ。





 急流を下る川がとてもきれいだ。心地よい水の音もたえず聞こえてくるよ。



 上りは果てしなく続く。何でこんなに辛い思いをしてまで峠道を走ろうと思うのかと、ペダルをこぎながら自分に問う。心が折れかかっている証拠だ。



 新しいトンネルをいくつもぬけた。中には勾配もきつく、くねくねと曲がっていて出口が見えず、距離の長いのもある。その長いトンネルの中をよちよち上っているときに、オートバイの集団が追いかけてきて、すさまじい爆音に身の縮む思いがしたよ。



 眼下の水の流れと紅葉が美しい。なんだかんだと言っても、やっぱり来てよかったと思う。





 お腹がすいた。
 ここでちょっと遅いお昼をいただくことにしたよ。
「まだ半分ですね」
 IWAさんが上りの距離のことを言う。
「3時までには峠に着けますかね」
 と、みみ爺。
 この時季日が暮れるのが早い。3時ぐらいに峠に着ければ、あとは下りだから時間はかからない。暗くなる前には駅まで行けるだろう。





 IWAさんの自転車だよ。軽そうでいいなあ。



 「奥入瀬渓谷みたいだ」
 と、IWAさん。みみ爺は写真でしか見たことがないが、そんな感じだ。



「あそこまで上れば平になるかな」
 急勾配が現れるたびに、みみ爺は何度もそんなことを口にする。
「平になりましたね」
 と、みみ爺。
「平に見えるけど、上ってますね」
 と、IWAさん。



 山の稜線が低くなってきたね。標高は1200~1300メートルは超えているだろう。



 もうすぐだ。
 最後の力を振り絞ってペダルを踏むよ。
「よいしょ、よいしょ」
 つい口からこぼれる。



 なんとなく峠が近い雰囲気だよ。



 ああ、やっと峠に着いたよ。峠の碑がある。なんだかとてもうれしい。



 傍目なんか気にしちゃいられない、みみ爺はここで上半身裸になって、汗でびっしょり濡れたシャツを2枚取り替え、その上からウインドブレーカーも2枚重ねて着たよ。手袋も用意してきた冬用の厚手のやつに替えた。上って来たばかりで体はまだ温かいが、気温がかなり低いから、下りはきっと恐ろしく寒いに違いない。
 富士山を展望できる場所があった。車やバイクで上って来た人たちがたくさん集まっているよ。遠くに見える富士の姿に、「オーッ」とか「ウワァー」とか声を出している。みみ爺もたぶんそんな声を出してはしゃいでいたかもしれない。



 さあ、いよいよ20キロの下りだ。
 下っていく途中も富士山がきれいに見えるよ。
 あまりにきれいな眺めなので、ついカーブの途中で自転車を止めると、
「カーブの途中で止まっていると危ないですよ」
 と、IWAさんに注意される。



 下りはものすごく寒いよ。体が寒さでガチガチに固まってしまう。これは危ない。ハンドルを握る腕の動きがぎこちない。
 ずっとブレーキをかけっぱなしなので手は痛くて、もう強くレバーを握れない。



 橋が大きくカーブしている。



 5年前の9月、上日川峠から下ってくる途中で遠くからこの橋の姿を見た。そのときから、いつかあの橋を渡ってみたいと思っていたんだ。それがいま実現した。思っていたとおり、迫力のあるすばらしい橋だよ。





 橋の下を覗いて見たら恐ろしく高い。



 西に傾いた午後の日が山々を明るく染めているよ。



 旧道(?)へ入ると、こんな古い橋もあり静かでいい。





 番屋橋という小さな石橋のたもとに水場があったよ。
「この水は、長い年月を経て風化した花崗岩や砂礫を幾重にも透しては流し、この番屋の地に湧き出た真清水です」と案内が書かれている。
 長い時間かけて大菩薩の地下を旅して湧き出た水は、飲んでみると、とてもまろやかで美味しい水だったよ。





 西日が山々を夕日色に染めている。まるでみみ爺の頑張りを褒めてくれているような優しい景色だよ。



 峠付近では震えるほど冷たかった空気が、下へ下りて来たらだいぶ暖かくなったよ。



 塩山やまが見える。駅はもうすぐだ。暗くなる前にたどり着けてよかった。



 塩山駅の前に、甲州民家・旧高野家住宅がある。その大きさ、優雅さが目を引く。江戸幕府の命を受けて漢方薬の原料「甘草」を栽培していたことで甘草屋敷と呼ばれているそうだよ。見学することはできるが、開館が9:00~16:30までで、みみ爺たちが自転車を止めようとしている目の前で入り口を閉められてしまったんだ。





 今日は一日秋晴れのいい天気に恵まれてよかったよ。
 峠までの長くきつい上り坂、その峠からの恐ろしく寒い下り坂。でも、多摩川の源流近い流れの姿も紅葉も美しく、そして峠から眺められた富士山もじつにきれいで、ほんとに楽しかった。これだから自転車はやめられない。みみ爺はまだまだ頑張るぞ!
 IWAさん、一日ご同行ありがとうございました。お疲れ様。
コメント (11)
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ふたたび群馬県の限界集落・南牧村へ行った    2019年11月3日 日曜日

2019-11-11 08:13:26 | ハイキング
 5月に訪ねてから半年振りだ。南牧川の川筋を辿って歩く。とてもワクワクする。
 歩くのは、もちろん、車の頻繁に通る県道側ではなく、川を挟んだ対岸に続く裏道だ。
 5月に来たときは、民宿月形園から道の駅オアシス南牧までは歩いた。今回はその先も含めてすべてを歩く考えなんだ。
 今日は下仁田駅から南牧村の月形園まで歩き、明日は同じ道を引き返す計画だよ。
 なぜそんなに南牧川にこだわるのか。5月に来たときの南牧川の美しさと、川沿いのその道の静かな雰囲気がたまらなく気に入ったからだよ。




 上信電鉄・下仁田駅に着いたのは昼少し前だ。
 着いたらまず、タンメンと餃子を食べようと決めていた「一番」というラーメン店へ向かったが、今日はあいにく休みだったんだ。
 さてそれではどこの店に入ろうかと悩んでいたときに、地元の人に「きよしや食堂」を教えていただいた。
 教えていただいた道を行ってみると、店の前にはすでに人が並んでいた。この店はカツ丼が人気のようだ。
 店に入ると、自分たちも人気の「下仁田カツ丼」を頼んだんだ。
 どんぶりのご飯の上に、上州豚肉のカツが贅沢に2枚ものっている。肉はとてもやわらかく、味は申し分ない。人気店のわけがわかる。



 カツ丼に満足し、店を出て路地を進むと、こんな六地蔵があった。龍栖寺というお寺のようだ。手を合わせ、旅の安全をお願いして歩き出す。
 さあ、出発だよ。南牧村の民宿・月形園まで、10キロほどの道のりだ。



 八千代橋からの鏑川の景色だよ。



 さらに道を進む。左の大きな塊は大崩山というらしい。



 いよいよ県道を離れ、南牧川をはさんで県道と平行して続く裏道へ入るよ。車もバイクも入ってこない静かな道だ。



 少し行くとこんな水場があったよ。山の水だろうがあまり冷たくない。



 とてもいい感じの古い吊り橋だが、すでに橋面の板が落ちている。



 静かな道は続く。対岸の県道を走る車の音もほとんど聞こえてこない。





 古い庚申供養塔がある。年月を感じさせるね。



 11月に入ったので紅葉も始まっているだろうと期待していたが、今年は気温の高い日が続いていたせいか、山の上の方で葉の色がいくらか色付いてきているくらいだ。



 段差を勢いよく落ちる本流の向こうに見えるのは魚道というのだろうか。あんな急流を魚は遡上できるんだろうかね。



 南牧川の水の色は、5月に見たときとは違う。まだ台風の名残が消えてはいないようだ。とても濁っているよ。最初に見た鏑川の水の色とはぜんぜん違うね。



 養蚕が盛んに行われていた頃を偲ばせる造りの家が多く見られる。今は養蚕はおろか、人も住んでいない家が多い。



 道の舗装は切れて、土混じりの砂利道に変わった。左手は崖のような急斜面に杉の木が立ち並んでおり、下のほうに南牧川の急流が見え隠れしている。道の端が崩れそうで怖い。山側によって歩く。





 700~800メートルも歩いたろうか、ようやく未舗装の暗い道を抜けてホッとしたよ。





 台風の雨で崩れたのか通行止めとなっていたけれど、横をすり抜けて通った。



 水は相変わらず濁っている。地元の人にきくと、
「こんなことは今までになかったね。いままでは濁っても水はすぐにきれいになったよ。こんなことは珍しい」
 と、腕組みをして流れを見ている。





 見覚えのある美容室があったよ。
 月形園のおかみさんのお姉さんとご主人が笑顔で出てきた。
「お茶を一杯飲んでいってください」
 しきりに勧める。
「怖かったですね。水と一緒に石がごろごろ転がる音が響いてくるんですよ」
 台風の大雨で南牧川の水かさが増したときの様子をそう語った。
「水は川幅一杯に、道のすぐ下まで来ていました。この辺の人はみんな避難したんですが、私たちは家の横の川がいつ溢れるか心配で家にいたんですよ」
 家のすぐ横に、山から急流で流れてくる細い川があり、家の前の南牧川に落ちている。 
「いつでもすぐ避難できるように車にいろいろ積み込んで様子を見ていたんですよ」
 30分ほどお邪魔して失礼すると、ふたたび歩き出したよ。距離はまだ半分もある。暗くならないうちに宿に着きたい。

 小沢橋から道は黒滝山のほうへ向かう県道202号に合流するが、500~600メートルほど行ったところで大塩沢川に架かる小さな橋を渡ると、また南牧川に沿った道にもどる。
 その橋の手前に、「住吉の滝」という道標があったので降りていくと、岩の間を落ちている滝があったよ。落差はおよそ5メートルと小さいが勢いがあり、水の音も静寂を割るすさまじさだった。「南牧村滝巡り」ガイドのパンフレットにも載っている滝の一つだ。



 足が少し疲れた頃、先方に14%勾配の上り坂が現れたよ。



そして同じ勾配の道を今度は下り、夕暮れせまる静かな景色の中を行くよ。



 5月に来たときにはちゃんとあった橋だが、台風の大雨に壊されたんだろうか。



 対岸の県道には車やバイクがものすごいスピードで走っていく。しかしこちらへはその音もほとんど届かない。とても静かだ。



 安養寺の六地蔵だよ。



 県道へ渡る橋だ。人は通ってもだいじょうぶそうだね。



 橋の上から上流を望む。だいぶ暗くなってきたよ。



 県道側の橋の袂が崩れていた。なるほどこれが通行止めのわけだったんだね。



 大日向の県道はすっかり日が暮れて暗くなっている。
 虹の大橋を渡れば民宿・月形園はもうすぐだよ。





 「お疲れ様。先回りしていましたよ」
 先ほどお会いした月形園のおかみさんのお姉さんが笑顔で迎えてくれた。そのあとでおかみさんもニコニコした顔を見せた。元気そうでよかった。
 きれいな部屋に通された。コタツが用意してあったのはうれしい。



 夕食はやっぱりすばらしい。おかみさんとおかみさんのお姉さんの、温かい心のこもった手料理だよ。
 おっ切り込みうどんも、鮎の塩焼きも、上州豚肉もとてもおいしい。
 柚子味噌をつけて食べたえび芋はみみ爺にはじめてだった。大きな花豆は甘くやわらかく煮てある。
 ずらりと並んだお料理はすべて上品な味付けで、濃くも薄くもない。家内とおかみさんの料理話はいつまでも尽きることがなかった。



 もちろん翌日の朝ごはんも言うことなしだ。なかなか手に入らないという山くらげは噛んだときの触感も味付けも特別だったよ。
 みみ爺は若い頃、塩鮭の細い骨がのどに刺さって、自分ではどうにもならず医者にとってもらったことがあるんだ。それ以来鮭の切り身はどうも苦手になった。家で食べる鮭の切り身には必ず隠れている細い骨があるのに、この塩鮭には不思議と骨が一本も隠れていない。やわらかくて味のしっかりした美味しい鮭だ。焦げ目もなく、どうしたらこんなふうにおいしく焼けるのか不思議だよ。
 それに、ベーコンエッグに野菜サラダ。たっぷりのおかずでご飯が進む。
 やっぱり月形園の食事は最高だよ。





 昨日は曇っていたけれど、今朝は晴れて青空だ。
 今日もまた同じ道を駅まで歩くつもりだよ。昨日とはまた違う景色が見られるだろう。
 おかみさんとおかみさんのお姉さんに見送られて出発したよ。



 民宿の前、川向こうの姿の良い2本の銀杏の木はほんの少し色付いてきていた。
すっかり黄葉するのももうすぐだろう。



 空気はかなり冷たい。



 虹の大橋から西の空を見ると、空に槍を突き立てたような碧岩、大岩の姿が目を引く。



 川は相変わらず今日も濁っている。おかみさんも言ってた。
「こんなにいつまでも濁りが取れないなんてことは一度もなかったですね」



 昨日渡った通行止めの橋だ。この橋の上からも碧岩、大岩がきれいに見えるよ。





 昨日は寄らなかった安養寺だよ。そして昨日も見た六地蔵。





 5月に来たときもこの場所で同じ景色を写していたが、そのときの写真と比べてみてもやはり水の色が全然違う。いま目の前の川の姿はなんとなく殺伐としている。



 それでもこの道を歩くのは楽しい。南牧川を包んだ景色が次々と変化するんだ。飽きることがないよ。





 これもかつて養蚕が行われていた家だね。今は誰も住んでいないようだよ。



 いい道だなあ。







 道の真ん中に蛇がいたんだ。小石を投げたり、地面をけったりして驚かそうとしたが、まったく動く気配がない。仕方なく、道の端を恐る恐る通ったよ。家内はもちろんみみ爺もおっかなびっくり。蛇は嫌いだ。



 このあたりからは未舗装の山道になる。それこそまた蛇に遭遇しそうでなんとなく怖い。





 杉木立の斜面の下には南牧川の濁ったの水面が見えるよ。滑り落ちないように山際をそろそろ歩く。





     (未舗装部分は西北西側から山が迫ってきているあたり)



 案内板のそばに地元の人がいた。説明してくれたが、素人にはなかなかわからない。







 その人は高崎に仕事と家があり、
「休みにはこの近くの実家にもどってきているんですよ」
 指差す方を見ると対岸の県道側に家々の屋根が密集している。
「たくさん家があるんですね」
 と家内。
「家はあっても人がいないんですよ」
 ほとんどが空き家になっているという。
「子供たちは町へ出て行って、ここに残され年をとった親たちも自然にいなくなる」
 自然にいなくなる、という言葉には悲しい響きがこもっている。

 流れは濁っているけれど、景色はとてもいいよ。行きと帰りではまた景色も違う。







 5月に来たときに岩の上でおにぎりを食べた青岩公園だ。岩の上には台風の大雨で流されてきた大小の石がのっかっているよ。大雨の川の水は、巨大な岩を呑み込むほどだったんだね。







 昼少し前に下仁田の町に着いた。電車に乗る前に駅に近い「コロムビア」という店で食事をした。帰りには必ずここへ寄ろうと決めていたんだ。テレビドラマの「孤独のグルメ」という番組に出てきた人気店だ。この店も常に行列ができているそうだよ。
 一番人気の上州豚肉のすき焼きだよ。値段もリーズナブルだ。





 次に来るときは、昨日食べられなかったラーメン店「一番」のタンメンと餃子をぜひ食べたいね。

 みみ爺が勝手に決めたハイキングルート。歩いてそれほどきつくもなく、そして決して飽きることのない景色がつづく。そんな南牧川の川筋に沿って歩くルートはとても楽しかったよ。


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今年もまたシベリヤから渡ってきたよ      2019年11月6日 水曜日

2019-11-06 15:54:27 | サイクリング・自転車旅
 今朝はとても冷えた。
 そろそろ白鳥がやってくるころだよ。印西市本埜村の白鳥の郷へ行ってみることにした。 
 空気の冷たさで、冬の近づいていることが感じられる。



 雲ひとつない青空に、とんびが頭の上を飛んでいるよ。





 来ていたよ。初めて飛来したのは昨日だそうだ。今朝飛来したのとあわせて27羽だそうだよ。





 3000キロの長旅をおえてきたその姿と顔がとてもいじらしく思える。



 グレーの羽の色をした幼鳥も混ざっている。



 何か温かいものに触れた思いで帰途に着いたよ。

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ドラマ・秋の日、秋の夕暮れ           2019年10月30日 水曜日

2019-11-01 08:23:49 | サイクリング・自転車旅
 晴れた秋の日はドラマだね。
 観客はそのドラマの一幕一幕に目を奪われ、心をわしづかみにされる。

 ひっそりと揺れるススキにも…



 道端に佇む柿の木にも…



 澄んだ空に広がるうろこ雲にも…





 ドラマのクライマックスは日没だろうか。





 そしてドラマはエピローグをむかえる。
 観客は感極まり涙する。





 やがて、静寂と虫の声とともに静かに幕は下りる。
 観客は劇場に来たことをよろこび、ドラマを観ることができたことに感謝して、そっと席を立つ。


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