Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
輪行サイクリングと
のんびりポタリング

激坂太良峠を走ってみたよ         2024年4月20日 土曜日

2024-04-28 09:58:46 | サイクリング・自転車旅
 今日は国道140号(雁坂道)が笛吹市春日居町を通るあたり、セブンイレブン春日居鎮目北店の横から始まるフルーツラインを行く。



 フルーツラインを走り出すと間もなく、左手に保雲寺の大きな屋根が見えてくる。その少し先からいよいよ上り坂が始まるよ。
 上りはじめて最初の1キロほどの勾配は、10パーセントまではいかないがけっこうきつい。



 まだそれほど走ってきていないが、眼下の景色が素晴らしい。正面の山並みの上には真っ白い富士山も見られる。昨日は一日中風が強かったが、今日は風もほとんどなく春の日差しがたっぷりと降りそそいでいる。眩しいほどの日差しだが暑くはない。自転車で山を上るのにはちょうどよい気温だよ。


 
 今日一緒に走ってくれるのは甥のH君だ。H君はみみ爺よりなんと24も年が下だ。みみ爺はついていけるかな。
 H君の自転車は息子のを借りてきたという。ヘルメットは娘のだそうだがよく似合っているね。



 最初の上りの後は多少のアップダウンを繰り返すがとても走りやすい道だ。車もほとんどやってこない。
 正面にでんと聳えているのは兜山だ。H君は登ったっことがあるそうだ。
 青空がきれいだね。



 富士山はいよいよ大きく見えて来たよ。



 のんびり50分ほど走ってフルーツ公園に着いた。正しくは「笛吹川フルーツ公園」というらしい。
 近くにはよく知られた「ほったらかし温泉」というのがある。みみ爺はてっきり同じ場所にあるのかと思っていたが、少し離れた別の場所にあるそうだ。甲府盆地の夜景や星空が素晴らしいというから、みみ爺も一度はその温泉に浸かってみたいね。
 坂が始まった保雲寺の標高は283メートルだ。そしてここの標高が600メートルだから、すでに300メートル以上は上って来たんだね。





 さあ、いよいよ太良峠へ向かうよ。
 フルーツラインをさらに進む。下ってまた上り返す。せっかく上って来たのにもったいないような下りだ。でも、天気もよく、車もなくとても気持ちがいい。



 太良峠へと続く県道31号にようやく着いたよ。このあたりの標高は515メートルほどだから、太良峠までの標高差はおよそ600メートルあるよ。ここからが太良峠へのほんとうの上りだ。さあ覚悟しろ、みみ爺。



 少し進むと、道にはみ出すような形の巨石が現れた。道はその巨石をよけるようにそこだけ幅が狭まっている。巨石の上には、これもかなり大きめの地蔵の首だけが乗っかっている。首地蔵というそうだ。この首地蔵にはかなり奇怪で恐ろしい伝説が語り継がれている。
「ここで写真を撮ってあげるよ」
 と言うと、H君は気味悪がって、
「気持ちが悪いからいいや」と。
 どんなことにもあまり動じない性格のHくんだが、みみ爺は意外な面を見る気がしたよ。 
首だけの地蔵だから確かにそうかもしれないがね。





 まだそれほど急勾配ではないがずっと上りが続いている。休み休み上る。





 いよいよ急勾配の始まりだね。10パーセントを越える勾配も時々現れるようになった。





「止まったら漕げなくなっちゃうから行きます」 
 H君は休まず先へ行く。若さだ。
 路面には滑り止めの縦溝が刻まれ始めたよ。 
 自転車をガードレールにもたせ掛けて止めようとしても、ずるずると下がって行く。それほどの勾配だ。



 H君はまだまだ元気のようだね。涼しい顔をしている。そりゃそうだろう、みみ爺よりずっと
若いんだものね。



道々目にする風景もなかなかいい。切差の集落に入ったようだ。集落の様子が素敵だよ。車はほとんど通らない。山奥の静かな集落だ。









 切差区公民館の前でお昼にしたよ。ちょうど12時だ。お腹がすくわけだね。
 公民館まで上って来た道も勾配は10パーセントほどある。
「あんな斜面にある畑じゃ農作業がえらいなあ」
 道の向こうの斜面に作られた畑を見ながらH君は言う。最近、会社を辞めて実家の農業を手伝い始めたH君だ。実感のこもった一言だね。



 近くに、山々が立体的に描かれた絵地図があった。かなり細かく描かれている。みみ爺がいつかは走ってみたいとずっと思っていた大弛峠まで描かれている。しかし、もう年だし大弛峠は諦めた方がいいようだね。
 道々沿うように流れていたのは兄川と言うんだね。心地よい水音を時々耳にしながら走ってきたよ。





 公民館近くの景色だよ。





 昼食を終え、少し走ると何故かこんなところに二宮金次郎の像があった。背後の山の景色がきれいだったので撮っておいた。



 道は勾配10パーセントほどのままどんどん高度を上げていくよ。
 ずっとフロント24T、リア32Tのギアのままだ。それでもみみ爺にはきつい上りだ。何度も何度も休み休み上ってく。



 きれいな新緑の森に癒される。



 ここまで上ってきて、若いH君も相当疲れているのだろう。初めて乗る慣れない自転車だから無理もないね。



 どうにかこうにかあえぐように峠に着いたよ。峠の標高は1120メートルだ。
 みみ爺、よく頑張ったね。この時は本当に、自分を褒めてあげたいと思ったよ。
 この峠を走りたいと考えたときから、年取って心臓も病んだみみ爺にはもう無理かもしれないと思っていた。だから、どうしても峠まで上れそうもなかったら途中から引き返してこようと決めていた。
 みみ爺は1年半前に心筋梗塞で救急車のお世話になった。病院へ運ばれる途中、苦しさに朦朧とした頭の中で、もう死ぬかもしれないと思った。手術をした後の入院中も、自分の自転車人生はもう終わったと諦めていた。
 だが、退院後少しずついろんな運動をはじめ、自転車にも乗るようにして、平地では60キロや70キロは走れるようになった。低い山にも歩いて登った。心臓は問題なさそうだった。それで少しだけ体に自信が持てるようになって、この峠を自転車で越えてみようと思ったのだ。
 そして今、こうして峠に立つことができた。来月75歳になるみみ爺がこのきつい峠を上ることができた。すごく嬉しい。まだまだ自転車に乗れる。大好きなランドナーで走れる。そう思うと喜びと感慨で胸がいっぱいになったよ。



 峠からの甲府盆地の眺めは、空が霞んでいなければきっと素晴らし景色だろうね。





 さあ、いよいよ下りだ。どんな下りだろうか。嬉しくもあり不安でもある。標高差と距離から考えてもかなり急な下りになるだろう。



 道の雰囲気は最高にいい。







 下り勾配は思った通りかなりの急勾配だ。



 富士山も見える。甲府盆地の景色も広がっている。







 途中こんな風情のある長閑な風景も見られた。



 勾配がどんどんきつくなる。ブレーキは握りっぱなしだ。ブレーキを握る手のひらの筋肉が悲鳴をあげる。



 峠から4キロほど下ったあたりから道は急に狭くなり、滑り止めのための横溝が刻まれた荒々しい感じのコンクリートの舗装に変わった。勾配はおそらく20パーセント近くあるのだろう。おしりをサドルのずっと後ろまで下げて体重を後輪にかけるようにした。ブレーキを強く握ってもあまり効かないような気がする。とても怖い。転倒したらただでは済まないだろう。
 もしフルーツ公園側からではなくこちら側から上っていたら、みみ爺にはおそらくペダルを回すことができなかっただろう。自転車を押して上るのも相当きついに違いない。フルーツ公園側から上って来て正解だったね。





 ここまで下りてくるとだいぶ走りやすくなった。
 おや、道が立体的になっているよ。楽しいね。



 要害温泉まで下りてきたよ。
 すると石垣の上に建つ木造の大きな建物がみみ爺の目を引いた。かなり風格のある立派な建物だ。きっと以前は旅館か何かだったのかもしれない。そんな雰囲気だ。



 H君も急勾配を下ってきてホッとしている様子だ。
「手がとにかく痛い」
 H君は手袋をはめていなかったんだ。それに慣れない自転車だったからね。



 近くに臨済宗の積翆寺というお寺があったので覗いてみた。







 こちらのお堂の中には武田信玄の像が安置されていた。





 積翆寺を離れ、県道をそれた道を少し行くと石垣に作られたこんな祠があった。中には地藏や観音像の石仏が置かれている。庚申供養塔は無残にも根元から折れて倒れかかっていた。



 こんな裏道は好きだなあ。はるか下には甲府盆地の街並みが見えるよ。



 再び県道に戻って下って行く。ずっと下りだ。下りは楽でいいけど、あっという間にいろんな景色が通り過ぎていく。景色を楽しむ暇もない。みみ爺はどちらかというとのんびり走る方が好きだ。





 これは竜華池というそうだ。大正時代に農業用のため池として建設された人口の池だそうで、現在は用水の利用は減少し、ブラックバスが放流されて管理釣り場として活用されているという。





 さあ、ようやく甲府の市街まで下りてきたよ。まだ町の向こうの山並みの先に富士山が見えている。今日は一日富士山と一緒だった。ラッキーな一日だったよ。
 お疲れさん、みみ爺、そして同行してくれたH君。
 また一緒に出かけましょう。ほんとに楽しい一日だったよ。


コメント (5)
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大津川から富士川・大堀川を経て手賀沼へ 2024年3月14日 木曜日

2024-03-18 09:06:01 | サイクリング・自転車旅
 朝8時に家を出発したときはまだ寒かったけれど、日差しもあり、ペダルを回しているうちに寒さは感じられなくなった。雲一つ無く青空だ。天気は申し分ないが、嫌な花粉がたくさん飛んでいそうだ。
 みみ爺はマスクをして、花粉対策用メガネをかけている。けれど、30分もすると鼻水が下りてくるのでマスクの中で何度もすすり上げる。足を止めて鼻をかむとしばらくは調子いいが、それも長くは続かない。今日は一日こんな調子が続くかと思うとうんざりする。



 途中、毎年オオハクチョウが飛来してくる調整池を覗いてみたが白鳥たちはすでにシベリアへ旅立った後のようで、その姿はすでになく、残されたカモたちだけが水面に寂しげに浮かんでいた。



 大津川の谷津は明るい日差しがいっぱいだ。背中は春の日差しのぬくもりでポカポカしている。



 初っ端から林道のような雰囲気がたまらなくいい。今日はここから初めての道へスタートだ。初めて走る道はいつもワクワクする。この先どんな道が待っているだろう。



 ニッカ通り手前の角に「征清軍馬記念碑」というのがあった。たぶん日清戦争に関係があるのだろ。



 早咲きの桜がきれいだ。小鳥が来ている。ヒヨドリだろうか。





 いい道だなあ。こんな道を走るのは好きだよ。



 中原小学校の校庭はあふれんばかりの日差しだ。その日差しの中に子供たちの元気な姿がある。なんだか嬉しくなる風景だ。春を感じさせるね。



 東武野田線を越える歩行者用の橋を渡る。ちょうど電車が下を通過して行くところだった。





 新柏駅だね。



 こんな細い路地を通って行くのも楽しい。自転車だから走れる。



 すごい急勾配の下り坂だ。おしりをサドルの後方へずらし、ブレーキをかけながらゆっくりと下るがちょっと怖い。



 常磐線の線路の下をくぐるトンネルだ。柏市、松戸市の複雑に入り組んだ迷路のような住宅街をやっとのことで通り抜けて、ようやくここまで来た。



 富士川に出たよ。のどかな風景が広がっている。ここまで来るのにずいぶん道に迷ったのでほっとしたよ。





 いくらか心残りだが、富士川の長閑な遊歩道をそれ、車道を越えて元気村キャンプ場という方へ進む。キャンプ場へは突き当りの階段を上って行くのだが、その手前左手の土がむき出しの急坂を上る。はじめはペダルをこいで上ろうと思ったが、上りはじめてすぐにひっくり返りそうになり、あきらめて自転車を押して上った。



 坂を上ったところからは、ちょっといい雰囲気の道が続いていた。車にも人にも出会わない静かな道だ。こんな道が好きだ。





 道は少し高台にあり、直下にはさっきキャンプ場の方に来るときに渡った車道がある。田畑の先には富士川の土手も見える。富士川の向こう、斜面に密集している住宅の屋根の先の高台には日蓮宗の本土寺があるはずだが、今日は行かない。



 前ヶ崎城址公園の前に着いた。どんなところか自転車を止めて階段を上ってみたが、周囲を樹木に囲まれ、中ほどに大きな木が何本かあるほかに何もない静かな公園になっていた。





 富士川が坂川に合流し、ここはその坂川に沿った道だ。
 青空が眩しい。



 坂川の上流は水辺公園になっていた。その少し先で左の細い道を上って行き、真言宗の小さなお寺の前に出た。



 素朴で静かな日差しに溢れた境内のお寺だ。みみ爺はこんなお寺の境内にむしろ心が落ち着く。



 細い道をいくつか辿って行くと諏訪神社の前に来た。由緒ある神社のようなのでちょっと寄ってみることにした。
 境内に一歩足を踏み入れると、杉の老木が生い茂り、森閑として厳かな空気に包まれる。この駒木諏訪神社の創建は平安時代で、地域では「おすわさま」と呼ばれて親しまれているそうだ。子供の成長の神、安産の神として知られているという。







 神社からは諏訪道というのを辿って行く。この諏訪道の名前の由来は諏訪神社であるという。。
 諏訪道は、利根川の布施河岸と江戸川の加村河岸を結び、江戸時代からの重要な物資(主に鮮魚)の輸送路だったそうだ。



 大堀川の駒木橋に着いた。ここからはこの長閑な川沿いの遊歩道を行く。





 あまりに日差しが暖かいので、このベンチに座ってお昼のおにぎりをいただく。時刻は12時を回っていた。



 おにぎりを食べた後は、さらに遊歩道を進む。





 寄ってみたいと思っていた西光院へ向かう。
 この小さな橋を渡って行く。



 西光院は正しくは報恩山無量寺・西光院という。ここも真言宗のお寺で、本尊には阿弥陀如来を祀っているそうだ。
 真言宗のお寺は、みみ爺はその雰囲気がけっこう好きだ。



 境内は落ち着いて明るい、ひっそりとした空気に満ちている。





 境内を少し歩いてみた。
 庚申塔や馬頭観音、地蔵菩薩など古い石仏が集められている。







 こちらは十三重の石塔。



 石垣の台座の上の鐘楼もいい。



 静かなお寺の境内を歩き、何となく心が洗われた気分だ。
 再び大堀川の遊歩道に戻ってきて、のんびりとペダルを回す。





 手賀沼に着いた。
 枯れ葦の先に青い水面と青い空が広がっている。なんてきれいな空の青さだろう。



 満開の時期を過ぎているようだが、まだきれいな桜だよ。



 少し疲れたので一休みだ。
 初めて走る道はやっぱり楽しかった。道に迷ってドキドキしたり、目にする風景に感動したり、静かな神社や寺で心を癒されたり、暖かい日差しの中でのんびりおにぎりを食べたり、楽しいことが盛りだくさんだった。
 ただ、マスクの中で常に下りて来る鼻水には辟易した。早く花粉のシーズンが終わらないものかね。

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柏市逆井の観音寺を訪ねてみたよ   2023年10月6日 金曜日

2023-10-09 15:28:45 | サイクリング・自転車旅
 大津川の谷津道を離れ、およそ1.5キロばかり南西に進み、東武野田線の下をくぐる。そこから観音寺までは400メートルほどだ。



 このお寺は牡丹の寺として知られているようだ。
 参道を行くと左手に石碑が目に付く。しかし、梵字で刻まれた字はみみ爺には読めない。





 山門はそれほど大きくはないが、ずっしりとした静かなたたずまいだ。実はどこかの代官所(陣屋)の表門を移築したものだそうだ。
 門の手前の右手には十三重の塔がある。



 山門を入ると参道わきに大きな青銅の灯籠が立っている。近づいてみるとかなり大きい。見事な灯籠だ。



 境内の隅の方に、木々に囲まれて六地蔵があったよ。みみ爺は、六地蔵には親しみを感じる。



 左端にはお地蔵さまと弘法大師像がある。弘法大師像の修行中のこの姿はあちこちのお寺でよく見かけるね。



 重々しい本堂の建物は最近建て替えられたものだろう。どっしりとした感じの立派な建物だ。全体に新しい建物だが、向拝を支える二本の柱と梁には趣があり、古いもののように思われる。
 山門の外には十三重の塔があったが、こちらは十重の塔だね。これはかなり歴史のあるものらしい。



 このお寺の本尊は不動明王と十一面観音だそうだ。そしてこの観音堂の中にはその十一面観音が安置されているようだ。なんでも午年だけに開帳される秘仏ということだよ。午年は3年先だ。もうすぐだね。



 この厨子の中に収められているんだね。ご開帳のときはぜひ見てみたいものだ。



 彼岸花にアゲハ蝶が訪れているよ。美しい。



 これは回向柱というのだろうか。



 回向柱の足元に不思議な石(コンクリート?)の塊があった。どう見ても男女の愛し合う姿にしか見えない。なぜここにあるのだろう。ちょっと場違いな感じがしないでもないが、こんな目立たないところにひっそりと置かれているところに、新鮮な、それでいてもの静かで心暖かいものを感じる。なかなかいいね。素敵なものを見つけたね。




 
 色とりどりの花が添えられた手水所があったよ。きれいな手水所だね。



 お寺というところは、どこを訪ねても静かだ。心が落ち着く場所だね。
 さあ、帰りはナビを頼りに知らない道を走ってみよう。
 お疲れさん、みみ爺。
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東漸寺へ行ってみた…みみ爺、久しぶりのランドナー 2023年9月26日 火曜日

2023-09-30 08:22:16 | サイクリング・自転車旅
 去年の暮れ、12月に自転車仲間の一人が急に亡くなった。その彼が亡くなるひと月ほど前にこの寺を訪ねていたんだ。それでいつかみみ爺も行ってみようと思っていたんだ。

 北総線に沿う国道464号の歩道から見下ろすこの小さな流れは 、下手賀沼まで続いている「金山落」というちょっと変わった名前の川だよ。今は濃い緑の夏草や樹木に包まれているが、季節の移ろいとともにその姿を変えていく。みみ爺はここを通るたびに移り変わっていく景色を楽しんでいる。冬にはこの小さな流れが澄んだ冬の空を映してとても美しいんだ。



 ここは手賀沼へ向かうときには必ず立ち止まって眺める景色なんだ。ここも季節の移ろいをくっきりと見せてくれる場所なんだ。



 久しぶりに通るダート道は今はやぶ蚊がすごい。ちょっと立ち止まっただけなのに足や腕に何匹もたかってくる。やぶ蚊は特にかゆい。たまらず早々に立ち去る。



 ようやく明るい場所へ出られるよ。ペダルをこいでいても顔の周りをやぶ蚊が付きまとっていたんだ。



 手賀沼に続く大津川の谷津道だ。車もあまり来ない走りやすい道だ。



 さあ、ここから東漸寺へ向かう。初めて通る道はちょっと緊張するが楽しみでもある。



 まずは上り坂だ。左はゴルフ場、右はニッカウイスキーの広い敷地になっている。ちょっと林道っぽい道だよ。いいねえ。



 ニッカウイスキーのレンガ造りの建物が素敵だ。



 車の多いニッカ通りを横切り、さきへ進む。



 この先ずっと住宅街を走って行く。とにかく道が入り組んでいるうえにアップダウンが激しい。上ったり下りたりけっこう疲れる。



 東武野田線の線路だね。割と静かなこの道を新柏の駅まで行く。



 新柏の駅のところから、また何度も迷いながらなんとか進んでいくと、旧水戸街道沿いの香取神社に出た。日陰に乏しく涼しくはないが、ここで一休みした。道に迷い迷い走って来たので疲れた。





 再び上ったり下ったり迷ったりしながら、何とかやっと東漸寺にたどり着いたよ。



 総門手前には東漸寺と彫られた大きな寺号標が立っている。



 手入れの行き届いたきれいな石畳の参道がまっすぐに山門へと続いている。この総門の姿を見ただけでもこの寺が名刹であることが何となくわかるね。
 足裏に伝わってくる石畳の感触を楽しみながら自転車を押して行く。



 山門(仁王門)だ。堂々としているね。左右の仁王像にも迫力があるよ。





 山門を入ると、石畳の参道はさらに奥へと続いている。幹の形が独特な古木が目立つ。



 中雀門というそうだ。本堂の姿がようやく門の先に姿を見せた。



 中雀門を入るとすぐ右手に鐘楼があった。どっしりと重量感のある鐘楼だ。



 本堂だ。本堂の前には徳川家の家紋の入った屋根付きの大きな香炉がある。
 右手の奇妙な枝ぶりの松は有名な「鶴亀の松」というのだろうか。
 左手には、画像には入っていないがこちらも有名な樹齢300年を超えるという大きな枝垂桜がある。今はもちろん花の季節ではないので人はほとんどいない。しかし春には多くの人でにぎわうのだろう。



 本堂をまじかで見る。さすが風格が感じられる。本尊は阿弥陀如来像だそうだ。



 こちらは観音堂だね。平成8年の建立とあるからまだ新しい。。





 観音堂には聖観音の座像が収められている。とても静かないい表情をされているよ。



 六地蔵だね。
 六地蔵はどこのお寺にもある。なので何となく親しみを感じる。



 石畳の先にたくさんの石仏が並んでいる。しんと静まり返って張りつめた空気が感じられる場所だね。つい手を合わせたくなる。





 気が付かなかったけれど、山門の内側には大きな狛犬がいたんだね。狛犬は神社だけのものかと思っていたが、寺にもあるそうだよ。





 境内にはこんなかわいいお地蔵さんがあった。…鎌倉の長谷寺で見た「和み地蔵」と同じ表情をしている。おそらくこれも宮城県の石神彫刻工房で作られたものだろう。



 静寂と広い敷地と、立派な山門や本堂のあるこの東漸寺はさすが名刹といわれているだけのことはあった。すばらしいお寺だった。
 帰り道も国道6号を超えるあたりで再び迷った。へとへとになってやっと戻って来たよ。
 知らない道を迷い迷い走ったのもけっこう楽しかった。そのうえ東漸寺を訪ねることができて本当によかった。お疲れさん、みみ爺。




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林道梅本線に挑戦…みみ爺一人旅         2022年9月30日 金曜日

2022-10-15 18:38:16 | サイクリング・自転車旅
 ランドナーではなく、ハンドルを高くしたダホンのミニベロで出発するんだ。
 今日は東武東上線の信号機トラブルや混雑した車内での病人発生などで、小川町に着いた時刻は予定より1時間も遅くなってしまった。なので、駅を出発したときはすでに10時半だった。夕方までに予定していたルートを走ることができるだろうか。
 今日予定していたルートは、林道梅本線を飯盛峠まで上り、そこから奥武蔵グリーンラインを北向地蔵まで下り、林道関の入線で山を下りる。林道梅本線を上るのにどれくらい時間がかかるかだ。
 とりあえず駅前のコンビニでおにぎりと水を買って出発した。
 空は秋晴れの素晴らしい青さだ。




 槻川の相生橋だよ。空気は暑くなく寒くなく最高の自転車日和だよ。この橋を渡るのは久しぶりだ。林道秩父高原線から釜伏峠へランドナーで走ったのが2020年9月のことだから、ちょうど2年前になるよ。
 ランドナーには乗りたいが、体が前傾姿勢になる自転車はダメだと医者に言われているから仕方がないんだ。でも、このごろなんとなく、ランドナーに乗っても大丈夫そうな気がする。あ~あ、ランドナーに乗りたいなあ。



 2年前もちょうどこの辺で写真を撮った。彼岸花も同じように咲いていた気がする。



 青空にのんびり浮かぶ白い雲。最高にいい天気だよ。
 県道273号西平小川線へ向かう道だ。



 県道273号だ。車はほとんど走っていない。静かでいい。



 県道へ出てしばらく走ると、道端に如意輪観音像があった。グーグルマップには「二十二夜塔道しるべ」と出ている。



 松郷峠へ向かう上り坂だ。だらだらと長い上り坂だよ。日陰が多く涼しいがけっこうきつい。



 この辺が峠だろうか、何の標示も見当たらないが。
 ここからは下りだ、うれしいね。



 もう少し下ると都幾川だ。松郷峠からの下りは、山の中を車にも出会わず気持ちがよかった。





 都幾川沿いの県道172号に出て右へ少し行ったところ、この橋で都幾川を渡る。この橋も何となく渡りたかった橋なんだ。



 静かな道を走る。道の両側には秋の花が風に揺れているよ。



  再び都幾川に架かる橋を渡り、都幾川沿いに続く県道172号へ。



 県道を下り、山波渓谷に近い越瀬橋を渡る。それにしても車が少ないね。



 この細い急坂を行くんだ。「急坂のため自転車の通行はできません」と書いてある。無論のこと、こんな急勾配をペダルをこいで上るつもりはないよ。



 坂を上る前に振り返ると、こんな長閑な里の景色だ。



 自転車を押し上げた坂の上には神社の建物があった。八幡神社というようだよ。



 生越梅林の方へ向かう途中にはこんな施設があった。自宅のお風呂でのんびり温泉気分を楽しめるね。



 ここから生越梅林までは下りだよ。



 生越梅林だね。もちろん梅の花の季節ではない。



 アジサイ街道を行くよ。素敵な名前の道だね。





 この分かれ道を左へ行くんだ。さあどんな道かな。





 かなりの勾配の上り坂が続くよ。やれやれ。しかも長い。



 これが山猫軒か。営業しているのだろうか。



 山猫軒を過ぎたところから道の舗装が荒れたザラザラのコンクリート舗装に変わり、これまで以上に勾配がました。ものすごい急勾配だ。とてもペダルをこいでは上れない。おしてのぼるのが精一杯だよ。



 やっと頂上にたどり着いてほっとした。もちろん下りも急勾配だ。ブレーキシューを新品に変えておいてよかったよ。



 龍穏寺に着いたようだね。





 龍穏寺の山門だ。いつかは見てみたいと思っていた山門だよ。古刹の雰囲気が漂っている。杉木立の中に続く山門までの石畳も素晴らしい。





 山門を入ると、石段の手前に聖観音像が立っており、その横に江戸城外濠の石というのがあった。この石は江戸城外濠に架かる神田橋橋台に使用されたものだそうだ。



 石段をのぼると太田道灌の像が立ち、その後ろに本堂が見える。





 県指定有形文化財の鐘楼と銅鐘だ。



 龍穏寺で足を止めたので先を急ぐよ。



 とてもいい雰囲気だ。沢の水音が絶えず追いかけてくる。
 こんなのんきなことを言っていられるのも実は今のうちなんだ。





 勾配が全然緩くならない。



 岩にいろいろな名前がついている。無理につけたような名前だけれど。



 細い滝の水が落ちている。滝の姿にピッタリの名前だね。





 ゴリラ岩というのはどの岩のことだろう。 2本の杉の後ろにある大きな岩のことかね。





 こんな名前の付いた岩もあった。よくわからないけれど。



 岩より水の流れのほうがきれいでいい。



 ここまでもかなりの勾配を上って来たけれど、林道の急勾配はこれからが本番だな。覚悟しろよ、みみ爺。



 おや、静かな山の中に気持ちのいい水音を響かせているよ。



 少し行くとまた堰堤があった。今度は下から見上げる形だ。なかなか迫力があっていい。



 それからまたどんどこ上って行くと道の先が明るくなってきた。木立の間から遠くの稜線が見えるようになる。だいぶ上って来たんだね。
 野末張見晴台に着いた。いい眺めだよ。こういう景色に出会うからみみ爺は坂を上るんだ。





 見晴台はこの階段の上にあるんだね。ふ~ん、「のすばり」と読むんだね。上ってみよう。



おお~、素晴らしい。



 時間はすでに1時半を過ぎている。こんなに時間がかかるとは思っていなかったよ。
 景色を眺めながら買ってきたおにぎりをいただく。



 野末見晴台からもまだまだ急勾配が続いて、とうとう両足の太ももに痙攣が起き始めた。せっかく付け変えた乙女ギアーもここでは役に立たない。自転車を降りて押して上がった。
 少し歩いて、また自転車にまたがると40メートル~50メートルほどは少し楽に走れた。しかし、それからまた太ももが痛みだした。痛みは最初より強くなっている。歩いて自転車を押している分には大丈夫そうだ。
 峠まではまだかなりありそうだが、歩くことにした。見晴台から20分くらいかかったろうか、なんとか林道梅本線の終点にたどり着くことができた。疲れた。林道梅本線がこんなにきついとは思わなかった。考えて見れば、標高200メートル付近にある龍穏寺から林道終点の飯盛峠の標高770メートルまで、ほとんど平たんな場所はなく、標高差550メートルほどをいっきに上って来たのだ。10%からそれ以上の勾配が6キロ余り続いたんだから、きついに決まっているよ。龍穏寺を出てから昼食時間15分ほどを除いてもざっと1時間半かかったんだ。
 この林道梅本線はヒルクライムのコースにもなっているそうだよ。
 みみ爺はもう73だ。よく頑張ったよ。誰かが言った言葉で申し訳ないが、自分を褒めてやりたい。



 さあ、ここからは下り基調の奥武蔵グリーンラインだ。先を急ごう。もうそろそろ2時半だ。暗くなる前に予定のルートを走りたい。



 下り基調の道だが、小さな上り返しはある。
 距離のない上り返しはなんとかなったが、少し長い上り坂になると太ももが痛み出すんだ。



 不動茶屋跡展望所だ。ここからの眺めもいいね。



 上ったり下ったりを繰り返し、なんとか花立松ノ峠を過ぎ、黒山展望台を過ぎ、傘杉峠も過ぎた。そうして顔振峠へ向かう上り返しに来ると、とうとう両足の太ももの痛みが限界になった。太ももの筋肉が攣って固まってしまった。足を曲げることもできず、自転車から下りることもやっとだった。立っていることもできない。両脚が棒のように突っ張った状態だ。棒のようになった足を運び、なんとか崖際の縁石に腰を下ろした。
 しばらく休んでいると痛みは治まり、歩けるようになったので自転車に戻った。
 少し前に国道へ下れる林道八徳入線の入り口があったのを思い出した。時間も時間だ。この頃は日暮れも早い。予定していた林道関の入線まで行くにはまだまだ上り返しがいくつもある。今日はもう無理せず下へ下りよう。そう決心して思い切って道を戻った。
 林道八徳入線はずっと下りだ。しかも想像していた以上に素敵な林道だった。とにかく雰囲気がいい。景色もいい。予定を変更して正しかったと思った。思いがけず素晴らしい林道に出会ったからだよ。





 これが「八徳の一本桜」というのか。立派な桜の木だな。春に訪れてみたいね。



 静かな沢沿いを下って行く。



 国道299号へ出て、立ち話を入ていた地元の人に駅までの道を尋ねた。
「信号があるから、そこを左へ橋を渡り右へ行くんだ。すると法光寺というお寺の入り口があるから、その横をカーブして上って行く道を道なりに行くと駅に着くよ」 
「丁寧に教えていただきありがとうございます」
 無事吾野駅に着くことができた。
 楽しかったが、ものすごく疲れた一日だったよ。
 八徳入林道はいい雰囲気でほんとに素晴らしかった。お疲れさん、みみ爺。

 この3日後、みみ爺は急性心筋梗塞で救急車で病院に運ばれたんだ。緊急手術後集中治療室に3日いて、その後循環器内科病棟に移され、都合2週間入院してやっと退院したところなんだ。神様が「お前はもう少し生かしてやる」とおっしゃったんだと思う。神様ありがとう。また自転車に乗れるんだ。
 これは病室からの夕景色だよ。なんて素敵なんだろう!生きていてよかった!



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