Randonneur旅日記

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ふたたび群馬県の限界集落・南牧村へ行った    2019年11月3日 日曜日

2019-11-11 08:13:26 | ハイキング
 5月に訪ねてから半年振りだ。南牧川の川筋を辿って歩く。とてもワクワクする。
 歩くのは、もちろん、車の頻繁に通る県道側ではなく、川を挟んだ対岸に続く裏道だ。
 5月に来たときは、民宿月形園から道の駅オアシス南牧までは歩いた。今回はその先も含めてすべてを歩く考えなんだ。
 今日は下仁田駅から南牧村の月形園まで歩き、明日は同じ道を引き返す計画だよ。
 なぜそんなに南牧川にこだわるのか。5月に来たときの南牧川の美しさと、川沿いのその道の静かな雰囲気がたまらなく気に入ったからだよ。




 上信電鉄・下仁田駅に着いたのは昼少し前だ。
 着いたらまず、タンメンと餃子を食べようと決めていた「一番」というラーメン店へ向かったが、今日はあいにく休みだったんだ。
 さてそれではどこの店に入ろうかと悩んでいたときに、地元の人に「きよしや食堂」を教えていただいた。
 教えていただいた道を行ってみると、店の前にはすでに人が並んでいた。この店はカツ丼が人気のようだ。
 店に入ると、自分たちも人気の「下仁田カツ丼」を頼んだんだ。
 どんぶりのご飯の上に、上州豚肉のカツが贅沢に2枚ものっている。肉はとてもやわらかく、味は申し分ない。人気店のわけがわかる。



 カツ丼に満足し、店を出て路地を進むと、こんな六地蔵があった。龍栖寺というお寺のようだ。手を合わせ、旅の安全をお願いして歩き出す。
 さあ、出発だよ。南牧村の民宿・月形園まで、10キロほどの道のりだ。



 八千代橋からの鏑川の景色だよ。



 さらに道を進む。左の大きな塊は大崩山というらしい。



 いよいよ県道を離れ、南牧川をはさんで県道と平行して続く裏道へ入るよ。車もバイクも入ってこない静かな道だ。



 少し行くとこんな水場があったよ。山の水だろうがあまり冷たくない。



 とてもいい感じの古い吊り橋だが、すでに橋面の板が落ちている。



 静かな道は続く。対岸の県道を走る車の音もほとんど聞こえてこない。





 古い庚申供養塔がある。年月を感じさせるね。



 11月に入ったので紅葉も始まっているだろうと期待していたが、今年は気温の高い日が続いていたせいか、山の上の方で葉の色がいくらか色付いてきているくらいだ。



 段差を勢いよく落ちる本流の向こうに見えるのは魚道というのだろうか。あんな急流を魚は遡上できるんだろうかね。



 南牧川の水の色は、5月に見たときとは違う。まだ台風の名残が消えてはいないようだ。とても濁っているよ。最初に見た鏑川の水の色とはぜんぜん違うね。



 養蚕が盛んに行われていた頃を偲ばせる造りの家が多く見られる。今は養蚕はおろか、人も住んでいない家が多い。



 道の舗装は切れて、土混じりの砂利道に変わった。左手は崖のような急斜面に杉の木が立ち並んでおり、下のほうに南牧川の急流が見え隠れしている。道の端が崩れそうで怖い。山側によって歩く。





 700~800メートルも歩いたろうか、ようやく未舗装の暗い道を抜けてホッとしたよ。





 台風の雨で崩れたのか通行止めとなっていたけれど、横をすり抜けて通った。



 水は相変わらず濁っている。地元の人にきくと、
「こんなことは今までになかったね。いままでは濁っても水はすぐにきれいになったよ。こんなことは珍しい」
 と、腕組みをして流れを見ている。





 見覚えのある美容室があったよ。
 月形園のおかみさんのお姉さんとご主人が笑顔で出てきた。
「お茶を一杯飲んでいってください」
 しきりに勧める。
「怖かったですね。水と一緒に石がごろごろ転がる音が響いてくるんですよ」
 台風の大雨で南牧川の水かさが増したときの様子をそう語った。
「水は川幅一杯に、道のすぐ下まで来ていました。この辺の人はみんな避難したんですが、私たちは家の横の川がいつ溢れるか心配で家にいたんですよ」
 家のすぐ横に、山から急流で流れてくる細い川があり、家の前の南牧川に落ちている。 
「いつでもすぐ避難できるように車にいろいろ積み込んで様子を見ていたんですよ」
 30分ほどお邪魔して失礼すると、ふたたび歩き出したよ。距離はまだ半分もある。暗くならないうちに宿に着きたい。

 小沢橋から道は黒滝山のほうへ向かう県道202号に合流するが、500~600メートルほど行ったところで大塩沢川に架かる小さな橋を渡ると、また南牧川に沿った道にもどる。
 その橋の手前に、「住吉の滝」という道標があったので降りていくと、岩の間を落ちている滝があったよ。落差はおよそ5メートルと小さいが勢いがあり、水の音も静寂を割るすさまじさだった。「南牧村滝巡り」ガイドのパンフレットにも載っている滝の一つだ。



 足が少し疲れた頃、先方に14%勾配の上り坂が現れたよ。



そして同じ勾配の道を今度は下り、夕暮れせまる静かな景色の中を行くよ。



 5月に来たときにはちゃんとあった橋だが、台風の大雨に壊されたんだろうか。



 対岸の県道には車やバイクがものすごいスピードで走っていく。しかしこちらへはその音もほとんど届かない。とても静かだ。



 安養寺の六地蔵だよ。



 県道へ渡る橋だ。人は通ってもだいじょうぶそうだね。



 橋の上から上流を望む。だいぶ暗くなってきたよ。



 県道側の橋の袂が崩れていた。なるほどこれが通行止めのわけだったんだね。



 大日向の県道はすっかり日が暮れて暗くなっている。
 虹の大橋を渡れば民宿・月形園はもうすぐだよ。





 「お疲れ様。先回りしていましたよ」
 先ほどお会いした月形園のおかみさんのお姉さんが笑顔で迎えてくれた。そのあとでおかみさんもニコニコした顔を見せた。元気そうでよかった。
 きれいな部屋に通された。コタツが用意してあったのはうれしい。



 夕食はやっぱりすばらしい。おかみさんとおかみさんのお姉さんの、温かい心のこもった手料理だよ。
 おっ切り込みうどんも、鮎の塩焼きも、上州豚肉もとてもおいしい。
 柚子味噌をつけて食べたえび芋はみみ爺にはじめてだった。大きな花豆は甘くやわらかく煮てある。
 ずらりと並んだお料理はすべて上品な味付けで、濃くも薄くもない。家内とおかみさんの料理話はいつまでも尽きることがなかった。



 もちろん翌日の朝ごはんも言うことなしだ。なかなか手に入らないという山くらげは噛んだときの触感も味付けも特別だったよ。
 みみ爺は若い頃、塩鮭の細い骨がのどに刺さって、自分ではどうにもならず医者にとってもらったことがあるんだ。それ以来鮭の切り身はどうも苦手になった。家で食べる鮭の切り身には必ず隠れている細い骨があるのに、この塩鮭には不思議と骨が一本も隠れていない。やわらかくて味のしっかりした美味しい鮭だ。焦げ目もなく、どうしたらこんなふうにおいしく焼けるのか不思議だよ。
 それに、ベーコンエッグに野菜サラダ。たっぷりのおかずでご飯が進む。
 やっぱり月形園の食事は最高だよ。





 昨日は曇っていたけれど、今朝は晴れて青空だ。
 今日もまた同じ道を駅まで歩くつもりだよ。昨日とはまた違う景色が見られるだろう。
 おかみさんとおかみさんのお姉さんに見送られて出発したよ。



 民宿の前、川向こうの姿の良い2本の銀杏の木はほんの少し色付いてきていた。
すっかり黄葉するのももうすぐだろう。



 空気はかなり冷たい。



 虹の大橋から西の空を見ると、空に槍を突き立てたような碧岩、大岩の姿が目を引く。



 川は相変わらず今日も濁っている。おかみさんも言ってた。
「こんなにいつまでも濁りが取れないなんてことは一度もなかったですね」



 昨日渡った通行止めの橋だ。この橋の上からも碧岩、大岩がきれいに見えるよ。





 昨日は寄らなかった安養寺だよ。そして昨日も見た六地蔵。





 5月に来たときもこの場所で同じ景色を写していたが、そのときの写真と比べてみてもやはり水の色が全然違う。いま目の前の川の姿はなんとなく殺伐としている。



 それでもこの道を歩くのは楽しい。南牧川を包んだ景色が次々と変化するんだ。飽きることがないよ。





 これもかつて養蚕が行われていた家だね。今は誰も住んでいないようだよ。



 いい道だなあ。







 道の真ん中に蛇がいたんだ。小石を投げたり、地面をけったりして驚かそうとしたが、まったく動く気配がない。仕方なく、道の端を恐る恐る通ったよ。家内はもちろんみみ爺もおっかなびっくり。蛇は嫌いだ。



 このあたりからは未舗装の山道になる。それこそまた蛇に遭遇しそうでなんとなく怖い。





 杉木立の斜面の下には南牧川の濁ったの水面が見えるよ。滑り落ちないように山際をそろそろ歩く。





     (未舗装部分は西北西側から山が迫ってきているあたり)



 案内板のそばに地元の人がいた。説明してくれたが、素人にはなかなかわからない。







 その人は高崎に仕事と家があり、
「休みにはこの近くの実家にもどってきているんですよ」
 指差す方を見ると対岸の県道側に家々の屋根が密集している。
「たくさん家があるんですね」
 と家内。
「家はあっても人がいないんですよ」
 ほとんどが空き家になっているという。
「子供たちは町へ出て行って、ここに残され年をとった親たちも自然にいなくなる」
 自然にいなくなる、という言葉には悲しい響きがこもっている。

 流れは濁っているけれど、景色はとてもいいよ。行きと帰りではまた景色も違う。







 5月に来たときに岩の上でおにぎりを食べた青岩公園だ。岩の上には台風の大雨で流されてきた大小の石がのっかっているよ。大雨の川の水は、巨大な岩を呑み込むほどだったんだね。







 昼少し前に下仁田の町に着いた。電車に乗る前に駅に近い「コロムビア」という店で食事をした。帰りには必ずここへ寄ろうと決めていたんだ。テレビドラマの「孤独のグルメ」という番組に出てきた人気店だ。この店も常に行列ができているそうだよ。
 一番人気の上州豚肉のすき焼きだよ。値段もリーズナブルだ。





 次に来るときは、昨日食べられなかったラーメン店「一番」のタンメンと餃子をぜひ食べたいね。

 みみ爺が勝手に決めたハイキングルート。歩いてそれほどきつくもなく、そして決して飽きることのない景色がつづく。そんな南牧川の川筋に沿って歩くルートはとても楽しかったよ。


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今年もまたシベリヤから渡ってきたよ      2019年11月6日 水曜日

2019-11-06 15:54:27 | サイクリング・自転車旅
 今朝はとても冷えた。
 そろそろ白鳥がやってくるころだよ。印西市本埜村の白鳥の郷へ行ってみることにした。 
 空気の冷たさで、冬の近づいていることが感じられる。



 雲ひとつない青空に、とんびが頭の上を飛んでいるよ。





 来ていたよ。初めて飛来したのは昨日だそうだ。今朝飛来したのとあわせて27羽だそうだよ。





 3000キロの長旅をおえてきたその姿と顔がとてもいじらしく思える。



 グレーの羽の色をした幼鳥も混ざっている。



 何か温かいものに触れた思いで帰途に着いたよ。

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ドラマ・秋の日、秋の夕暮れ           2019年10月30日 水曜日

2019-11-01 08:23:49 | サイクリング・自転車旅
 晴れた秋の日はドラマだね。
 観客はそのドラマの一幕一幕に目を奪われ、心をわしづかみにされる。

 ひっそりと揺れるススキにも…



 道端に佇む柿の木にも…



 澄んだ空に広がるうろこ雲にも…





 ドラマのクライマックスは日没だろうか。





 そしてドラマはエピローグをむかえる。
 観客は感極まり涙する。





 やがて、静寂と虫の声とともに静かに幕は下りる。
 観客は劇場に来たことをよろこび、ドラマを観ることができたことに感謝して、そっと席を立つ。


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高麗川、越辺川橋巡り            2019年10月20日 日曜日

2019-10-26 08:10:37 | サイクリング・自転車旅





 天気予報では晴れるということで出かけてきたけれど、もうすぐ10時になるというのに青空の見えてくる気配はないよ。
 今日は、一年前から考えていてルートを辿ってみるつもりなんだ。しかし、先日の大きな19号台風の後だから、渡れない橋があるかもしれない。
 自転車を組んでいる間にも次の電車が到着して、大勢の登山者やハイカーなどがあちこちに集まって人数確認などをしている。




 空はなかなか晴れてこない。風は少し冷たいよ。しかしこのくらいがちょうどいい。
 出発してすぐ、県道15号へ出て巾着田へ向かったよ。
 巾着田を流れる高麗川は、台風の大雨の名残で未だにひどく濁っている。なんでも、台風が来た12日には巾着田すべてが激しく流れる水の中に沈んでしまったらしい。そのときの様子をうかがわせる傷痕がまだそこここに残っているよ。



 それでも水はだいぶひいていて、休日だからかたくさんの人が河原にテントを張っている。



 大雨で多少崩れたかもしれない崖の様子だ。



 「あいあい橋」の上からの流れの姿だ。水が濁っているのがよくわかる。本来は澄んでいてとてもきれいな水らしい。



 巾着田をあとに、清流橋へ向かう途中に眺められた日和田山の景色だよ。今日は山へは行かない。ほとんど川沿いの水平移動だ。のんびり走ろう。



 清流橋だ。この橋は台風の大雨でも無事だったようだね。でも、橋の上まで水がきていたことは橋の袂に堆積している小枝などのゴミでうかがえる。





 これは高岡橋だ。
 橋の近くの家の前で何か片付けものをしていた人に尋ねると、
「橋の上まで水がきていましたね。音もすごかったですよ。このあたりの人はみな避難しました」





 獅子岩橋だよ。この橋も大丈夫だったね。頑丈そうな橋だ。



 日高市を流れる高麗川にはいい雰囲気の狭い橋がいくつかあるんだ。橋脚は鉄やコンクリート製だが、橋面は木製の橋だ。そうした橋は地元では通称「ガタガタ橋」と呼ばれているようだよ。そんな橋を見るのが楽しみだったが…
 新井橋。一つ目のガタガタ橋はこの有様だった。こんな無残な姿になっているとは予想もしていなかった。残念だ。なんだかとても悲しい姿だね。





 仕方なく次の橋へ向かう。
 途中、高台にある寺、聖天院の屋根が見えたよ。奈良時代に創建された古い真言宗のお寺だ。いつか訪ねてみようかね。



 出世橋だよ。濡れて水がしみた欄干がなんだか淋しく見える。





 江戸時代の古民家・高麗家住宅を横目に先へ行く。



 二つ目のガタガタ橋・新堀橋も流されていたよ。ほんとに残念だ。



 新堀橋が渡れないので、カワセミ街道を進む。
 石灰石を運ぶベルトコンベアーの下をくぐる。



 富士橋だよ。こんなに広いのに車がほとんど通らない静かな橋だよ。



 この富士橋の隣には、平行して県道30号の平沢橋がある。新しい平沢橋のほうは県道ということもあって、かなりの交通量だ。



 あれは先ほどカワセミ街道を横切っていたベルトコンベアーだね。



 県道30号の平沢橋の上から見た高麗川下流の風景だよ。青空がのぞいているよ。このまま晴れ渡ってくれればいいがね。



 八高線の踏切を渡る。空はまだ雲がいっぱいだよ。線路と線路脇のススキの姿がもの淋しい。



 三つ目のガタガタ橋、久保の下橋へ向かう途中のT字路にあった青面金剛だよ。久保の下橋が無事でありますようにと手を合わせて通る。



 この先に目指す久保の下橋があるはずだが、なんとなく不安がよぎる。



 やっぱりここもだめなのか?



 さらに先へ進むと、久保の下橋の無残の姿が目に飛び込み、思わず息を呑んだ。
 三つのガタガタ橋はすべて全滅だ。
 みみ爺はひどくがっかりしたのと同時に、こうした被害を目の当たりにして、台風19号の大雨のすさまじさを実感した。



 気を取り直して先へ進むことにした。
 少し引き返して高麗川橋を渡る。
 これが高麗川橋だよ。そして八高線の青い鉄橋だ。





 なんとなく気持ちが沈む。
 途中、広場になってる空き地で、地元の小さな祭りに出会った。ローカル色の濃い祭りの様子に少しだけ気持ちが晴れたかな。


 
 多和目天神橋へ向かう。この橋は今日最初の沈下橋(冠水橋)だ。
 …しかし、多和目天神橋も通行止めになっていたよ。
 ガタガタ橋は、どれも渡ることもまともな姿を見ることもできなかったけれど、この多和目天神橋は、渡ることはできなくても、雰囲気のあるその姿を見ることはできた。まあよしとしよう。





 多和目天神橋のところからはコンクリート舗装の遊歩道が続いていたのでそっちへ進んでみることにした。
 遊歩道脇の草がみな川下の方へ倒れている。ここもあふれた水が激しく流れていたんだね。



 少し行くと、反対側から地元の人がガシャガシャとチェーンの音を立てる錆びたママチャリに乗ってやってきた。
「この先は砂に埋まって走りにくいですよ。頑張って行ってください」
 なるほど、遊歩道はその先ですっかり深い砂に埋もれていたよ。
 タイヤも靴も砂にもぐりこんだが、なんとか自転車を押して多和目橋にたどり着くことができた。



 この橋は橋脚がコンクリートと鋼管でできているが、橋面は木製だ。車が通るとガタガタ音を立てる。これも「ガタガタ橋」ということになるのかな。



 森戸橋へ向かう途中、道の真ん中にポツンと立つ秋葉神社というのがあったよ。鳥居もなく、小さな社をそこにポンと置いたような感じだ。背後には高麗川が流れている。不思議な神社だ。





 先へ進むと高麗川に沿ってふたたび遊歩道があったんだ。水もひいているし、コンクリート舗装の道なので自転車で走れそうだ。



 しかし、進むにつれて道は怪しくなってきた。
 とうとうこんなぬかるみに行く手を塞がれてしまった。仕方なく右手の草の上を、ズブズブ靴を沈ませながら自転車を押して、やっとのことで乗り切ることができたよ。



 そして森戸橋に出た。狭いが車や自転車が頻繁に通り、通学路としても使われているようだ。現在、すぐ横の川下側に新しい橋の工事が進んでいる。
 新しい橋ができても、こちらの橋は残しておいてほしいなあ。



次の万年橋へ向かう途中、田んぼの中をくねくねと続く道のY字路の桜の木の下に、吉原地蔵というのがあったよ。詳しくは知らないが、なんでも江戸中期、吉原の遊女の霊を慰めるために巡ってきた僧がここで亡くなった。行き倒れになった僧と吉原の遊女の霊を祭ったのだそうだ。



 こんなのんびりした道を進む。曇っているが雨は降らない。まあまあだ。



 万年橋だね。県道114号にある橋だよ。



 この辺からは堤防の上に道があるので、そこを走ることにした。走りやすいが少し退屈だ。

 のんびりとペダルをこぎながらとりとめもなく考えた。みみ爺にとって橋とはなんだろう。どうして橋に興味がわくのだろうか。
 小さな川の小さな古い橋にはその土地の歴史や生活観がにじみ出ている。それを感じるのが楽しい。
 大きな橋の場合、川の対岸にはこちら側とはまた何かが違う風景、景色、人々の生活があるにちがいないと思う。その何かが違う町や風景の中へ続いている道が橋だ。橋を渡る時、なんとなくワクワクするのは、そんなまだ知らないところへ入っていくという小さな期待感からかもしれない。
 いずれにしろ橋を渡るのは、その橋の上からの眺めもまた楽しい。



 ほどなく若宮橋という沈下橋(冠水橋)に着いた。
 沈下橋はやっぱりいいね。風景の中に自然に溶け込み、とてもいい雰囲気だよ。





 自転車に乗って渡ってしまうのはつまらない。ゆっくりと歩いて渡ることにした。





 橋の中ほどからの上流の様子だ。



 左岸へ渡ってからも堤防の上を走っていくよ。たった今渡ってきた若宮橋が上流に見える。



 堤防上の道は走りやすい。遠い山並みも見えて気持ちがいい。







 高麗川大橋だ。関越自動車道の大きな高麗川橋のすぐ先だよ。





 対岸に打ち上げられているのはどこかの橋の残骸だろうかね。



 きれいなライトグリーンの橋が見えてきたよ。
 粟生田大橋だね。



 さらに堤防上を進む。



 北坂戸橋だ。堤防下には台風の大雨で流されてきたのだろう、大きな木の枝などが打ち上げられたまま残っている。



 この北坂戸橋を渡って右岸へまわるよ。
 東武東上線の鉄橋だね。空がいくらか明るくなってきたよ。



 国道407号の高坂橋だよ。



 さあ、島田橋だ!完璧に木造の沈下橋だよ。
 この辺では冠水橋というらしい。正式な名称は潜水橋とか潜り橋とかいうそうだよ。
 それはともかく、みみ爺はこんな橋が見たかったんだ。
 上流側に斜めに突き出した丸太は、冠水時の流木やゴミから橋を守るための流木除けだね。



 さあ、この橋の中ほどまで行ってみよう。





 とても満たされた気持ちでペダルを踏むよ。
 柿の実が秋の深まりを感じさせるね。



 あれは水管橋だね。青空が見えるよ。



 堤防下の河川敷には大きな木が根こそぎ倒されている。すごい水の勢いだったんだね。



 青空と同じ色の天神橋だ。きれいな色だな。



 さらに堤防上を進む。青空が見えてくると気持ちも明るくなるよ。
 道は砂利道になり、草の道になる。





 高麗川は都幾川と合流して、越辺川と名称が変わった。
 八幡橋だね。こちらも木製の沈下橋だ。水に潜ったのだろうが無事でよかった。





 橋を渡るよ。いいねえ。







 ふたたび左岸にもどり堤防の上を走っていく。砂利道が続く。



 河川敷の草がすべて川下方向に押し倒されている。水の勢いがよくわかるね。



 これは道場橋だ。心霊スポットという噂もある橋だ。言われてみればなんとなく暗い感じがしないでもないよ。





 落合橋の手前に、テレビの台風被害のニュース映像にも出てきた建物が見えるよ。あそこが大きな被害をもたらした堤防の決壊現場なんだね。復旧工事はだいぶ進んでいるようだよ。



 落合橋だ。国道254号の橋だよ。





 そして釘無橋だ。この先で越辺川は入間川と合流し、川の名称が入間川となるんだね。



 入間川となった川の堤防上をさらに進むよ。



 高麗川、越辺川、入間川と橋を訪ねて走って来たが、最後にこの橋を渡って、川越の駅へ向かうんだ。橋の名前は出丸冠水橋というらしい。狭い橋だがけっこう車も通る。







 川越の町を目指して田んぼの中の真っ直ぐな道を走る。



 本川越駅へ向かおうと思ったら、この人の多さだ。
 どうやら今日はお祭りのようだ。かなり広い範囲にわたって通行規制されていて、車はもちろん自転車も走れない。この人ごみの中、駅までの距離を自転車を押して歩きたくはない。



 警備をしている人に道を尋ね、通行規制された範囲を避けて大きく迂回し、なんとか東武東上線の川越市駅にたどり着いた。
 輪行の準備をしているあいだ、みみ爺の自転車を興味ぶかげに見ていた人に、
「すごい人出ですね」
「この駅はまだいいほうですよ。本川越駅はもっとすごいですよ」
「階段の下まで続いている行列は何でしょうね」
「あれは切符を買おうとしている人の行列ですね」
 本川越駅ほどではないということだったが、かなりたくさんの人であふれていたよ。やれやれ。

 今日は、日高市を流れる高麗川のガタガタ橋は見ることも渡ることもできなかったけれど、下流の多和目天神橋や若宮橋、越辺川の島田橋や八幡橋などのステキな沈下橋を見ることができて、ほんとに楽しかった。
 それにほとんど平地移動だったので疲れることもなかったよ。たまにはこんなサイクリングもいいかな。
 それにしても、19号台風の雨がいかに大きな被害をもたらしたかを今日一日で思い知らされた感がある。
 この台風で被災した皆様、どうか負けないでください。
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秋深まる手賀沼             2019年10月9日 水曜日

2019-10-10 10:03:10 | サイクリング・自転車旅
 日の光、空、風。空気が美味しい。
 あまりに天気がいいので午後になって出かけたんだ。
 暑い。そろそろ10月も半ばにさしかかろうとしているのに日差しは夏のようだよ。
 暑い夏、寒くない冬、巨大な台風、大雨。地球が何かおかしくなっていると感じるのはみみ爺だけじゃないだろうね。
 温暖化などで、ヒマラヤの氷河だけで毎年数億トンが解けているという。南極の氷は、なんと年間2000億トン以上が失われているそうだ。そしてそれは現在も増え続けているという。
 氷河が解けつづけているのはアルプスでも、ノルウェーでも、グリーンランドでも、カナダでも同じことだ。
 地球は「滅び」へと向かっているのだろうか。

 手賀沼へ向かうみちすがらの風景には、それでもなんとなく秋色が目立つようになってきたね。少し前までは、取り残されたように稲刈りの済んでいない田がちらほら見られたが、今はすべて刈られて明るく広がっている。



 公園も、いつの間にか夏の青々とした色が消えているよ。静かな秋の午後の日差しに満ちている。





 手賀沼の岸辺にも、枯れ葦やススキの穂が目立つ。今日は空がきれいだね。





 もうすぐ4時だ。お寺の観音様にもやわらかな西日が当たっている。みみ爺はいつもここで手を合わせるんだ。



 この間まで咲いていた彼岸花はすでに枯れてしまったよ。



 一週間ほど前はまだこんな感じだったんだ。



 手賀沼の彼岸花もこうだった。



 今日はほとんど雲がないまま日が暮れていく。青い空がとてもきれいだ。空気がいつの間にかひんやりとしてきたよ。やっぱり10月だね。





 日が沈むよ。



 日が沈むと、あたりが急に静まり返ってきたように感じる。





 青い空、心地よい風、美しい夕暮れ、そして澄んだ夜空。 
 日が暮れると同時に、草むらで虫の鳴く声が聞こえ始めたよ。虫たちはどうしたあんなに一所懸命に鳴いているのだろうね。美しい自然とともに今を生きている短い命を、惜しむように確かめてでもいるのかな。

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