Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
輪行サイクリングと
のんびりポタリング

群馬県の限界集落・南牧村へ行った。         2019年5月3日 金曜日

2019-05-13 17:54:39 | ハイキング
 蝉の渓谷。





 5月連休の後半、高崎線、上信電鉄、南牧ふるさとバスを乗り継いで、みみ爺は家内と一緒に南牧村を訪ねたんだ。去年の秋、自転車仲間の一人と御荷鉾スーパー林道を走る前日に一泊した民宿へもう一度行ってみたいと思ったのと、美しい渓流の南牧川沿いの道を自分の足で歩いてみたいと考えたからだよ。



 下仁田駅から小さなマイクロバス(南牧ふるさとバス)に乗って、「蝉の渓谷」まで来た。





 観光パンフレットに紹介されているとおり、見ごたえのあるみごとな渓谷だったよ。





 蝉の渓谷をあとに、県道を歩いて下っていく。とにかく今回はなるべく歩くつもりで来たんだ。
 山は新緑に覆われている。川はとてもきれいだ。





 集落の姿は素朴でとてもいい雰囲気だね。しかし人の姿が見当たらない。
 南牧村は日本一高齢化の進む限界集落だ。テレビのニュースか何かでそんなことを報じていたのを思い出しながら眺めると、5月の日ざしをいっぱいにあびている明るい集落の景色がどこか淋しい。



 民宿の近くの川沿いの崖の上にあった庚申塔だよ。旅情を感じるね。



 民宿・月形園のお風呂は二階にある。大きな窓の外には南牧川のきれいな姿を見下ろすことができるんだ。宿に着いてすぐそのお風呂に入り、夕食までの時間河原へ降りてみたよ。南牧村には、夏場、子供たちの水遊びができるスポットがたくさんあるというパンフレットの案内が納得できる。





 宿の夕食は、低料金の民宿とは思えないほどの品数があり、とても豪華だよ。
「今日は特別に多いんですよ」
 と、おかみさん。
「おお~っ!」
 私たちのほかにオートバイのツーリングで来ていた若い人たちの声だ。



 このほかに郷土料理の「おっきりこみうどん」というのがつく。これがまたとてもおいしい。



 みみ爺は全部食べ切れなかった。残した料理をオートバイ・ツーリングの若い人たちに食べてもらったんだ。
「いただきま~す!」
 気持ちよく引き受けてくれたよ。
 料理の味付けはどちらかというと薄味だが上品な味付けでとても美味しい。
 こちらの民宿は、おかみさん一人で切り盛りしているということだった。子供たちは東京へ出てしまっているそうだよ。しかし、忙しいときには近くに住むお姉さん夫婦が手伝いに来てくれるという。今日も来てくれている。とてもてきぱきとした気さくなお姉さんだよ。
「南牧村のよさがもっと広まって、お客さんがたくさん来てくれるといいですね」
「たくさん来てくれなくてもいいわよ」
 本業を持つお姉さんは笑いながらいう。

 部屋は、テレビのある居間とは別に隣に寝室が用意してあった。もちろんシーツや枕カバーは清潔で、布団も温かい。ゆっくり休むことができるよ。
 村に現れる動物たちの話が出たとき、
「鹿の鳴き声は、何というかもの悲しく聞こえるんですよ」
 と、おかみさん。
 秋に来たとき、みみ爺はその声を聞くことができたけれど、今回はぐっすり眠ってしまって聞くことができなっかた。

 翌朝、宿の前の河原に立つ二本の銀杏の木を見ると、萌え出たばかりのやわらかな色の新緑に包まれていたよ。秋に見たときは、きれいに黄葉していてとても美しかった。形のいい姿をした銀杏の木なんだ。



 今日は南牧川に沿って下仁田の町まで10キロほど歩いていくつもりで宿を出たんだ。昨日に引き続きとてもよく晴れているよ。



 県道を歩かなければならない箇所が二つほどあるが、それは数百メートルほどで、あとは県道とは川をはさんで反対側の、ほとんど崖伝いに続く静かな道だよ。県道と違い、車はまったく来ない。どこまでも続く渓谷のような南牧川の美しい景色を右手に眺めながら歩くことができるよ。



 みみ爺は、とにかく南牧川沿いを歩きたいと、以前から思っていたんだ。





 低いガードレールが一本あるだけの、崖っぷちにずっと続く道なのだ。まるで渓谷といってもいいほどに美しい流れに見とれて足を運んでいると、ついガードレールすれすれを歩いていて怖い思いをする。







 岩山も新緑に包まれている。



 すばらしい景色だね。



 道の駅に寄るために県道側へ橋を渡る。かなり古い橋で渡るのがちょっと怖い。



 どこまで行っても渓谷のようなきれいな南牧川だ。



 道の駅「オアシス南牧」には連休ということもあって、たくさんの観光客が訪れていた。ほとんど車できている人たちだ。
 道の駅を出て、しばらくのあいだ県道を進み、対岸へ渡るために次の橋を渡って歩いていると、不意に後ろから女性の声に呼び止められた。振り返ると、民宿のおかみさんのお姉さんだった。
「そろそろ通るかと思って待っていたんですよ。ちょっと上がってコーヒーでも飲んでいってください」
 道を急いでいたけれど、お姉さんの親切を断るわけにはいかない。
 こざっぱりしたまだ新しい美容室内のテーブルで、ドリップ式で本格的に入れてくれた美味しいコーヒーをいただいた。
「結局仕事がないから若い人たちはみんな都会へ出て行っちゃう」
 南牧村では、移住を希望する若い人たちを呼び込むために、空き家を新築物件のようにリフォームして、驚くほどの低い賃貸料で貸すなど、いろいろと考えているようだ。
「移住してくる若い人もいるんですよ。でも、なかなか周囲と馴染めないでまた出て行ってしまう方もいます」
「どんどん若い人が入ってきてくれるといいですね」
「そうですね」
「いいところだと思うんですけどね」
「何も無いところですよ」
「何も無いところがいいんですよ。何か昔の日本の姿があるようで」
 と、家内。
「それはそうですね。原風景といいますか、そういうのはありますね」
 と、お姉さん。
「秋にまた来たいと思っています」
「秋はきれいですよ、紅葉が」
 お姉さんは手作りのウドの味噌づけを出してくれた。ヨウジで刺していただくととても美味しい。家内はその作り方を熱心に聞いている。
「ウドは道の駅に売っていたんですけど、買ってきませんでした。どこかで見つけてぜひ作ってみます」
 家内が言うと、お姉さんは急に立ち上がって、どこかへ電話かけた。
 それからしばらくすると、ニコニコと優しそうな笑顔を見せながら男の人が入ってきた。お姉さんのご主人だという。手にはビニール袋を提げている。
「ウドを買ってきましたよ」
 お姉さんはご主人に電話をしたのだ。こちらの気持ちを聞くこともなく、すばやく手配してくれたお姉さんの行動はてきぱきとして驚くほど早い。
 ご主人が、ウドと一緒に買ってきてくれた、胡桃が上にのった美味しい蒸しパンをいただいていると、お姉さん夫婦はいろいろな話をしてくれた。
「最近この近くで空き家の火事が何件もおきているんですよ」
「付け火でしょうか」
「そうですね」
「ついこの間もすぐそこで」
「怖いですね」

 それからも、とりとめもなく話し込んでいるうちに、いつのまにか小一時間近く過ぎてしまった。
帰りの電車のことも気になるし、下仁田駅までまだ6キロほど距離がある。みみ爺と家内はお礼を言って出発することにした。
「駅の方に用事があって出かけるので、一緒に車に乗っていってください」
 お姉さんの申し出に戸惑ったが、せっかくそう言ってくれたので、
「それでは青岩公園までお願いします。そこで作っていただいたおにぎりを食べようかと」
 ご主人は笑顔で、先ほどの美味しい蒸しパンが入った袋を出して、
「これもどうぞ持っていってください」
 と、持たせてくれた。あまりにいろいろと気を遣ってくれるのでみみ爺たちはすっかり恐縮してしまった。
 お姉さんの運転する車に乗ると、あっという間に道を下って下仁田の町に近い青岩公園についた。
「いろいろと本当にありがとうございました」
「それでは気をつけて」

 暑いほどの日差しが降り注ぐ巨大な青い色の岩の上で宿で握ってもらったおにぎりを食べながら、
「お姉さん、私たちを呼び止めて時間をとらせてしまったので、気を遣って車で送ってくれたのよ」
「そうだね、近くに用事があるなんて言って」
「民宿のおかみさんも、お姉さんも、お姉さんのご主人も、いい人たちね」
「月形園、よかっただろう」
「秋にまた来たいわね」
「秋にまた来よう」



 駅に向かう途中、民宿の料理に出てきたこんにゃくを買って帰るため、教えてもらったお店を探した。
「下仁田で一番美味しいこんにゃくを作っているお店なんですよ。でも、そのお店は今月いっぱいで閉めてしまうんです。残念ですけれど」
 と、おかみさんもお姉さんも口をそろえて言った。
 下仁田の町をうろうろしてようやくその店を見つけた。大きな店だった。
「残念ですね。こちらのお店が一番美味しいこんにゃくを作っていると聞いて来たんですよ」
 みせにいた店員風の若い女性はちょっと返事に困った様子だったよ。

 無事に帰りの電車に乗った。
「秋にまた来ましょう」
 家内はさっきと同じことを繰り返す。みみ爺も同じ考えだ。
 とにかく南牧川が美しい。次に来るときは、今回ひょんなことで実現できなかった道の駅から下仁田までを必ず歩こうと思った。
 南牧村の民宿から下仁田の町までの南牧川沿いの道、県道側ではない山側の崖に沿った道を歩く。それだけでもすばらしいハイキングだとみみ爺は思う。
 南牧村にはすばらしい山や滝がたくさんある。山登りや滝巡りももちろんいいが、美しい南牧川に沿ってのんびとり歩くのも、距離も手距ごろだし、これはこれでかなりいいハイキングコースだよ。






 南牧村には何もないなんてとんでもない。山も滝もたくさんある。美しい南牧川があり、おまけに温かい人情もたくさんある。南牧村はすばらしい。
 頑張れ南牧村!頑張れ月形園!
コメント (8)
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奥武蔵・桂木観音、弓立山へ。平成最後のみみ爺一人旅。      2019年4月28日 日曜日

2019-05-06 07:39:00 | サイクリング・自転車旅
 天気は、平成最後そしてみみ爺69才最後の記念すべき輪行旅にふさわしい上天気だよ。
 今日は西武池袋線高麗駅から出発するんだ。時刻はちょうど9時、空気はちょっとひんやりするが、ペダルをこぎ出せばすぐに体は暖かくなるだろう。
 高麗駅前には、巨大な真っ赤な将軍標が青空に突き刺さるように聳え立っているよ。



 さあ、出発だ。



 道はカワセミ街道という。以前、6年ほど前になるが、奥武蔵グリーンラインを鎌北湖の先の林道権現堂線からスターとしたときに、この同じ道を同じ方向へ走ったが、その時はもっと車が多かったように記憶している。しかし今日は少ない。5月連休というのに…。
 山はもう冬の姿じゃない。すっかり緑に衣替えが済んでいるよ。もう新緑の季節だね。



 去年の5月5日、ちょうど今頃にも、黒山三滝を訪ねた帰りにここを通った。その時は向こうから走ってきたんだが、近くの民家の庭先にいたおばあちゃんに、
「あれは何ですか」
 と尋ねたのを覚えている。石灰石を運ぶベルトコンベアーだ。



 この道は宿谷のほうへ向かう道だけど静かでいい。本当に今日は走っている車が少ないよ。いつもこんなものなのかなあ。



 このあたりはもう宿谷というところだろう。なんとなく長閑で静かな景色だ。すぐに立ち去るのが惜しいような気がして一休みした。



 細いわき道へ入って行くと、いきなり山道に変わったんだ。引き返すのも面倒なので、ナビと地図を信じて先へ進むことにしたよ。もちろん自転車は押しだ。



 おやおやどんどん山奥へ入っていくよ。心配になって熊よけ鈴をぶら下げた。



 ようやく山道を抜けたようだよ。やれやれ。ここはどこだろう。
 なるほど、宿谷の地蔵尊の裏手だ。つまり近道を来たというわけだが、近道というのはいつもろくなことがないね。急がば回れというわけか。



 このへんは埼玉ゴルフ場だね。ゴルフ場の連絡橋だ。



 毛呂山総合公園の前で左へ。鎌北湖へは県道186号を行けば楽かもしれないが、車道を走るのも面白くない。



 県道と平行して鎌北湖まで続く遊歩道だよ。馬頭観音の傍で長閑な空気を味わう。いつまでも寝っころがっていたいような場所だ。



 緩やかな上りが続く。ここでも一休み。速く走るのがもったいない。



 道は次第に山の中へ入っていくよ。熊よけ鈴がいい音色で響く。



 小さな流れに沿うように上っていく。すてきな遊歩道だよ。





 あれ~っ。なんだあの坂は!
 鎌北湖の手前まで来て、遊歩道は急勾配の坂になったんだ。写真で見るとそうでもないようだが、実際はかなりきつい斜度で、押し上げる自転車がずっしりと重く感じられる。気を抜くと、コンクリートで固められた急斜面で靴底がずるっとすべる。途中で自転車をほうり出したくなるようなつらい坂だよ。



 やっとの思いで遊歩道のきつい坂を登りきると、目の前には静かな鎌北湖だ。





 左が林道権現堂線で、北向地蔵へ行く道だよ。奥武蔵グリーンラインの起点だ。



 少し行くと林道鎌北線の起点があった。



 鎌北線の林道標示板のまえを通り過ぎるとまもなく、これから走っていく林道諏訪線の起点に着いたよ。このあたりは、ひっそりと静まる山里の鎌北の集落だ。ここからいよいよ急勾配が始まるのかな。最もここまでもけっこう急勾配だったけれど。



 おや?舗装が切れてダートに変わるよ。
 草取りをしていた地元の女性に尋ねた。
「この砂利道はずっと続くんですか」
「ずっと続くよ」
 と、手を止めてニコニコしている。



 途中まで頑張ってペダルをこいだが、地図とどうも違う。ナビの指しているルートとも違う。ナビと地図の示す道を探して、せっかく上ってきた道を引き返したが、草木の生い茂った獣道のようなのが一箇所あるだけだった。地図が古いから道が出ていないのかもしれない。実はナビに入れている山地図も古いのだ。
 とにかく先へ進んでみようと、下ってきた砂利道をふたたび上り返した。このときはもう、さっきのようにペダルを踏む元気がない。
 ガタガタのダートを押し上げていく。
 そのとき、運よく上から下って来た山歩きの男性に出会ったんだ。
「どうも古い地図で道が載っていないんです」
「古い地図はやめた方がいいですよ」
「そうですね」
「この道は獅子ヶ滝のほうへ続いています」
「ありがとうございます」



 ダートを上り詰めたところから道は舗装路になった。舗装された道はなんと楽なことか。ありがたい。気持ちがいい。



 ここが林道諏訪線の終点だね。獅子ヶ滝だ。



 杉の木の奥に、たしかに細く小さな滝の水が落ちている。そこに白装束の人が集まっているが、水行をする人たちだろう。



 獅子ヶ滝からすこし下ったところにある八坂神社だ。鳥居の右手にある湧水は飲むことができる。「八坂の清水」、別名「天王様の水」とも呼ばれている。水質は検査により安全が保障されているそうだよ。



 毛呂山町の方へ向かって長閑な道を下っていく。空気は暑くもなく冷たくもなく気持ちがいい。日差しが心地いい。





 桂木観音の方へ向かう道だよ。空の色を見てほしい。真っ青だ。





 滝ノ入地区を流れる桂木川上流には「ゆずの散歩道」という散策路が整備されている。もともとこの地域はゆずの栽培が盛んなところで、その名前がつけれたのだろう。風雅な意匠の吊り橋や石橋があるよ。





 三つ四つヘアピンカーブの急勾配を上っていくよ。





 ここからさらに200メートルほど上ると桂木観音だ。頑張ろう。



 桂木観音の石段の前にある駐車場にはベンチがあり展望台になっているよ。ここからの眺めはなかなかのものだ。元旦には日の出を拝もうと多くの人が集まるそうだよ。





 石段に続き、さらに丸太を横に張った階段を上ると梵鐘があったよ。静かに撞くようにと書いてあったので、一つ撞かせていただき合唱した。すんだ余韻が長く響く。





 朱色の褪せ具合がいい観音堂だ。すっきりとした端正なたたずまいだよ。



 林道桂木線を下っていく。



林道桂木線はここまでだね。ここは天望峠というらしい。



 ここからは林道滝ノ入線を下っていくんだ。







 県道61号を横切り、里山道を走る。のんびりしていていい雰囲気だよ。



 越辺川沿いのこの道もなかなかいい。黒山三滝を訪ねたときは反対方向からここを走ったね。





 林道山入線だよ。いい景色だね。





 新緑も青空も実にきれいだ。



 ここからは林道楠線になるんだね。





 やっと「上谷の大クス」に着いたよ。







 下のベンチに腰を下ろして、お昼のおにぎりをいただきながら“大クス”を見上げていた。なんだか不思議と落ち着く。いつまでもそこにいられる。いつまでも見上げていられる。そんな特別な巨木だ。



 弓立山へ向かう。普門寺前の急坂だ。途中で歩きたくなるくらいのきつい坂だよ。



 急坂を上りきったところからの景色だよ。





 弓立山の頂上だ。とっつきからここまで、それほどきつい勾配ではなかった。
 やはり自転車で上ってきた青年に写してもらったよ。



「数年前に山火事があってこの辺が燃えたんですよ」
 歩いて上ってきた別の男性が言った。
「展望台はそれから取り壊されてしまったんです。山頂の標柱も少し焦げているでしょう」
「誰か火を使ったんですかね。それとも自然発火だったんでしょうか。展望台がなくなったのは残念ですね」

「ここからの景色はすばらしいですね。天気がいいから遠くまで見えますね」
 ここはヒルクライマーにはけっこう知られた山だそうだよ。標高はそれほど高くないが、頂上からの眺めがとてもいいんだ。
「すぐ下に見えるのが都幾川町ですよ。遠くには筑波山が見えます」
「こんなに遠くまで見えるなんてラッキーですね」
「本当にそうですね」



「大きな白いマンションの見えるあたりは小川町ですよ」
 遠い山並みの上にほんの少し見える雪山はもしかしたら谷川岳だろうか。とにかく、はるか遠くまで視界がおよぶほど天気がいい。
 今日、このすばらしい景色に出会えて本当によかったと思う。この先どれだけたくさんこのような景色に出会えるかわからない。生きているからこそ出会えるこの景色を、しっかりと胸の奥に刻み付けておこう。



 弓立山をあとに坂を下っていく。そして埼玉梨花カントリークラブの間を抜けていく。





 杉や檜の中を抜け、竹林の下を行く。





 下りてきたところに大きな杉の木のある神社があった。
 萩日吉神社とあった。慈光寺(北西2.5km)の鎮守さんということだよ。鳥居の後ろにある巨大な杉の木は児持杉といわれ、樹齢は800年と伝えられているそうだ。



 都幾川橋を渡り、ときがわ町の県道172号を行く。





都幾川の脇を走る。新緑がまぶしい。



 今日最後の峠道だよ。それほどきつい勾配ではないようだ。



 ほどなく松郷峠だ。ここから小川町の方へ下っていくよ。



 痛々しく削られた山肌が不意に目に飛び込んできた。採石場だ。…山が削られるのはつらいね。



 八高線の小さな踏切をこえ、槻川に架かる橋を渡る。



 槻川沿いの静かな道を行くよ。だいぶ日が傾いてきたね。





 もう一度槻川を渡る。川の表情がまた違う。ここではゆったりと流れ、穏やかに見えるよ。



 道の表情も次々に変化していく。それがとても楽しい。自転車に乗るから味わえる楽しさだね。



 みたび槻川を渡る。



 空気がとても澄んでいるよ。風景すべての輪郭がくっきりとしている。





 槻川沿いのこの道はとくにすばらしいね。







 なんて静かな風景だろう。今日はよく晴れて本当によかったよ。



 槻川の流れのそばまで降りてみる。このあたりからが嵐山渓谷だろうか。









 ダートの遊歩道へ入っていくよ。夕方で人はほとんどいない。



 沈下橋だ。これが塩沢冠水橋というんだね。いい雰囲気だなあ。



 おや、飛び石橋があるよ。行ってみよう。
 水辺はひっそりと静まり返っている。流れる水の音がかすかに聞こえるばかりだよ。人の声も、鳥の声も聞こえない。







 もう5時だ。あたりが薄暗くなってきたよ。そろそろ駅へ急ごう。東武東上線の武蔵嵐山駅はもうすぐのはずだよ。



 今日の青空は最高だったね。おかげで素晴らしい一日を過ごすことができたよ。けっこうアップダウンのあるルートだったけれど、本当に楽しかった。
 さあ、帰りの電車が来たよ。お疲れさん、みみ爺。 

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