Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
輪行サイクリングと
のんびりポタリング

手賀沼・梅雨の晴れ間             2019年6月18日 火曜日

2019-06-25 08:36:27 | サイクリング・自転車旅
 退院して10日ほど経った。
 梅雨の晴れ間で、雲は多いが日ざしもあり、気温もちょうどいい。病院のDrは、自転車には乗ってもいいが、山登りや長距離はだめだと言ってたけれど、天気がよくなればじっとしていられない。長い上り坂もないし、無理をしないでのんびり走ればだいじょうぶだろうと、都合のいいように考える。往復52、3キロだ。
 国道464号の橋の上から見る小さな流れはすっかり夏の姿だね。金山落という川だよ。みみ爺が手賀沼まで行くときはほとんど必ずここを通るんだ。ここは、景色がはっきりと季節の変化を見せてくれる場所なんだ。



 大津川を挟む谷津田だ。この場所も、季節ごとに違う顔を見せてくれる。だから必ず自転車をとめて眺める景色だよ。春、夏、秋、冬と、違った風景を楽しめるんだ。



 切り崩した崖の上に並ぶ木々は冬になると、すっかり葉を落として箒が並んだようになる。それは、空が広がったように明るい景色なんだよ。



この道は、距離は短いがとても好きな道だ。夏は涼しく、秋から冬は落ち葉が積もる。



 いつも立ち寄る公園もすっかり緑の夏の姿にに変わっているよ。
 誰かが自転車を止めてベンチで昼寝をしている。静かだ。



 一ヶ月ぶりの手賀沼だ。青空と雲の様子がステキだよ。遊覧船がゆっくりと進んでいく姿もいい。





 公衆トイレの中にツバメの巣があった。餌を運んできた親鳥の頭が見えるよ。みみ爺が用を足しているすぐ頭の上だ。用を足すのも緊張するよ。ツバメを驚かさないように、そーっと、そーっと。ツバメもきっと緊張しているんだろう。



 2羽の親鳥に守られて、白鳥の幼鳥たちは、おもいおもいに水の中に首を突っ込んで餌を探している。
 ツバメも白鳥も、親が子を守り育てる。生き物たちは、ずっと昔からみなそうしてきたはずだ。それが自然な姿だとみみ爺は思う。
 しかし、昨今、人間の世界では、親がわが子を殺してしまうという恐ろしいニュースをよく耳にする。あらゆる種類の動物たちが子を慈しみ大切に育てるのに、最も知能が高いとされている人間たちの世界は一体どうなっているのかね。何かが崩れかけているような気がするよ。



 古びた橋と、静かに流れる川と、空と雲。心が休まる景色だよ。



 自転車で初めて走る道には、いろいろと心に残る風景があるよ。
 1ヵ月後のCT検査で問題がなければ、Drはもう運動もしていいですよと言ってた。こそこそと近所を走るのではなく、どうどうと輪行旅に出かけられるのもじきだよ。うれしいねえ。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

思いがけなく生きている、みみ爺               2019年6月14日 金曜日

2019-06-14 17:42:44 | 日記
 思いがけなく頭の怪我をして、思いがけなくいいDrに出会い、思いがけなく助かった。人生には本当に思いがけないことがある。
 こうして今生きていることも、実は思いがけないことかもしれない。
 この公園の景色はもう何度も見ている。しかし、いつもとは何かが違う。何が違うんだろう。



 梅ノ木にたくさん梅の実がなっている。みみ爺よりもっと年配のおじいちゃんが、手にしてきた杖を放り出して、梅の実をとっている。 
「こんにちは。梅干を作るんですか」
 にこにこと人のよさそう笑顔のおじいちゃんだ。
「いや、梅酒だよ」
「これだけ梅がなっていると、梅酒もたくさん造れますね」
「角砂糖を買ってきてね、梅酒造りだ」
「たくさんなっていますね。そうですか。梅酒ですか、楽しみですね。」
「散歩で来たんだ。梅の実がたくさんなっていても誰もとらない。もったいないからね」
「ほんとにもったいないですね、こんなにたくさんなっているのに」
 散歩の途中で公園に寄り、梅の実をとって好きな梅酒を造る。これも、のんびりとした晩年の人生の過ごし方の一つだ。こんなのもいいね。



 見慣れた景色だが、思いがけなくまだ生きているみみ爺の目にはとても新鮮に映っているよ。いつもと何かが違うと感じるのは、思いがけなく生きていることに気がついたからかね。



 もしかしたら、みみ爺だけじゃなく、今生きている人は、誰もがみな思いがけなく生きているということなのかもしれないね。
 いつ何が起こるかわからないから、今、生きていることを本当に大切にしたいね。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怪我をしたみみ爺、恐る恐る自転車に乗る          2019年6月13日木曜日

2019-06-13 14:50:33 | サイクリング・自転車旅
 しばらく雨や曇りの日が続いていた。今日は久しぶりにいい天気だよ。退院して今日で6日だ。病院のDrは、少しぐらいなら自転車に乗ってもいいと言ったような気がする。で、ちょっと外に出てみたんだ。
 暑くもなく寒くもなくちょうどいい。谷津みちは見渡す限りの新緑だ。田んぼもすっかり田植えが終わっている。ほんとにいい天気だ。空が真っ青だよ。




 ここは15%以上はある急勾配だよ。だいじょうぶだろうか。また、頭の中に血が溢れてきたらどうしよう。




 新川だ。遊歩道沿いのベンチに座って、長い時間休んでいた。日差しは暑くなく気持ちがいいくらいだったよ。30分もいただろうか。こんなにのんびりと時を過ごすのは久しぶりのことだ。こんなふうに自転車を楽しむのもいいもんだね。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みみ爺青天の霹靂                2019年6月9日 日曜日

2019-06-09 11:49:20 | 日記
 みみ爺の家の庭には25年くらい前に手作りした、ほんとに小さな小屋があるんだ。図面を引き、休みの日に少しずつ進めて、当時、完成までに半年ぐらいかかっただろうかね。



 その小屋の扉や窓がいたんできた。たびたび塗装を繰り返してきたが、やはり木製だから年月とともに傷んで来る。



 それで古くなった窓や扉を新しく作り直したんだ。





 さて、取り外した古い窓や扉を解体して片付けなければならない。窓は小さいから簡単に切り刻むことができた。大きな扉はちょっと厄介だった。あちこちのネジをはずしていく段階で、仮にちょっと立てかけた。
 その立てかけ方がまずかった。しゃがんで別のことをしていたとき、立てかけた扉が横滑りしてきて、縦かまちがみみ爺の左顔面を直撃したんだ。
 一瞬フラフラっとなった。青あざにでもなったかなと思ったが鏡を見ると、いくらか腫れて膨らんでいるだけだったよ。その後も作業を続けてその日は過ぎた。
 物を噛むときにぶつけたあたりが痛んだが、それも3日ほどで消えた。
 ところが、それからさらに3日ほどすると、今までにない頭の痛みがあることに気がついた。みみ爺は1年に1度か2度偏頭痛に襲われることがある。しかしその痛みとは違うんだ。頭を左右に振ると痛みが増す。倒れてきた扉が当たった右側だ。
 気になるので病院へ行ったんだ。そしたらそのまま入院となってしまった。急性硬膜下血腫という診断だったよ。扉が頭を直撃したのもそうだが、この診断結果と入院宣告こそまさに青天の霹靂というもんだ。血圧が一気に160くらいに跳ね上がったよ。

 病室の窓からの景色はよく晴れていて気持ちがいいくらいだった。だが、みみ爺の心は重い。



 3日目に、突然みみ爺のところへ理学療法士の若いおねえさんがやってきたんだ。
「これからリハビリをします」
「えっ?」
「先生からそういう指示が出ています」
「そうですか」
 リハビリと言ってもみみ爺にはいったい何をやるのかわからない。体のどこにも、動かないとか動かしづらいとかいったところはない。とりあえず理学療法のおねさんの後についてリハビリ室へ行った。
 リハビリ室では、たくさん置いてあるリハビリ台の上で、みみ爺とおなじような爺さんやばあさんたちが、理学療法士にリハビリの指導を受けていた。
 みみ爺が台の上に横たわると、理学療法士のおねえさんは、ストレッチポールという筒状のものを持ってきた。その上に寝かされ、おねえさんの指示で足を上げたり腕を上げたり、万歳をしたり、その腕を大きく回したりといろいろやらされたんだ。
「なんでもできますね。元気そのものですね。私より体力ありそう」
 と、おねえさんは言う。
「なにをしましょうかね」
 と、困っている。
「じゃあ、マッサージでもしてください」
 と、冗談半分にみみ爺。
「そうしましょう。どこか痛いところはありますか?肩こりとかありますか?」
 というわけで、リハビリというよりは、ほとんど気持ちのいいマッサージをしてもらうことで、その日のリハビリの時間は終わったよ。
 次の日も理学療法士のおねえさんは困りっぱなしだった。で、マッサージをしてもらったり話をしたりして時間をすごしたんだ。若い女の子の理学療法士さんのマッサージを受けたり話しをしたり、入院中一番楽しい時間だったよ。

 さいわい5日ほどの入院で血腫は小さくなり、退院することができた。退院の日、Drは、
「1ヶ月ほどしてまた血腫が大きくなることがあります。その時は手術をします」
「自転車は乗ってもいいですか?」
 と、みみ爺。
「いいですよ」
 ああよかったと思った次の瞬間、後ろにいた家内が、
「でも、山を上ったり長距離を走ったりとかなんですよ」
 Drはそれを聞くと、キッとみみ爺をにらんで、にべもなく言ったんだ。
「それはだめです」
 あとで看護師さんに尋ねると、手術というのは、
「頭に穴を開けて、血を抜くんです」
 と、恐ろしいことを言う。
 まあしばらくはおとなしくしなければならないね。人生とはまったく思いがけないことがあるもんだよ。
 さて、何をしていようかね。普段乗り回している自転車のグリスアップでもしていようか。次に出かけようと思っていたところは決まっていたのにさ。

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする