Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
輪行サイクリングと
のんびりポタリング

みみ爺、一人旅。                   2017年4月25日 火曜日

2017-04-26 14:27:24 | サイクリング・自転車旅
 今日は、いわゆる「旅行」という意味での旅のことではない。
 みみ爺は5月で68歳になる。この年になると、友人、知人、親兄弟など、周りの者が一人二人とこの世を去っていく。また、あるいは認知症で、あるいは重い病で病院や施設に入っていく。
 
 この日みみ爺は北柏の、ある施設に入所している知人を訪ねたんだ。
 北総線沿いの国道464号の歩道の上から久しぶりに金山落を眺めた。金山落とは川の名前だよ。冬に見た時とはすっかり変わっていた。季節は春で、景色には喜びと明るさが加わっている。この景色に出会えたことはうれしい。



 手賀沼に向かう大津川の土手の上の道だよ。菜の花に囲まれた細道だ。自転車一台がやっと通れる道だ。



 手賀沼の眺めもどこか明るい。気持ちのいい広がりだよ。
 人生も、つまるところたった一人、こうした景色ばかりならいいんだがね。



 人との交流が苦手な知人は一日中個室の中にとどまっている。私の顔を見てもすぐには思い出せない様子だった。いつも明るく笑っていた知人だが、今日は少し暗い表情をしていた。毎日退屈だという。

 施設の駐車場には車が少ない。施設の人に聞くと、面会に来る人はあまりいないという。ここにいる者は病院とは違い、おそらく治る見込みのない老人たちばかりだ。自分たちには介護ができないと、ある意味身内から見放されたような老人たちがほとんどだ。
 食堂やホールに集まっている老人たちは、互いに会話をするでもなく、ただ椅子に座っているだけのように見える。頬杖を突いていたり、窓の外をぼんやり眺めていたり、どれもこれも一人の世界にうずもれた姿だ。隅のほうでテレビが映っているが、それを見ているものもなく映像と音声がむなしく感じられる。

 一人旅とは、深い言葉だ。

コメント (2)
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