ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年四月二十日]

2008年04月20日 | fine arts
暖かではありますが、スッキリは晴れませんね。今日もやっぱり電車移動で鎌倉・葉山へ。(写真: 鏑木清方記念美術館では鉢植えの早咲き紫陽花がきれいに咲いていました。)

百花繚乱の絵画 於: 神奈川県立近代美術館葉山館・鎌倉館・鎌倉別館
神奈川県立近代美術館葉山館が開館5周年と言うことで鎌倉館・鎌倉別館と併せ、3館合同で展示を行っています。ここ神奈川県立近代美術館の約10,000点の収蔵作品の中から選りすぐった400点を一挙に見ることが出来ました。まさに日本近代絵画史に於ける名作家の名画ばかり、圧巻です。本当に素晴らしい作品ばかりで自分は中でもやはり鎌倉別館の日本画の展示に魅かれました。400点もの作品の内、特に印象に残ったのは鎌倉館では黒田清輝氏、久米民十郎氏など、鎌倉別館では伊東深水氏、川端龍子氏、狩野芳崖氏等、葉山館は現代美術が主体だったのであんまりでしたが、益田義信氏の作品でした。とにかく川端龍子氏、狩野芳崖氏、益田義信氏の作品にはシビれましたね。この展示、ひとりの作家の作品が数点並んでいることが多く、その画家の違う画風の絵画を一度に見ることが出来るので興味深かったです。これからの季節、鎌倉・葉山等、湘南散策にピッタリだと思います。素晴らしい作品を一挙に観ることが出来るこの美術展に是非、出掛けてみて下さい。お奨めします。

↓ 神奈川県立近代美術館 ↓
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/index.html

女性が惹かれた美人たち 第二期 清方の優美なる筆遣い 於: 鏑木清方記念美術館
鏑木清方氏が手懸けた多くの雑誌の口絵や表紙絵などを本画、下絵とともに展示していました。改めて感じましたが、鏑木清方氏が描いた女性は淡い色香を感じる美ですね。そして、とても儚く優しい。それと清方氏の画風はぼかしの技巧が絶妙だと思います。今回、展示された色刷口絵、石版の作品は石版ならではの少し滲んだ感じの画面に味があり、そして木版の作品は精緻な描写が表現され、どちらもそれぞれに清方氏の持ち味が出ていました。

↓ 鏑木清方記念美術館 ↓
http://www.kamakura-arts.or.jp/kaburaki/

山口蓬春・名画誕生の軌跡 - 本画と下図から探るその絵画の魅力 (前) 於: 山口蓬春記念館
山口蓬春氏の本画と下図を並べて展示した氏の創作活動が分るとても興味深い展示でした。文化勲章を受章された作品、連作《春・夏・秋・冬》の内、今回は《春・秋》二図の本画と下図を中心に様々な美しい作品が並んでいます。この前に見た鏑木清方氏の展示にも下図を見ることが出来ましたが、やはり綿密に下図や素描を描いているからこそ、整った構図できれいな色彩の素晴らしい絵が描けるのでしょう。一朝一夕では出来ないのです。凄いです。後期点の《夏・冬》二図を見るのが楽しみです。

↓ 山口蓬春記念館 ↓
http://www.jrtf.com/hoshun/

反主流の美学 考察 - 1960~1970年代のカウンター・カルチャー 於: Bunkamura Gallery
渋谷に戻り一軒、ギャラリーに寄りました。タイトルから分る様に1960~1970年代にあえてメイン・ストリームから外れて活動をしたアーティストの作品を紹介した展示です。そんな作品には時代や体制に対して斜に構えた姿勢、そこにはいつも鋭い感性、人間の直な心理や欲望などが表現されていると思います。ある意味、一番、身近に感じることの出来る芸術かもしれません。この展示には横尾忠則氏のポスター作品を筆頭に、その時期にアンダーでありながら最も尖っていたアートが並んでいます。自分の多感な時期を思いだす様な作品も多く、とても興味深い内容でした。中でも太田蛍一氏の作品には懐しい気持ちいっぱいでしたね。

↓ Bunkamura Gallery ↓
http://www.bunkamura.co.jp/gallery/index.html