瀬戸内海に浮かぶ山口県上関町の祝島(いわいしま)。約500人が暮らすのどかな島の原発建設反対運動と、島民が守り続ける静かな村の生活を記録したドキュメンタリー映画。
漁業と農業で暮らす祝島の対岸に中国電力上関原発計画が浮上したのは1982年。28年を経た今も、島をあげての原発建設反対運動が続いています。映像の大半を占めるのは静かな島の日常。美しい海、美しい棚田、つつましく穏やかな生活。長きに渡って守ってきた島の暮らしを観ながら、時おり泣けてきました。28年も反対運動を続けてこられたこの島の人々のことを知らないでいたこと、原発のことから目を逸らしてきたことを申し訳なく思いました。「先祖が守ってくれた海を、次は私らが子孫に残してやる番じゃ」、老人が語りました。大切な物を守るために反対しているんだということが伝わってきました。1つの島の問題ではないことは、もう誰もが気付いているはず。大切な物を守るために、未来を守るために私たちのとるべき道は決まっているんじゃないかと思います。未来は今を生きる私たちにかかっているのだから。