2006年度作品。イギリス=ハンガリー映画。
1824年ウィーン。第九の初演を控えたベートーヴェンのもとに、女性作曲家アンナが写譜師として訪れる。ベートーヴェンは冷たくあしらうが、彼女の才能を知り仕事を任せることに……
監督は「太陽と月に背いて」のアニエスカ・ホランド。
出演は「アポロ13」「ビューティフル・マインド」のエド・ハリス。「トロイ」「ナショナル・トレジャー」のダイアン・クルーガー ら。
本作は激しやすく独善的性向の強いベートーベンと女性写譜師との交流を描いた作品である。
そういうわけで当然のごとく、二人がぶつかるシーンはあるのだが、そのつくりがいまひとつ収まりが悪い。それは、ベートーヴェンと女性とがケンカするという状況をつくりたいために、強引にエピソードをつくり上げたという感じがして、幾分つくり物めいて見えるのだ。
そのために話の流れがどこか唐突で、心理描写の流れの面から見ても、腑に落ちない部分がちらほら見られた。
そういった影響もあり、ストーリーにうまく乗れず、退屈にすら感じられてならなかった。
しかし音楽のシーンはさすがにすばらしい。特に第九のシーンは圧巻の一言で、心地よさすら感じた。
たとえストーリー的にいまひとつでも、音楽がすばらしいと、そのまずさもカバーしてくれる。音楽ってやつは本当に偉大だな、とつくづく思い知らされた次第だ。
評価:★★★(満点は★★★★★)
制作者・出演者の関連作品感想:
・ダイアン・クルーガー出演作
「戦場のアリア」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます