インピーダンスのはなし 伊藤健一 著
入手した本の巻末には1999年11月15日初版第1刷、2011年12月19日初版第17刷とある。
刷数を重ねているところから推測すると、その筋ではかなり売れた部類の本かと。
スミスチャート/水橋チャートの説明が入門者向けに説明されていて、素人うけしている感あり。
が、説明が漫画チックかつ、独特な言い回しがあり、読む人によって高・低の評価が分かれて
いるのも事実。
個人的には曖昧だった知識の整理がついたので、買って損のない本だと思っているが、納得
できないところが一カ所。
それは直列共振のわかりやすい例として記載されている図と文が合わないのである。具体的に
は90ページ・図5.11。
周波数が0⇒∞に変化した場合のインピーダンス変化の説明であるが文章と、図の周波数
プロットが完全に逆なのである。
・・・読み始めたときは、自分の理解がおかしいのかと疑ってみたが、何度読み返してもオカシイ。
ということで、スミスチャートを検証するソフトウェアを使って疑問を解消することに・・・
上図を見れば分かる人は分かるので具体的な説明はしないが、予想どおりというか文章説明
のとおりの図となった・・・コレデイイノダ
あと説明の不具合ではないが、説明が舌足らずな感があるのが「λ/4の伝送線路の効用」部分。
これも上記のソフトウェアを使えばイッパツで分かる。
※使ったスミスチャートのソフトはSmith V3.10 この本の付録としてCD添付しても良いんじゃ
ないかと思う。 なかなか スグレモノ。
伊藤健一氏の著書は結構たくさん出版されているが、売れ筋はこの本と「アースのはなし」あたりか。
似たようなことが書いてある「パスコンのはなし」というのもあるが、これは「アースのはなし」と
「インピーダンスのはなし」を足して二で割った感じの本。
著者が同じなのであたりまえと言ってしまえばそれまでなのだが、三冊を通して読むと、パスコン編
は水増しして書いた?感がある。
書評みたいになってしまったが、著者に敬意を払って上記の三冊は購入しております。
H26.4.27
Blog移転に伴うHTMLの不具合を修正
あちらこちらの無線関連の製作、実験を掲載したホームページを眺めているとどう考えても??
な結果を、まことしとやかに結論づけているものを散見する。
スペアナやオシロによる測定画面を載せ、いかにも「もっともらしい」解説が添えられている。
少し基本を考えれば「おかしい」ということが分かる筈なのだが、それを解する基礎がないのか、
考える気がないのか、オームの法則を無視したような解説をみていると「ご高説ごもっとも」って
あきらめの気分になる。
せめて検索エンジンに引っかかることが少なければ救いがあるのだが、この手のホームページは、
検索するたびによくヒットする。 ゴミの垂れ流し状態の感あり。
高価だったプロ用測定器が中古市場に流れ出て、アマチュアの手に届くようになったことは結構な
ことであるが 「測定器を持つ=自分の技量がある」 という錯覚に陥っているように見受けられる。
一言居士があちらこちらに跋扈(ばっこ)するインターネット世界である。正しいものを見抜く力量が
ないと、とんでもない買い物、実験を再演する結果となる。
力量を持った方々のホームページもあるが、残念なことに勢いを失っているのが実情である。
悪貨良貨を駆逐する、の図である。
H26.4.27
Blog移転に伴うHTMLの不具合を修正
by bong_bee 6th.June
■セラミック共振子二題
①青色の線で表示されているのは巷でよく出回っているCSB455の特性
Mkr1は441.89KHz (fs)
Mkr2は457.34Khz (fp)
fp-fs=15.45Khz (fw)
②赤色の線のセラミック共振子
fs=450.4Khz
fp=459.2Khz
fw=8.8Khz
この素材はメーカの現行品である。(2008年3月の本記事投稿時点で)
2024年5月28日追記↓↓
②の素材はBFU450、2024年5月時点では廃番である。
・・・が、インターネット上では流通している。BFU455(fs=455Khz)もある。
※455Khzに近いセラミック共振子のラダーフィルタ用途であれば、
今さら踊らされてCSB455とか、CRB455なんぞを探さないようにww
追記終わり↑↑
この比較図では分かりにくいが、①の素材よりも②の素材のほうが直列共振の山が急峻である。
②の素材は狭帯域(1KHz以下)のラダーフィルタ向きと思われる。
H26.4.27
Blog移転に伴うHTMLの不具合を修正
R06.5.28
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