大井川の風

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商人の心 「分度袋」その2 受け継がれる報徳思想

2009-12-20 23:30:00 | あきんど入門
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さて、先月もお届けした「報徳分度袋」。分度とは勤労によって生じる消費行動のことです。もちろん勤労の範囲内であることは言うまでもありません。なお、この袋の説明文は以下の通りです。
(原文のまま現代かな遣い)
「まず1ヵ月の生活費を別紙の予算表に従って分割してお金を各袋の費目に従って封入しておきます。必要ごとに費目袋から費目を間違えぬように支出します。」「例えば米を買う場合は必ず飲食費の米の袋より出し、被服費等より出さぬこと。かかることをすると必ず間違いを生ずる原因となります。」


さて、今日ご紹介するのは残る分度袋です。「慰安費」とは聞きなれないですが、内訳には「茶・菓子・コーヒー・酒・煙草」とあります。いわゆる嗜好品ですね。その隣に「娯楽」の項目があります。他の袋には事細かに内訳があるのにもかかわらず、唯一この「娯楽」の項目だけは内訳が白地のままです。これには深い意味がありそうです。


そしてこちらの袋、今までご紹介してきた袋は予備費を除いてすべて「経常費」となっていますが、左から2番目の袋だけ「自譲費」となっています。

袋に入れるものは「自己・子孫・一族のための推譲」とあり、内訳には預貯金、株式をはじめ事業資金、保険、教育費が入っています。この聞きなれない「推譲」とはいったいどんな意味なのでしょうか。次回、再び考えます。
<つづく>

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