ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

神戸のパレードに参加して(2) すごい神戸の取り組み

2007-05-18 01:20:46 | Weblog
昨日の記事で神戸のパレードを一緒に歩き体験したことの感想を書きましたが
言葉足らずだったようです。

今回の神戸で目のあたりにしたことは、こんなことまで出来るのか?
といった、驚きの連続と、他のパレードとの違い、その根底にある神戸の
意識の高さに衝撃を受けてばかりでした。

自分自身の理解が追いつかなかったことによる消化不良のせいです。
すみません。
神戸が大したこと無いなんてことを書いたわけでは決してありません。

それどころか学ぶことが多すぎて、ちょっと自信がなくなるほどでした。

読む人に神戸の活動を「しょぼい?」だのと勘違いされては不本意なので、
神戸の取り組みのすごさを昨日の続きとして書きますね!


今回初めて体験した「やさしい表現」のパレードに正直面食らいました。
今まで参加したパレードとは異なっていたからです。
パレードとはこういうものだ!という固定観念もあったと思います。

可視化を強く狙ったイメージのパレードは、隠れて生活をしている多くの
当事者にとっては迷惑で距離を置きたいことになってしまっています。

そのことから始まって、カミングアウトエリートといった言葉も表れ
行動的に社会の変革を進めていこうとするものと、隠れていたいというもの
との間に大きな溝が出来ています。

当事者が立候補し政治参加していくようになっても、その距離感から
応援することにならないでいると思います。

その距離感を埋めようと挑戦しているのが神戸のパレードと言えます。


昨日はその加減にたいする自分の意見として、もうキモチだけ表現しても
隠れた仲間にも刺激を与えない加減のやり方ができそうかな?と書きました。
本当にもうギリギリラインの加減の難しさがあると思うのですが、今年を参考に
来年またその具合を挑戦されていくのでしょう。


今回、神戸の日頃からの取り組みも目の辺りにさせていただきました。
BASEKOBEさんら神戸の皆さんの熱心な活動によってエイズへの取り組みは
全国の先端を行っています。

ゲイコミニティ向けに非常に踏み込んだ内容のリーフレットを
行政と作成していました。ゴムをつけよう一点張りだけでない、より
実践的な予防策も書かれていたり、陽性者の皆さんからのメッセージが
あったりと、それはすごいものです。

こんなことが行政でも神戸では出来たのなら・・
その勢いをなかなか大変だけれども全国に広げていかなくちゃいけません。
その取っ掛かりを示してくれています。

他にも教育委員会や保健所の長から性的少数者の人権の啓発と推進に取り組む
ことを文書で約束してもらってもいるのです。

ホテルへの宿泊拒否問題についても、市内全体のホテルへ通達を出してもらって
いるとも聞きました。

こういった一つ一つの結果は、日頃から行政や関係機関との取り組みを
相当に粘り強くしていることの現われです。

そして、そのことはとてつもなく迫力があるのです。
クラクラするようでした。

このように一過性のパレードだけを目的とするのではなく、日頃からの行政を
巻き込んだ取り組みがあって、その上で地元のお祭りに100人もの参加をし
同じ市民として祭りを盛り上げていく。それは・・

関わった行政関係者、医療関係者、保健所の人たちなどが
この神戸のプライドマーチを見た時、自分たちの取り組みにたいする熱意が
本当であることを示す強烈なメッセージとなっているに違いありません。

本当に当事者はいるのか?困っている人がいるの?
同性愛者?同じ市民?ちょっと感覚できない・・
こういった発言は俺も行政の人と話しても良く聞くことなのです。

去年30人ほどの参加で始まったプライドマーチの成果が
先の行政との関係にもつながっているそうです。
それこそ可視化だったのです。


やさしい表現だからでしょう、HIV陽性者の方々が今回のプライドマーチに
30人近くも安心して参加したそうです。

共に生きるの想いが根ざしている証拠だと思いました。
アフターパーティでそのことをBASEKOBE重ウチさんが触れられていました。

本当に今この場に一緒にいます。
それは犯人探しをしているような段階では無いということを
大いに意識させられるものでした。

この場所には多分感染者の方もいるだろう、だから・・
といった疑心暗鬼を巻き起こすような段階じゃないんです。
神戸は既に次のステージに上がっているなと揺さぶられました。


昨日の記事のおかげでいろいろな意見に触れることが出来て
少しづつ整理でき始めています。ありがとうございます。

再度、パレードとは日頃の活動があって、
日頃の社会参画があっての上で行うから意味があるということですね。

そして、多くの隠れた状態にいる仲間が緩やかにどう関わっていけるか?
そのやり方のヒントが神戸にあります。

自分の松山の活動にしても「れいんぼ~ティーサロン」(次回6月17日)を
いかに継続して、ここなら安心そうだから参加してみようと思えるように
していくところからだと改めて思っています。
コメント
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